お金の悩みを解決!マネープランクリニック/貯蓄ができない、赤字家計に悩むファミリー世帯

49歳パート主婦、貯金184万円。引っ越しが多く貯金が増えません(2ページ目)

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、昨年、今年と立て続けに引っ越しをして貯金を減らしてしまったという49歳のパート主婦の方。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

あるじゃん 編集部

執筆者:あるじゃん 編集部

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アドバイス1 家計の見直しで、子どもの教育費を捻出する

転勤続きのうえ、収入も減ってしまうというのは、なかなか厳しい職場ですね。ご主人は今のところ転職などを考えておられないということですから、現状の収入で、いかに子どもの教育費を捻出するかが、当面の課題となります。収入が思うように増えないのであれば、家計の見直し、それも「聖域」なしで、シビアに考えなくてはなりません。
 
まず、7年後には住宅手当がなくなるとのことですから、この7年が最初の頑張りどころとなります。見直しすべきなのは、食費、通信費、夫の小遣い、そして帰省費です。
 
食費については、いろいろと節約料理を実践したものの食費を減らせなかったとのことで、確かにお子さまも食べ盛りで削減するのは難しいかもしれませんが、やはりここは1万円でも減らす工夫をしてほしいと思います。
 
たとえば、結果的に食費に7万円かかった、ではなく、食費は月6万円と決め、1週間の予算は1万円、4週で4万円。5週ある月はプラス1万円。節約疲れにならないように1万円は予備費やお米代に。これで6万円。食材や料理法を工夫することも必要ですが、使える額を先に決めて、その範囲内で買い物を収めるというやり方もあります。
 
通信費については、ご主人の携帯代の見直しは無理でしょうか? 格安プランなどで、あと2000円でも減らせる方策がないか検討してみてください。また、ご主人のお小遣いを1万円減らす交渉をしてみてください。
 
食費、通信費、ご主人の小遣いの調整で、4万円を捻出し、これに児童手当の1万円を加えて、毎月5万円の貯蓄を。現在、毎月2万円は貯蓄できているわけですから、実質3万円の上乗せです。これが今後の生命線になります。さらに、コロネさんの社会保険料が9月からかからなくなった分、1万8000円も貯蓄に回せます。
 
ボーナスの使い道のなかから、削れるのは、帰省費です。実家に帰省するのは、大事なことですが、2年に1回などにして、ボーナスから貯蓄できるようにすることが、今の段階では重要です。ボーナスからのご主人のお小遣いも、減らす交渉を。ボーナスから半分~20万円の貯蓄をすること。これも今後の生命線となります。
 
都合、毎月6万8000円、ボーナスから20万円で年間100万円貯蓄することを目標にしてください。今後7年間で700万円貯められれば、子どもの教育費(一般的に1人700万円程度)はまかなうことが可能となります。高校まで公立であれば、大学進学も無理ではありません。
 

アドバイス2 7年後から夫婦の老後資金を全力で貯める

7年後に残る金融資産は、現在の184万円と学資保険の満期金分の230万円。合計414万円です。ここから引っ越し費用として100万円を支出すると、残りが314万円ということです。ここから先は、教育費の心配がないので、ご夫婦の老後資金を全力で貯めることになります。
 
7年後には、ご主人は49歳。コロネさんは56歳。リフォームローンも終了します。住宅手当がなくなる分、家計が厳しくなることは予想されますが、年間80万円を目標に、貯蓄を続けることができれば、ご主人が60歳になるまでの11年間で880万円。都合、約1200万円まで増やすことができます。
 
さらにこの先は、ご主人も、コロネさんも、公的年金の不足分を収入でカバーできるように、できるだけ長く働くことが必要になってきます。残念ながら住宅購入は、現状のままでは、難しいと思われます。
 

アドバイス3 本人は厚生年金加入で年金受給額アップを

ここまで、現在の収入で試算してきましたが、はっきり申し上げて、ご主人は42歳、コロネさんも49歳。お子さんは中学生で、すでに手がかかる時期は過ぎています。この時期に貯蓄ができないのは、あまりにももったいない。人生最後の貯めどきは、お子さんの教育費の目途がたち、定年退職するまでといわれていますが、今のコロネさんの家庭は、今が稼ぎどき、貯めどきであるのは間違いありません。
 
ご主人がバイクに乗りたいなら、転職するか、収入を増やせるよう、現在の職場で頑張るしかありません。コロネさんはフルタイム派遣が可能なスキルをお持ちのようですから、厚生年金に加入できる派遣で、可能な限り収入を増やすこと。収入に比例して、将来の厚生年金受給額を増やせるようにするには、今の働きが大切です。そうすることで、老後の年金受給額は、現在の想定額より増やせると思います。ご主人の会社の確定拠出年金も増えていくでしょうから、退職金があてにならないのであれば、自助努力で老後資金の確保をしていってほしいと思います。
 
最後に、保険についてですが、現在加入の内容で、特に問題はありませんが、ご主人の医療保障がやや不安ではあります。入院日額5000円がありますが、ご主人が病気・ケガで入院となった場合、入院日額が1万円あれば、安心です。共済であれば月2000円程度の掛け金ですみますので、保障の上乗せも検討してみてください。
 
当面の7年間、頑張ることができれば、あとはどんな老後を過ごしたいかによって、必要な資金も変わってきます。貯蓄ペース次第ですが、うまく乗り切れれば、猫ちゃんを飼うこともできますよ。ぜひ、そうできるように、今、もう少しだけ、頑張ってみてください。
 

相談者「コロネ」さんから寄せられた感想

詳しいアドバイスありがとうございます。今が貯めどき、という言葉に驚きもありました。一生貯めどきなどこない、と諦めの気持ちがあったので。夫の転職なども前向きになれるよう背中を押しつつ、私もまずはできること、食費や保険の見直し、年間100万円の貯金を目指して努力します。

★「お金の悩みを解決!!マネープランクリニック」の過去記事はコチラへ
★「お金のことで悩む人に、貯金のコツを伝授!貯蓄達人の貯めワザ」はコチラ

教えてくれたのは……
深野 康彦さん
 
 

 


マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。近著に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など

取材・文/伊藤加奈子


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