どんなケースで申請から給付までの期間が長くかかる?

2020年もあますところあと3ヶ月を切りました。中小企業庁が主管している「持続化給付金」の申請期限が2021年(令和3年)1月15日までと〆切りが迫ってきています。
 
弊所のクライアントの場合では、申請から給付までの期間が1週間から、遅くとも2週間程度というケースがほとんどなのですが、中には「数度問い合わせしているが、審査中との返答しか来ない」あるいは「申請不備のメールが届いた」さらには「申請画面に正しく入力しているはずなのにエラーが表示されてしまう」といったケースが生じているとの声も聞こえてきます。

そこで、どんなケースでは申請から給付までの期間が長くかかる傾向があるのか、中小企業庁に報告されている例と実務での相談事例の中から代表的なものをとりまとめてみました。
 

添付書類の不備の有無で判断する「持続化給付金」

2020年10月12日までの支給件数は354万件とされています。したがって、持続化給付金を審査する側からみたら、個別の案件や業態について知り得る機会が添付書類や申請画面上で入力したデータしかないなか、一方でいわゆる「不正受給」については除外したいという心理が働くのは当然のことと考えられます。

したがって、
  • 添付ファイルにパスワードが設定されている
  • 画像がぼやけて情報が判読できない
  • 撮影時の角度により、必要な情報が撮影範囲から見切れている
といった初歩的な不備は資料収集の際にチェックしておきましょう。

なおこのようなことが判明したら、適宜「スキャニングのやり直し」や「パスワードの解除」といった処理をしておくことをおすすめします。

なお、申請フォーム画面に入ってから資料収集を行う(あるいは申請フォームの入力と添付資料のスキャニング)を同時並行的に行うと、パソコンやスキャニング機器に負荷がかかるので、事前に添付資料のスキャニングをある程度済ませてから、申請フォーム画面に入る方法をクライアントには推奨しています。
持続化給付金 パターン別添付書類の概要 (出典:中小企業庁 資料より)

持続化給付金 パターン別添付書類の概要 (出典:中小企業庁 資料より)


では、各々の添付資料にかかる不備をみていきましょう。
 

確定申告書の添付にかかる不備

確定申告書の添付にかかる不備で代表的なものは以下に列挙しました。
  • 確定申告書は添付されているが、青色申告書が添付されていない
  • 新規開業特例を利用したが、個人の開業届の添付がない
  • 税務署の収受日付印がない確定申告書が添付されている
  • e-taxの受信通知(メール詳細)がない確定申告書が添付されている
といったところです。
 
収受印のある確定申告書、e-taxの受信通知のイメージ図 (出典:中小企業庁 資料より)

収受印のある確定申告書、e-taxの受信通知のイメージ図 (出典:中小企業庁 資料より)


特に、確定申告の繁忙期間中は税務署に長蛇の列ができ、「税務署のポストに申告書を投函してきただけで、税務署の収受印を押印した控えをもらうのを忘れた」であるとか、電子申告の場合には「e-taxで申告書を作成するだけでいっぱいいっぱいでe-taxの受信通知メールが見当たらない」といったケースに何度となく遭遇しました。

そのような場合、「納税証明書(その2所得金額用)」を提出することで代用ができるのですが、税務署の収受印の押印がない確定申告書やe-taxの受信通知がない確定申告書は、審査する側からみれば「果たして税務署に提出したものと同じ確定申告書なのか」という疑念がでてきてしまうのです。
 

売上データに係る不備

売上データにかかる不備で代表的なものは以下のものです。
  • 売上台帳の売上と、対象月の売上が一致しない
  • 売上台帳の月と、対象月が一致しない
  • 売上台帳ではなく、勤務日報や請求書等を添付している
といったようなものです。

これについて特に「売上台帳の売上と、対象月の売上が一致しない」あるいは「売上台帳の月と、対象月が一致しない」というケースでは、「売上の計上基準をどうしているのか?」という点をチェックする必要があります。

たとえば、10月に業務が完了した仕事で、10月に請求書を起票し、11月に回収がされる場合であれば、10月に売上を計上するのが通常なのですが、「11月の売上だと勘違いしていた」というようなケースです。

「持続化給付金」の給付要件は前年度同月売上と比較して50%以上減なので、当然、売上の計上基準も前年と同じでないといけません。このような観点からみると「売上台帳の月と、対象月が一致しない」という原因が判明してくるかもしれません。
 

入力画面でエラーが表示されてしまうケースとは

入力画面でエラーが表示されてしまうケースで、最も情報が寄せられているのが、「持続化給付金」の申請フォームに沿っていないことです。

具体的には以下の4点
  • 口座名義等に半角スペースがある場合は、半角スペースをきちんと入力
  • 小さい「ッ」や「ョ」などは使用できないので、 大きい「ツ」「ヨ」などに置き換えて入力
  • 中黒点「・」は、ピリオド「.」ドまたはスペースを使用
  • カナ長音文字(-)は、半角ハイフン、マイナス(-)を使用
といったことです。
 
弊所でも実際社名の一部が「インスティテュート」と記載されるクライアントがあり、申請の作業中に「エラーが表示されてパソコンが動かない」との報告を受けた事例があるのですが、対応方法として上記のように事項をお伝えし、申請が完了した旨の報告を頂戴しております。
 
「持続化給付金」入力画面ではじかれるケースの具体例 (出典:中小企業庁 資料より)

「持続化給付金」入力画面ではじかれるケースの具体例 (出典:中小企業庁 資料より)


その他、金融機関の統合・合併等で古い通帳情報のまま申請しているケースがあります。特に個人開業時から長い年月が経過していると「その金融機関がない」「その支店がない」といったことに申請者自身が気づかないケースもあります。最新の情報をネット等で確認してから口座情報を入力しましょう。

コロナ禍の先がまだ不透明な時代です。

給付金で最も大切なポイントは、国や政府が積極的に「あなたは受給要件を満たしていますよ」と教えてくれるわけではなく、自ら能動的に情報をとりにいって、申請手続き等のアクションを起こさなくてはいけないことです。

年末年始の繁忙期になる前に申請漏れとなっている給付金はないかどうか。あらためてチェックしてみてください。

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