ストレス

容姿コンプレックスで顔や見た目に自信がない…思考の原因と対処法

【公認心理師が解説】自分の顔や見た目に自信が持てず、外見を気にしてしまう「容姿コンプレックス」。子どもの頃に言われたことや思春期に受けた冷やかしなどが原因で、根深いコンプレックスを抱えている方は少なくありません。自分に自信を持ち、容姿コンプレックスに対処する方法について解説します。

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド

顔・見た目に自信がない、気になる……それは「容姿コンプレックス」かも

容姿コンプレックスと向き合う方法

外見に自信が持てない……容姿コンプレックスとどう向き合う?

鼻が低い、目が小さい、顔が大きい、足が太い……そんな自分がイヤ! 自分の顔や体のパーツや全体に自信が持てず、いつも気になってしまう「容姿コンプレックス」。鏡を見る度にため息をつき、「もっときれいだったらよかったのに」「どうしてこんな顔なんだろう」などと、いつまでも考えてしまうものです。
 
容姿コンプレックスが強いと、他人がいくら「気にするほどでもないよ」「全然おかしくないよ」と言っても、聞く耳を持てなくなってしまいます。逆に、少しでも批評されたりすると(「濃い眉が凛々しいね」「厚い唇がセクシーね」など)、ほめ言葉であってもそのパーツのことばかりを気にしてしまうものです。
 

容姿コンプレックスの要因になる3つの背景

容姿コンプレックスさえなければ、もっと人生を楽しめるはず。なのに、なぜこれほどまでにとらわれてしまうのでしょう? 理由は人それぞれですが、代表的なものとして次の3つが挙げられます。
 
1. 幼少期から言われ続けて、固定観念になっている
幼い頃からたびたび容姿を批評されて育つと、とても長い期間、容姿にこだわりを持ち続けてしまうことがあります。たとえば、「鼻ペチャだね」などと言われ続けて育つと、大人になっても「私の鼻はみっともない鼻だ」という思いから抜け出せなくなることがあります。
 
2. 友達や異性に容姿を冷やかされ、傷ついた経験がある
思春期には、自分が同年代の子からどう見られているかを気にするようになります。こうした年代に、友だちや異性から容姿のことをからかわれたりすると、そのことが心の傷として強く残ってしまうことがあります。
 
3. 容姿による差別を強く感じたことがある
きれいな子ばかりが仲間内や異性に人気を集め、ちやほやされている、取り立てられている。一方、自分は誰からも振り向いてもらえず、声を掛けてもらえない。このような差を強く感じると、「自分が損しているのは容姿のせい?」と感じてしまうことがあります。
 

見た目の印象を決めるのは容姿だけ? 大切なのは表情、反応、しぐさ

人の印象は容姿だけが決め手になるわけではなく、表情やしぐさなどから感じるインパクトの方が人に強い印象を与えるものです。容姿という“ハード”には自信がなくても、表情、反応、しぐさなどの“ソフト”を豊かにしていくことで、他人に良い印象を与えることができるのです。
 
ほほえみを絶やさない、相手の目をまっすぐ見て話す、感情を豊かに表現する、やさしい眼差しを向ける、うなずきやあいづちでしっかり反応する。このようなソフト面を豊かしていくことで、良い印象を与えることができるのではないでしょうか。
 

容姿コンプレックスの直し方・対処法……「自分づくり」で自分を変える

容姿以外のことで自信をもてるようになると、意識が自分の内面に向けられ、容姿コンプレックスから自由になれるでしょう。特に「自分づくり」に役立つような努力をすると、自信につながります。
 
一人前になるまでは、「石の上にも三年」の思いで修行に励む。キャリアアップのために、専門度の高い資格の取得に挑戦する。精神性を高めるために、瞑想や礼法を学ぶ。体を鍛えて丈夫な体作りをする。「自分の軸」となる生きがいを見つける。
 
このような努力を続けていくと、自分の心が成長し、自信を感じることができます。すると、容姿コンプレックスを感じる機会が少なくなっていくでしょう。
 

自分を心から好きになるために、容姿コンプレックスに積極的に向き合ってみる

とはいえ、容姿コンプレックスが強い人の中には、すでに自分磨きや自己形成に取り組み、それでも容姿コンプレックスがなくならない方もいると思います。その場合、容姿を改善することが、本人にとって避けられない「中核課題」なのかもしれません。
 
そうならば、自分の容姿にとことん向き合ってみるのもよいでしょう。美肌づくり、化粧、ダイエットなどの美容法を研究し、美容の専門家にも相談しながら、愛着を持てる容姿をつくっていく。こうして自分の容姿を大事にして磨いていくと、自分を心から好きになることができるようになるかもしれません。
 
ただし、容姿の改善に取り組む際には、同時に自分の気持ちと向き合っていくことも必要です。美容に過剰に依存していないか振り返り、ほどほどに自分磨きを楽しんでいくこと。美容以外のことにも目を向け、総合的に自分を高めていくこと。これらのことを頭に入れながら、気長に楽しんで美容に取り組んでいくとよいと思います。
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