既読スルーとは
既読スルーとは、SNSで相手からのメッセージを読み、相手の画面には「既読」表示がついているはずなのに、返信をせずにそのまま放置してしまうことを指す俗語です。意図的であれ、うっかりであれ、繰り返すと人間関係にも溝ができてしまう既読スルーについて、心理カウンセラーの視点で解説します。既読スルーが原因で起こる人間関係の問題
既読スルーが招く人間関係の問題として、次のようなケースが挙げられます。■友情や恋愛関係が深まらず、関係が終わってしまうこともある
メールはボリュームのある「情報」のやりとりに最適なメディアなのに対し、SNSはささやかな「気持ち」のやりとりに最適なメディアといえるでしょう。SNSのメディア特性への理解が浅いと、この特性を活かして送られた相手の「気持ち」である短いコメントやスタンプなどに細かい反応ができず、結果的に「既読スルー」になってしまうことがあります。相手は段々と不安になり、「迷惑なのかもしれない」「脈がないのかもしれない」と考えてしまうため、好意があっても友情や恋愛が浅いままになってしまったり、関係が消滅してしまったりすることもあります。
■無自覚なマウンティングで相手が疲弊してしまうことがある
相手より優位に立とうとするマウンティング傾向のある人は、あえて既読スルーして相手をモヤモヤさせる戦術を無自覚のうちにしてしまうことがあります。SNSで送ってくれた相手のささやかな「気持ち」を無視すると、相手は不安に陥ってしまいます。このタイプの人は、時折相手が嬉しくなるようなホットメッセージを送り、相手の気持ちをかき乱す傾向もあります。既読スルーで「私に関心がないのかな……」と不安に思わせた後で、ホットメッセージで「やっぱり私を気遣ってくれる!」という嬉しい気持ちにさせるのです。無自覚のうちにこうした感情操作を繰り返すことで、交際上のアドバンテージをとり、自分が相手より優位にあることを印象づけることになります。しかし相手側が疲弊してしまうことも少なくないため、良好な人間関係はなかなか続きません。
なぜ既読スルーで人は傷つくのか
上にも述べましたが、SNSでやりとりされるコミュニケーションの多くは、ささやかな「気持ち」です。ささいなことでも、自分が送った気持ちがはっきりと無視されることほど傷つくことはありません。リアルな場面でも、あいさつをしたのにあいさつが返ってこない、「ありがとう」と言ったのに無表情。こうした対応をされると、とても切ない気持ちになってしまいます。既読スルーで感じる気持ちも、これと同じです。
既読スルーしてしまいがちな人が注意すべきこと
既読スルーは、思っている以上に深く人の気持ちを傷つけます。「私はこんなに相手を思っているのに、私のことなんて軽く捉えているんだな」
「気持ちを受け止めてくれない。忙しいのかもしれないけど、さびしい」
「あの人は私のこと嫌いなのかな? 何か不愉快なことしてしまったかしら」
というように、相手の心にはたくさんの疑心暗鬼が生じてしまいます。
相手をそのような気持ちにした上で、「今日も○○ちゃんのこと考えてたよ! 早く会いたい!」というようなホットなメッセージを急に送ったりすると、相手の気持ちはかき乱されます。「悪く思った私が馬鹿だった……」というように反省したり、次はいつホットメッセージが来るんだろうと、心待ちするような心境になります。こうした関係はフェアであるとはいえません。自覚のあるなしに関わらず、なるべく控えるように注意した方がよいでしょう。
既読スルーで傷つきがちな人が心がけたいこと
既読スルーをされると不安になるものですが、相手がSNSの特性を知らない可能性もあります。SNS以外で良好な関係が築けているのに、既読スルーが続き辛い気持ちになっている場合、相手にはっきりと以下のことをうまく伝えるのがよいでしょう。- SNSは「気持ち」のやりとりをする場所であること
- SNSで自分は相手への気遣い(あいさつ、労い、感謝など)を伝えている
- それに対して反応がないと傷ついてしまう
- 1行メッセージでも、忙しい時はスタンプ1個でもいいから送ってほしい
- それが確認できることで、私は安心できる
- SNSは「気持ち」のやりとりをする場所であること
- それに対して反応がないと傷ついてしまう
- 既読スルーした後にホットメッセージが送られると、あなたが私に対して無関心なのか、関心があるのか分からなくなる
- こうしたムラのある反応は、不安になるからやめてほしい
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