子育て主婦のストレス……自己効力感の低下や理想とのギャップも要因?

子持ち主婦の家事ストレスをなくすには

子どもはかわいいけれど、毎日毎日終わらない家事と育児でもう限界……子育て主婦のストレスには様々な根深い問題があるようです


育児に追われる子持ち主婦の方は、多くのストレスを抱え込みがち。悩みやストレスの詳細は人によって様々ですが、いずれも共通して「自己効力感の低下」「理想とのギャップ」「評価されない辛さ」という3つの要因が見られることが多いです。以下でそれぞれについてみてみましょう。

1. 自己効力感の低下
終わりの見えない毎日の家事、育児。片付けても片付けても終わらない家事、伝えても伝えてもわかってくれない子ども(時にパートナーも)を前に、自己効力感が低下していく例は少なくありません。毎日同じような内容のタスクが同じボリュームで発生し続けるため、頑張っても達成感が得にくく、「自分はこんなにできる!」という自信を次第に失いがちになります。

自分一人だけのことなら、自己目標を立てて達成への努力をすればいい。でも、こと子どもや家庭のこととなると、家族の事情にも左右されるため、物事を思い通りに進められず、計画倒れになってしまうことはしばしばです。すると、そのうちに「こうしたい!」という目標を抱くことさえやめてしまい、現実に追われるばかりの生活になっているケースもよく見られます。
 
2. 理想の母親イメージと現実とのギャップがある
「優しいお母さん」でいたいのに、全く言うことを聞いてくれない子どもに毎日イライラしてしまう。おしゃれですっきりとしたリビングにしたいのに、子どものおもちゃが散乱している。夫婦で和気あいあいと家事・育児をしたいのに、夫は忙しく無関心で変わってくれない……。

主婦として母としての理想のイメージがはっきりしている人ほど、現実とのギャップに戸惑い、落ち込むことも増えてしまいます。自分よりも器用に家事や育児をこなしている(ように見える)人や、仕事や趣味などで多方面の活動をしている(ように見える)人の話を聞いたり見たりすることで、落ち込んでしまうという人も少なくありません。
 
3. 頑張っても「あたりまえ」と言われて評価されない
家事や育児は重労働。でも、毎日へとへとになるまで頑張っても「できてあたりまえ」と思われがちで、ほめてもらいにくい、評価されにくい側面があります。

自分や夫の親に相談しても「そんなのはみんなが通ってきた道」「私なんてもっと苦労した」と言われ、逆に「もっと頑張れなくてどうするの」と諭されてしまったり、夫に相談しても「子どもがかわいくないの? お母さんが愚痴ばかり言ってたら、子どもにいい影響ないだろ?」と言われてしまったり……。努力が評価されないことでモチベーションが低下してしまうことは誰でも同じです。
 

子育て主婦がストレスを減らすための3つの鉄則

1. 育児や家事には終わりがないと理解し、「完璧」を目指すのをやめる
自分なりの理想像を持つのは素晴らしいこと。ですが、理想のイメージに縛られて、それができない自分を責めてはいけません。「完璧主義」を捨てるには、○か×かではなく、△の領域を増やしていくこと。「これができないと母親失格」という考え方は、〇×思考の完璧主義です。家事や育児は際限なくあるので、一つ一つを100%にするのは現実的ではありません。「一つ一つは△でも、量をこなしている私はすごい!」「完璧にできるにこしたことはないけれど、そうでなくても結果に大差なし!」と考えていきましょう。
 
2. 「ねばならならぬ」ことより、もっと「したいこと」を
子育ては「ねばならなぬ」ことの連続。でも、それだけで埋め尽くされていると、生きがいをなくしていきます。「毎日子どもと一緒にいられればそれだけで幸せ」という子煩悩な方は、どうぞそのまま楽しんでください。一方、「子育てばかりをしていると息がつまりそう」と思うなら、ぜひ「したいこと」を増やしていきましょう。

「したいこと」は日々の中で貪欲に見つけ、実行していきましょう。ちなみに私の場合、子育てに手がかかる中でも、どうしてもカウンセリングの仕事を強化したかったので、ちゃっかり、そしてしたたかに研鑽と実践を続けていきました。仕事に限らず、ちょっとしたことでもいいと思います。とにかく「したいこと」「好きなこと」、つまり心がときめくことを増やしていきましょう。そうしているお母さんの姿を子どもに見せ、人生を積極的に楽しむことを教えてあげましょう。
 

ストレスを手放すコツ上級編!  夫や子どもに上手に頼る2つのコツ

次の2つの「頼み方のコツ」と「してはいけないこと」を意識するだけでも、夫や子どもも気持ちよく力になってくれる空気が作れます。

1. 夫や子どもに頼むときにはまず承認。その後さりげなくお願いを
人に何かを頼むときには、「〇〇やって」といきなり指示を出すのではなく、まずは相手に承認の一言を。「この間、○○を買ってきてくれてありがとう。センスいいよねぇ」「〇〇ちゃん、これすっごく上手だよね。先生みたい!」というように大いに誉め、相手の気持ちがぐっと上がってきたところを見計らって、「また買ってきてくれる? センス抜群だから!」「ママはこれが苦手なんだ。〇〇ちゃん、助けてくれる?」とにっこり笑って一言を。すると、いきなり指示を出されるよりもずっと気持ちよく、夫や子どもは動いてくれます。
 
2. 完璧主義で相手を責めたり、ダメ出しをしたりしない
頼み事をする場合、間違っても「完璧主義」でやってはいけません!「私がやった方が絶対うまくできるのに!」という思いがあるかもしれません。でも、その思いを言葉に出して「何でこんなこともできないの?」「何でこうしてくれないの?」と責めたり、ダメ出しをしたりしないことです。
 
ストレスフリーの目的は「自分自身が楽になること」です。自分の気持ちが楽になれば、夫や子どもにも、自然に優しく接することができます。そして、自分が理想的な行動をとれなくても、家族が完璧な対応をしてくれなくても、「ま、いいか」と認めることができます。このように、自他を認める範囲が広がると、完璧主義は自然に消滅していきます。
 

「完璧な母」より「ほどよい母」が、家庭の空気をよくする

イギリスの有名な児童精神科医であるウィニコットは、子どもは母親が「ほどよい母親」(グッドイナフマザー)でいることによって、自分自身の力でよく育っていくと言いました。「良いお母さんでいなければ」と完璧主義で「よい母」を目指してしまうと、子どもはそのお母さんのこだわりに影響され、「ボク、ワタシも完璧な良い子でいなきゃ!」と思い込んでしまいます。すると、子どもは自分の感情や思考でやりたいこと、楽しいこと、ときめくことを見出せず、人生は「ねばならぬ」だらけの苦しいものだと感じるようになってしまいます。
 
子どもが人生を楽しく、自分らしく生きていくためには、まずお母さんが「ほどよい母」になり、自分自身が気持ちを楽にすること。そして、日々をほどよく楽しみながら生きる姿を子どもに見せることです。そのためにも、「完璧」という名で縛っている自分のベルトを少しずつ緩めていきましょう。すると、家庭はもっともっと楽しいものになり、みんなが笑顔で過ごせるようになると思います。
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