子どもの手術代や塾代も出せない赤字家計、どう改善する?

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回は毎月赤字家計で貯金ができず、子どもの塾代や手術代も出せない状況である上に、身内からお金の援助を求められているという48歳の主婦の方からの悩み。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。※マネープランクリニックに相談したい方はコチラのリンクからご応募ください(相談は無料です)

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子どもの受験も近く、学費も借金になりそう、どうする?

子どもの受験も近く、学費も借金になりそう、どうする?




■相談者
みちさん(仮名)
女性/パート・アルバイト/48歳
九州/持ち家(マンション)
 
■家族構成
夫(41歳)、子ども(18歳) 
 
■相談内容(原文まま)  
義父と義母、主人の兄弟たちから援助を求められています。義父は鬱病と糖尿での通院があり年金未加入で収入なし、義母は難病指定で通院しており収入なし、兄弟は障がいがあり、月数万円程度の収入で持ち家、車なしという状況です。あまり交流はなかったものの、主人の実家は生活保護の申請、相談をしていたみたいですが許可にならず私たちに助けを求めてきました。貯金などあれば少しでも渡したいのですが、現在私の方も合計30円万以上のキャッシング返済があり毎月返済しているところです。無駄を少しでもなくし、貯金をしないと不安でしかたありません。計算上では毎月余る予定が赤字です。医療費は支出に入ってないですし、急な出費があると、火の車です。

高校生の子どもは大学受験です。推薦は受けられず一般かAOになります。一般の場合の塾代も出せない状況です。大学資金は学資が下りるので1年目は何とかなると思います。現在野球部で8月まではバイトも無理です。

主人の小遣いは4万円です。管理職のため従業員を飲みに連れて行くこともあり、多めに渡しています。生活費などは現金支払いにすると手数料がかかったりするので、カード払いにしていたため毎月現金が残りません。そしてまた、カードを使うといった繰り返しで、抜け出せません。
ボーナスの使い道は固定資産税、主人のスーツ新調代、野球関連の出費、主人のお小遣い余裕があれば20万円ぐらい渡していました。あとは年間の子どもの交通費などでなくなります。

今度どのように家計を回していけばいいのか助言していただきたいです。実家に援助は可能ですか?
 
 
■家計収支データ
相談者「みち」さんの家計収支データ

相談者「みち」さんの家計収支データ



 
 
■家計収支データ補足
(1)収入と支出について
大体食費と雑費で11万円程。先月のカード払いは、衣料費がついて2万円ほど多く、キャッシングで1万円返済している。1年前に買った夫の時計代とカードのリボがあり1万2000円、これが半年で終わる。「残金がないので雑費で使っていると思われます、現在の会社は週4で1日8時間働いていますが、社会保険に加入させてもらえないので、これ以上日にちを増やすことはできません。転職も考えましたが、年齢で希望のところは落ちてしまいます。介護の資格を取ろうと思ってもお金が必要で、雇用保険も加入していないので自治体の制度も使えないなど、今は無理」とのこと。
 
(2)住宅費について
購入時の物件・新築マンション
借り入れ時期 2003年
物件価格 2650万円
頭金 50万円
ローン残高 1670万円
借入期間 35年
変動・金利 1.2%
毎月の返済額 7万5000円

固定資産税(年額) 10万6000円
 
(3)加入保険について
♢夫/(終身保険、65歳払込終了、死亡保障400万円、総合医療保険、払込終身、1日1万円、家族収入定額2年、58歳払込、10万円)=毎月の保険料1万3000円
♢本人/(生前給付保険終身、65歳払込、200万円。総合医療保険、終身、1日5000円)=毎月の保険料9000円
♢子ども/(学資、払込期間17歳、保険料1万1000円、120万円18歳受取)
 
(4)教育費について
大学は私立になります。自宅から通学予定。学資満額120万円。1年目は借りなくても大丈夫だと思うが2年目から奨学金を借りた方がいいか、民間の銀行から借りたほうがいいか悩んでいるという。
 
(5)ボーナスの主な使い道
ボーナスの使い道は固定資産税。主人のスーツ新調代10万円、野球関連の出費3万円、主人のお小遣い余裕があれば20万円ぐらい渡していました。あとは年間の子どもの交通費などでなくなる。父母会費、野球関連の支出など。
 
(6)お勤めについて
幹部もそこまで歳を取っていないため、60歳以上の方の例がまだない。「会社的には大きいので、何らかの形で再雇用があるかもとは思いますがわかりません。退職金制度はありません。体が動く限り働く予定です」とのこと。
 
(7)キャッシングについて
生活費と学校授業料、固定資産税など月にまとまったお金が必要な時にキャッシングした。返済額は増えてしまい全部で30万円以上に。「数カ月後に息子の手術があり高額療養費制度を使っても10万円近く出費が出ることになりました。これも多分キャッシングしなければならないと思います」(相談者)
 
(8)夫の実家について
義父家族は車で30分程のところに住んでいる。「援助要請がありましたが、今のところ援助はしていません。実家に確認したところ、弟は障害者手帳を持っておらず、普通雇用で週に4日、4時間で月に6万円程の収入でした。生活保護も受けられるのに色々規制がかかるため、本人たちが嫌がって受けてないようです。話し合った結果、弟の就業を増やす。生活保護を受けてほしいとなりました。義父母は共に年金未加入のため、弟の収入のみで生活している模様です。自分たちの老後、義理実家が倒れた場合、貯蓄ができないことが不安でしかたありません。生活費をもっと切り詰めたほうがいいのでしょうか?」(相談者)
 
■FP深野康彦の3つのアドバイス
アドバイス1 ザル家計を自覚して心を入れ替えれば貯蓄はできる
アドバイス2 奨学金に頼らずともこれからの貯蓄で学費は出せる
アドバイス3 キャッシングありきの家計管理は絶対にやめて
 

アドバイス1 ザル家計を自覚して心を入れ替えれば貯蓄はできる

収入が少ないわけではないのに、貯蓄がゼロなのは、明らかに家計管理ができていないからです。支出の状況も、急いで集計したように感じられます。支出がどうなっているのかこれまできちんと把握していなかったのではないでしょうか。酷ないいかたになりますが、家計のそこかしこに穴があり、ザルのようにお金が漏れてしまっていますので、まずはそこから直していかなければいけないですね。支出の管理をしっかりできるようになれば問題ない家計に変われるはずです。

みちさんのご家庭では、無駄に使いすぎている支出を見直すだけで年間120~150万円の貯蓄ができます。仮に年120万円の貯蓄ができれば、60歳まであと11年あるわけだから、これから1200万円以上貯められます。ご主人のほうが年下だからもう少し長く働けるので、その先も貯蓄を継続すればさらに増やせるはずです。

具体的なお話の前にみちさん自身が本当に改善する気があるのかということをまず最初に確認したいです。本気で改善する気があるなら、私はそれほど心配ない状況だと思いますよ。ただし今回の相談を機に「本気」で心を入れ替えてください。
 

アドバイス2 奨学金に頼らずともこれからの貯蓄で学費は出せる

まず、お金がないと言っているのに、リボ払いで時計を買ったり、10万円もするスーツを購入するなど使い方から改める必要があるでしょう。ご主人は管理職で部下にごちそうすることもあるとのことですが、それにしても小遣いが多すぎです。

家計データを拝見しましたが、収入が45万円で支出が約41万円ということは、4万円の使途不明金があります。これは貯金に回せますね。また細かいところでは食費。月に8万円使っていますが家族3人なので2万円カットしましょう。

家族にお小遣いを渡しているのにタバコ代やタクシー代などを雑費で支出するのもNGです。これら個々人の支出は小遣いから出すようにしましょう。趣味娯楽と家族の小遣い・雑費で10万円ほど支出しているので、これも2万円カットすれば食費の削減分と合わせて月に4万円貯蓄に回せるお金ができます。先ほどの使途不明金と合わせれば毎月8万円貯蓄に回せるはずです。これだけで年間90万円以上の貯蓄ができることになります。

さらに現状ではボーナスをすべて使ってしまっていますが、少し見直してください。固定資産税やお子さんの交通費、野球関連の出費は良いとして、ご主人の小遣いを減らすなどして半分程度を貯蓄に回したいです。そうすれば月々の貯蓄と合わせて年間120万円の貯蓄ができます。

これでも結構ゆるめの支出ですので、もっと頑張れば150万円くらいは貯蓄に回せるとみています。さらに保険も見直せばまだまだ支出を減らせます。ご主人の死亡保障は子どもがもう大きいので、あと10年間1000万円の定期保険で大丈夫でしょう。それに医療保険に加入していれば保障は足ります。みちさんは負担を軽くするためには総合共済に入っていればいいでしょう。そうすれば保険料も1万円ぐらい減らせますよ。これでプラス12万円年間の貯蓄が増えます。

大学進学費用ですが、学資保険があるので来年の進学費用はこれで賄えます。2年目以降は、これからお金を貯め始めたとして1年半後には180万円貯められるのでそれを使ってください。そうすれば2年目以降の学費も奨学金に頼らなくてもきちんと出せます。
 

アドバイス3 キャッシングありきの家計管理は絶対にやめて

それから基本的なことですが、キャッシングに頼った家計管理をしていては絶対にダメです。出費が予定されているなら、まず先にお金を取っておくことが家計管理の基本です。足りなかったらキャッシングで何とかしのぐような考え方は今すぐ直さないと、この先ずっと自転車操業になってしまいますよ。息子さんの手術をキャッシングでなんてとんでもない。ボーナスから出すようにしましょう。
 
ご主人の実家ですが、なんとか援助したいと思っているのなら、まずは自分たちの家計の足元を固めることが先ですね。そして義父母と話をよくすること。お義母さんは難病指定になっているなら、なにか公的な助成が受けられるはずなので、もう一度行政機関などに相談するよう助言してみてください。

そして弟さんも障害者手帳をもらって、受けられる公的援助は受けましょう。生活保護も規制がかかることを気にするよりも受けられる権利は受けること。そうしたことを一通りやってからみちさん家庭でできることを考えてみてください。みちさんは本当に心を入れ替えて家計を見直せば大丈夫なので、これからしっかり家計管理をやり直して貯蓄体質の家計になれば、実家の援助もしっかりできるようになるはずです。まずは我が家から改善していきましょう!
 

相談者「みち」さんより寄せられた感想

頭をカナヅチで殴られたような感覚です。わかってはいましたがやはり自分がどんぶり勘定でやってきている結果だと改めて思いました。お恥ずかしい限りです。でも今回辛口に言っていただいてやる気になりました。主人にも見てもらい夫婦で改善するべきだと思います。不安のない老後を過ごすために気を引き締めて頑張ります。本当にありがとうございました。


教えてくれたのは……
深野 康彦さん
 
 

 


マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。近著に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など

取材・文/堀内玲子


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