慣用句「手が冷たい人は心が温かい」は暮らしの知恵
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手が冷たいと他の人に触れるのをためらってしまいがち……
では、なぜ「手の冷たい人は心が温かい」というのでしょう? そこには、暮らしの知恵があります。 反対に「手が温かい人は心が冷たい」のでしょうか? 由来や意味を解説します。
なぜ「手の冷たい人は心が温かい」といわれるの? 由来・理由
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「手が冷たい人は心が温かい」は、外国の握手文化から生まれました
イギリスに「Cold hands, warm heart」ということばがあります。まさに「手が冷たい人は心が温かい」という意味です。手が冷たいと何となく握手するのをためらってしまうので、相手にもそれが伝わります。そんなときに「手が冷たい人は心が温かい」を使えば、場が和んで相手も笑顔になりますよね。いわば相手に対する思いやり、人付き合いの知恵なのです。
ドイツにも「Kalte Hand, warmes Herz」「wer kalte hände hat, hat ein warmes herz」(手が冷たい人は心が温かい)があります。
フランスには古くから「Froides mains, chaudes amours.」(冷たい手、温かい愛。手が冷たいのは愛している証拠)ということばがあります。こちらは手相占いに由来し、手が冷たいのは愛の激しさによって熱が心臓に集中してる証拠だという意味です。現在は、「Mains froides, cœur chaud.」(冷たい手、温かい心)ということが多く、こちらは「手が冷たい人は心が温かい」の意味で使われることが多いようです。
※主な参考文献
『アカデミーフランセーズ辞典』アカデミーフランセーズ、『現代ことわざ辞典』外山滋比古
手が温かい人は心が冷たいの?
「手の冷たい人は心が温かい」とは反対に、「手が温かい人は心が冷たい」のかといえば、全くそんなことはありません。安心してください。昔ながらの言い伝えには、思いやりや知恵がつまっているので、意味を知り、上手に生かしてみてください。
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