エンプロイアビリティーが要求される時代に

自宅で大学の勉強を無料で受けよう(MOOC)

「MOOC(ムーク)」を活用して自宅で大学の勉強を無料で受けよう

コロナを契機に「会社に勤める」という意識に変化があった人も多いのではないでしょうか。航空業界・飲食店チェーンなどでの希望退職や出向、副業奨励といったニュースに接すると、自分がこのまま会社勤めを続けられるのか漠然とした不安が出てきます。

また、人生100年時代となり、今後は定年も70歳まで延びそうです。会社の寿命は30年といわれていますので、2社以上に勤めるのは当たり前の時代がやってくるかもしれません。ビジネスパーソンには「エンプロイアビリティー(雇用され得る能力)」が要求される時代となりました。

そのせいか、電車に乗ると以前はスマホでゲームやニュースを見ている人が多かったのですが、最近は資格試験のテキストを拡げたり、書籍を読む姿が目につくようになりました。いろいろと今後の社会人人生を考えている人が増えているようです。
 

リカレント教育が必要な時代へ

AIやロボットがこれから社会に浸透するのに伴って、雇用環境が大きく変わっていきます。昔の花形職業に電話交換手やバスの車掌という時代がありましたが、今や絶滅職種です。同じように、今ある仕事のいくつかが自動化などでなくなり、今は存在しない仕事が生まれていきます。

学校を出て就職し、そのまま定年まで勤めるような雇用環境ではなくなり、転職が当たり前になると「リカレント教育(学び直し)」が必要となります。ところが多くの日本人は、今までほとんど学び直しをしてきませんでした。

これまで新人を採用して企業内教育によって培ってきましたが、世の中が変わり、企業による教育のみでは限界がでてきました。会社を辞めて大学や専門学校で学びなおすというやり方もありますが、けっこうな金額がかかります。また大都市圏でないと開講しておらず地域特性による隔たりが大きい面もあります。

そんな中、現在はデジタル化の進展によって、もっと気軽に大学の授業を受けることができる時代になっています。
 

「MOOC(ムーク)」が世界で拡がる

MOOC(ムーク)とは、大規模公開オンライン講座のことで、2008年頃にアメリカでスタートしました。海外には2つの大きなムークがあり、一つがスタンフォード大学から生まれた「コーセラ(Coursera)」。2021年5月現在、利用者数が2500万人を突破しています。もう一つがマサチューセッツ工科大学(MIT)とハーバード大学が始めた「エデックス(edX)」で、こちらも約2000万人が利用しています。

ただ日本ではMOOC(ムーク)はそれほど普及していません。MOOC(ムーク)そのものが知られていないことと、基本的に英語などで講義が行われるため敷居が高い点があります。
 

2014年、日本版ムーク「gacco(ガッコ)」がスタート

2014年、日本版ムーク・ガッコ(Gacco)がスタート

2014年、日本版ムーク「gacco(ガッコ)」がスタート

世界でMOOC(ムーク)が拡がり、このままでは日本が取り残されてしまうという危機感から2014年に日本初の大規模公開オンライン講座「gacco(ガッコ)」がスタートしました。会員登録や講座受講は無料で、会員数は64万人を超えています。

gacco(ガッコ)では、受講したい講座を選ぶと4週にわたって講義が行われます。1週あたり5~10本ほどの動画で講義を受け、副教材をダウンロードします。科目によってはオンラインで会員同士が議論できる仕組みもあります。講義が終わると小テストが待っています。最終テストがある講座もあり全体で60点以上を獲得すると終了証(PDF)をダウンロードできます。

ガッコ最初の講座は2014年4月開講の東京大学・本郷和人教授による「日本中世の自由と平等」でしたが、小テストも専門的で難しく、最終テストは「日本中世における自由・平等・平和について」というテーマでの小論文でした。初期の講座は力が入っていたこともあり、受講者にはかなりのレベルが求められましたが、最近の講座はきちんと講義を受講すれば解けるテストとなっています。もちろん講座を受講するだけでテストを受けなくてもかまいません。
 

gacco(ガッコ)にはどんな講座があるの?

さまざまな大学、専門学校、企業、機関などがgacco(ガッコ)に講座を提供していますが、比較的情報系が多く、「はじめてのAI」「社会人のためのデータサイエンス入門」といった初心者向けから「クラウド基盤構築演習」「ビッグデータマネジメント・アナリティクス」といった専門教育講座まで揃っています。

他にも多彩な講座が用意されていて「歌舞伎の経済学」「アンコールワット研究」「学べばわかる北前船 一攫千金の夢とロマン、人・モノ・文化の交流史」といった人文系の講座もたくさん用意されています。
 

反転学習がある

gacco(ガッコ)の特徴として「反転学習」があります。反転学習とは、オンラインで知識を得る「インプット」と、オフラインで理解を深め知識を定着させる「アウトプット」からなるブレンド型学習です。

基礎的な講座内容を自宅で事前に学習して、反転学習が行われる教室へ出かけ、学んだ内容をもとに演習、皆でディスカッションやグループワークをして、さらに深く学習する形になっています。講座をオンラインで受講するのは無料ですが、反転学習への参加は有料になっています。

一つの会社にずっと勤めることが、当たり前ではなくなりつつあり、自分自身のブラッシュアップにリカレント教育は必須です。gacco(ガッコ)は無料でいろいろな講座を自宅でもどこでもネット環境があれば受講できます。スキマ時間にゲームをするのではなく、学んでみませんか。


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