コーヒーには健康効果がある?
コーヒーに含まれる栄養には、健康効果があるのか、あるのならどんな効能なのか、疑問に思ったことはありませんか? 毎日飲んでいるというコーヒー党の方にとっては特に気になる話でしょう。コーヒーの健康効果、発がん性など健康への悪影響に関する噂の真偽もあわせてまとめました。■コーヒーに期待できる健康効果
- カフェインが交感神経を刺激することによる興奮効果
- カフェインによる意識覚醒効果
- カフェインが体中にはり巡らされた毛細血管を収縮させることによる利尿促進効果
- クロロゲン酸が持つ「身体のサビ予防」効果にあたる抗酸化作用
- 肝臓疾患や胃腸障害の予防効果
- 大腸がん・直腸がんなどのがん予防効果
<目次>
コーヒーの成分であるカフェインの健康効果
コーヒーの成分であるカフェインやポリフェノールには、どのような健康効果があるのでしょうか(出典:コーヒーの健康効果・病気予防効果は本当か)
■コーヒーに含まれるカフェインの健康効果
- 交感神経を刺激する興奮効果
- 意識を覚醒させる効果
- 体中にはり巡らされた毛細血管が収縮することによる利尿効果
▽参考記事
カフェインはダイエットの敵?味方?
コーヒーの成分であるクロロゲン酸の健康効果
クロロゲン酸は高い抗酸化作用を持ちます。抗酸化作用とは、いわば身体のサビ予防。皮をむいたりんごが茶色くなったり、鉄がさびたりする「酸化」を進めてしまう活性酸素の働きをブロックすることです。最も身近な飲み物のひとつであるコーヒーにこれだけの健康効果があるとは嬉しいですね。
▽参考記事
コーヒーの健康効果・病気予防効果は本当か
抗酸化作用とは?「活性酸素」の発生原因と食事対策
コーヒーの健康効果(1):肝臓疾患や胃腸障害の予防効果が期待できる
コーヒーと健康に関しては、さまざまな論文が発表されています。最近だと、「成人が1日3杯以内のコーヒーを摂取することで、2型糖尿病とメタボリックシンドロームのリスクが減る」というものや、「コーヒーは2型糖尿病や肝臓疾患、胃腸障害などのリスクを下げるのに役立つかもしれない」といった内容のものもあります。それでは、コーヒーを飲めば病気を予防できるのでしょうか?
現在は研究結果から、コーヒーの成分が、それぞれの病気の発生率(リスク)と関係があるのではないかと見られている段階です。体内で何がどう関与して個々の病気リスクが下がることに繋がるのか、という詳しいメカニズムまでは分かっていません。
コーヒーによる健康効果が見込めるとされる病気は、いずれも生活習慣病などです。コーヒーの成分のひとつ、クロロゲン酸の抗酸化作用がよい影響を与えているのではないか、という大まかなところまでは、研究者の見解も一致していると言えます。
▽参考記事
コーヒーの健康効果・病気予防効果は本当か
コーヒーの健康効果(2):がん予防効果が期待できる
がんの種類別にみる、コーヒーによる予防効果をまとめました。がんの種類 | 予防効果 |
---|---|
肺がん | 不明 |
大腸がん・直腸がん | 期待できる |
乳がん | 期待できる |
すい臓がん・肝がん | 期待できる |
2017年に発表された2本の論文で、コーヒーとがんのリスクの関係について論じられています。Susan Mは、非喫煙者に関していえば、1日2杯のコーヒーを追加で飲むことで、肝臓がん、乳がん、食道がんのリスクを減らすことができたと発表しました。G Alicandroの論文では、概ねコーヒーを1杯飲むごとにがんリスクが下がるという研究が多いようだと報告しています。
適量のコーヒーを楽しむことで、がん予防の効果が期待できるとは嬉しいニュース!(出典:コーヒーにがん予防効果があるって本当?)
▽参考記事
コーヒーにがん予防効果があるって本当?
コーヒーの飲み方アレンジ(1):バターコーヒーにはダイエット効果?
バターコーヒーのダイエット効果&やり方は? (出典:バターコーヒーのダイエット効果が凄い⁉)
混ぜるだけで簡単に作れるうえ、グラスフェッドバターに含まれる中鎖脂肪酸は消化吸収がよくエネルギーになりやすいことから、ダイエット効果や健康増進効果が見込めるとされています。
それでは、本当にバターコーヒーには効果が期待できるのでしょうか。効果を実感できたという声もありますが、バターはそもそも高カロリーの食品です。バターコーヒーを摂りながら痩せられたという方は、運動や他のダイエットが原因でダイエットに成功した可能性があります。ただし、バターの摂取により腸内に油脂類が増えることで消化がスムーズになるので、油脂類の摂取が少ない人には効果があるかもしれません。
▽参考記事
バターコーヒーのダイエット効果は?管理栄養士の考察
バターコーヒーのダイエット効果が凄い⁉
コーヒーの飲み方アレンジ(2):ブラック or 砂糖 or ミルク、コーヒーはどう飲むべき?
まずはブラックコーヒーと砂糖入りコーヒー、ポーションミルク入りコーヒーそれぞれのカロリーを比較してみましょう。ブラックコーヒー、ポーションミルク、砂糖のカロリー比較(出典:砂糖・ミルクは健康に悪い?体によいコーヒーの飲み方)
ただし、疲れた時には砂糖をいれるのがおすすめ。砂糖はダイレクトに脳のエネルギー源として使える栄養素なので、一気に脳が活性化されます。
▽参考記事
砂糖・ミルクは健康に悪い?体によいコーヒーの飲み方
「コーヒーには発がん性がある」の真偽
「コーヒーには発がん性がある」といった言説から、コーヒーを飲むことに不安を覚える方もいるようですが、心配はいりません。こうした噂には信頼性が認められず、またコーヒーに発がん性があると指摘している論文は見つけられません。▽参考記事
コーヒーは体に悪い?コーヒーと発がん性のウソ・ホント
「カフェインは体にとって害」は本当?
カフェインを過剰に摂取してしまうと、中枢神経系の刺激によるめまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠症、下痢、吐き気等の健康被害をもたらすことがあります。世界保健機関(WHO)は、2001年にカフェインの胎児への影響はまだ確定はしていないとしつつも、妊婦に対してコーヒーを1日3、4杯までにすることを呼びかけています。過剰な摂取はよくないですが、一日あたり多くとも3、4杯にとどめておけば心配ないということですね。▽参考サイト
食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~/厚生労働省
朝コーヒーは健康によくない?最適な時間帯とは
朝の「目覚めの1杯」のコーヒーは実は不健康? コーヒーを飲むのに最適な時間帯とは(出典:朝コーヒーを飲むのは不健康?最適な時間帯はいつか)
カフェインがタンパク質、炭水化物そして脂肪の代謝を抑制するコルチゾールというホルモンの生産を阻害してしまい、それを補うために身体がもっとカフェインを欲するようになるとのことです。また、朝にコーヒーを飲む事でカフェインへの耐久性があがり、慢性的に欲するようになってしまうことも挙げられています。
それでは、コーヒーやカフェインを摂るのに良い適切な時間帯とはいつなのでしょうか。答えは朝10時から正午にかけてと、午後2時から5時にかけて。この2つの時間帯であれば、カフェインがコルチゾールの生産を阻害するのを最小限に防ぐことができ、カフェイン中毒にもなりづらいようです。
こうした研究報告の内容を参考に、習慣を見直してみるといいかもしれませんね。
▽参考記事
朝コーヒーを飲むのは不健康?最適な時間帯はいつか
缶コーヒーやインスタントって、健康的に大丈夫?
手軽に飲める缶コーヒーやインスタントコーヒーに、健康に関する悪影響が心配されることもあるようですが、特別健康を害するといった報告はありません。通常のコーヒーと同じように考えて大丈夫です。ただし、缶コーヒーやペットボトルのコーヒーには砂糖やミルクが多めに入っているものも。気になるという方は、カロリー表示などには注意して選びましょう。▽参考記事
コーヒーは体に悪い?コーヒーと発がん性のウソ・ホント
「ノンカフェイン飲料」にも種類がある
いわゆるノンカフェイン飲料には官公庁による取り決めはありませんが、カフェインを控えたい人向けの飲料は、大きく以下の3種類に分けられます。ノンカフェイン飲料の種類 | どういう飲料か | 例 |
---|---|---|
ノンカフェイン | カフェインを全く含まない原材料だけを使ったお茶 | 麦茶、はと麦茶、甜茶、そば茶など |
カフェインレス飲料 | わずかながらカフェインを含む お茶やコーヒーから カフェインをとりのぞいたもの |
カフェインレス表記のある お茶、コーヒー |
デカフェ | わずかながらカフェインを含む飲料、 特にコーヒー |
デカフェコーヒー |
▽参考記事
ノンカフェイン・カフェインレス・デカフェの違い
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