春の花の幻想的な風景を見に出かけよう!
草木の新しい命が芽吹き、花々が咲き始める春になると、どこか旅に出かけたくるという人は多いのではないでしょうか。せっかくなら少し遠出して、ふだん街中では目にすることのできない、春の花の幻想的な風景を見に行ってみませんか?今回紹介するのは、いずれも都内から日帰りが可能な4ヶ所です。
- 黄色い菜の花畑とその向こうに広がる海の眺望が素晴らしい神奈川県二宮町の「吾妻山公園」
- ピンク色の河津桜の並木が延々と続く静岡県河津町の「河津桜まつり」
- 淡いブルーのネモフィラに覆われる丘と空と海が織りなす青のハーモニーに心洗われる茨城県ひたちなか市の「国営ひたち海浜公園」
- うすべに色や紫色の大きな藤棚が幻想的な雰囲気をつくり出し、アメリカのCNNが選んだ【世界の夢の旅行先10カ所】にも選ばれた栃木県足利市の「あしかがフラワーパーク」
あわせて、花の見頃時期や周辺の観光情報などもお伝えします。
【吾妻山公園】一面に咲く菜の花と果てしなく広がる海
見頃時期:例年1月から3月全国に菜の花畑は数あれど、神奈川県二宮町の吾妻山公園が特別なのは、そのロケーションです。
海からわずか数百メートルの場所に位置する吾妻山(標高136m)の頂上の展望台の周囲には、およそ6万株の菜の花が植えられています。
その菜の花畑の向こうにはキラキラと輝く相模湾や伊豆半島が見え、西に目を向ければ日によっては富士山がひょっこり顔を出す日もあります。こんなにキレイで、しかも壮大な景色、なかなか見られませんよね!
吾妻山の登山口はいくつかありますが、JR東海道線の二宮駅から最も近い登山口は「役場口」。ただし、この「役場口」は約300段の急な階段を登らなければならず、けっこうキツいです。体力に自信のない方は、「梅沢口」か「中里口」にまわることをオススメします。
吾妻山公園マップ
なお、吾妻山の菜の花は例年1月から3月まで見ることができます。
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■吾妻山公園
所在地:神奈川県中郡二宮町二宮
アクセス:JR東海道線「二宮駅」から「役場口」まで徒歩約5分。「品川駅」から「二宮駅」までは東海道線で約1時間。自動車の場合は、「町営第1駐車場」(法務局の隣)を利用
地図 → Googleマップ
<あわせて楽しみたい>
二宮町は「小田原城」などで知られる小田原市と、「大磯ロングビーチ」やスパ施設「THERMAL SPA S.WAVE」が新たに誕生した「大磯プリンスホテル」などがある大磯町の間に位置します。
また、人気温泉地の箱根からも比較的距離が近いので(JR「二宮駅」~箱根登山鉄道「箱根湯本駅」まで、電車で約30分)、箱根の温泉とあわせてお出かけするのもオススメです。
<菜の花はこちらもオススメ>
同じく神奈川県内の菜の花の名所として、南仏プロヴァンス地方の風景をイメージした農と海の体験パーク「ソレイユの丘」(横須賀市長井 入園料は無料)があります。
「ソレイユの丘」では、例年、菜の花は4月上旬頃まで見られますが、開花状況によってはヒマワリの種をまくために早めに刈り取りを行うかもしれないので、お出かけ前にお問い合わせくださいとのことです。
【河津桜まつり】延々と続くピンク色に染まる遊歩道
見頃時期:例年1月下旬から3月上旬桜と聞いて、多くの人が思い浮かべるのが、3月下旬から4月の上旬に白い花を咲かせるソメイヨシノだと思いますが、ソメイヨシノよりも早く、1月下旬~3月上旬頃の1ヶ月間にわたり、濃いピンク色の花を咲かせる「河津桜(かわづさくら)」という品種があるのをご存じでしょうか。
この桜は、静岡県河津町の民家に偶然植えられた若木が、その後の調査で新種の桜と判明。河津で生まれた桜であることから1974(昭和49)年に「河津桜」と命名され、その後、各地に広まりました。
原産地である河津町では、毎年、河津桜の開花にあわせて「河津桜まつり」が開催されます。「まつり」といってもメインの会場があるわけではなく、約4kmにわたって河津桜が植えられている河津川沿いの遊歩道に、多くの露店が出店され、人が集まります。
「河津桜まつり」を存分に楽しむなら、以下のようなモデルコースを歩くといいでしょう。
河津桜まつり お花見マップ
スタートは伊豆急行線の河津駅。改札を出て信号を渡り線路を歩いて行くと、間もなく河津川の流れに突き当たります。ここで下流(左)に進むと約200mで河口にたどり着きます。このあたりでは夕方の18時~21時にかけて、ライトアップが行われます。
今回は、上流(右)に向かって歩いて行きましょう。途中、「菜の花ロード」と呼ばれるエリアでは、菜の花と河津桜のコラボを楽しむことができ、人気の撮影スポットになっています。
また、来宮橋より上流では、川の両サイドに河津桜が植えられているので、河原に下りて桜を眺めてみるのもオススメです。
河津駅から2.5kmほど上流の「涅槃堂(ねはんどう)」には、ぜひ立ち寄りましょう。境内の小高い場所に「桜見晴台」があり、ここから眺めると、川沿いに咲く桜の様子を一望することができます。
涅槃堂からの帰り道は混雑を避け、目の前を通る町道を歩くことにします。途中、道沿いに植えられている「河津桜の原木」(個人所有)を見ることができます。
なお、「河津桜まつり」の期間中は道路が大変混み合うので、自動車でのアクセスはできるだけ避けた方がいいでしょう。また川沿いの道は、休日のお昼近くは大変混雑するので、できるだけ朝早く到着することをオススメします。
2019年の「河津桜まつり」は2月10日(日)~3月10日(日)までです。
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■河津桜まつり
所在地:静岡県賀茂郡河津町 主に河津川沿いの遊歩道
アクセス:伊豆急行線「河津駅」から徒歩約5分。「東京駅」から「河津駅」へは特急「踊り子」号で約2時間半(JR線と伊豆急行線直通運転)
地図 → Googleマップ(河津桜の原木)
※地図は、河津川沿いに出店している観光協会のブース等で入手できます
<あわせて楽しみたい>
河津川沿いには無料で楽しめる足湯などもありますが、ゆったり本格的な温泉を楽しみたいならば、河津駅からバスでアクセス可能な「河津七滝温泉」や、伊豆急行線でアクセス可能な「下田温泉」などに足を伸ばしてみましょう。下田と言えば黒船来航の地。黒船を模したクルーズ船や異国情緒あふれるレトロな雰囲気の「ペリーロード」などが人気です。
【ひたち海浜公園】花も海も空も。青一色の世界へ
見頃時期:例年4月中旬から5月上旬「壮大な風景」というにふさわしいのが、茨城県ひたちなか市にある「国営ひたち海浜公園」の「みはらしの丘」。
4月中旬から5月上旬にかけて、淡いブルーの小さな花、ネモフィラ(和名:瑠璃唐草)が丘を覆うように咲き、まるで空や海の一部に溶け込んだような不思議な空間が現出します。テレビやネットメディアなどでもたびたび取り上げられているので、「見たことある!」という人が多いのではないでしょうか。
この「見晴らしの丘」は、秋には真っ赤に染まります。この赤色の正体はコキアという植物が紅葉したもの。コキアは形がホウキに似ていることから、ホウキグサという別名もあります。
「国営ひたち海浜公園」は約200haにもおよぶ広大な公園。「みはらしの丘」は公園のほんの一部に過ぎず、園内を歩いて一周するだけでも大変です!
大観覧車などもあるので、大人も楽しめます。一日のんびり過ごしてみてはいかがでしょうか。
園内マップ
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■国営ひたち海浜公園
所在地:茨城県ひたちなか市阿字ヶ浦町
アクセス:JR常磐線「勝田駅」から路線バスで公園西口まで約15分。「品川駅」より「勝田駅」まで JR常磐線 特急で約85分
※2019年4月20~5月6日の土・日・祝日は直行バスを運行予定。また、公園には「西駐車場」「南駐車場」「海浜口駐車場」の3つの駐車場があるので、自動車でのアクセスも安心です
地図 → Googleマップ
<あわせて楽しみたい>
「国営ひたち海浜公園」のあるひたちなか市は、水戸市と隣接しています。水戸には日本三名園の一つである「偕楽園」をはじめ、様々な見所があります。
【あしかがフラワーパーク】夢の旅先に咲く幻想的な藤の花
見頃時期:例年4月中旬から5月中旬2014年の年明けすぐに、アメリカのニュースチャンネルCNNが「もしも時間とお金に制限がなかったら、今年はこんな場所に旅をしたい」という【世界の夢の旅行先10カ所】を発表し、その中に栃木県の「あしかがフラワーパーク」が選ばれていて話題になりました。
選ばれた理由は、「あしかがフラワーパーク」のシンボルである藤棚が、SF映画『アバター』に登場する「魂の木」に似ているからだとか。
600畳敷という大藤棚をはじめ、およそ80mもの距離の白藤のトンネルや、きばな藤のトンネルなどは昼間でも見応え十分ですが、この場所の本当の価値は日暮れ後のライトアップにあると思います。
園内マップ
うすべに色、紫色など様々な藤の花が、夜空を背景にライトアップの光に浮かび上がる様子は、大げさでなく「息をのむような」美しさ。その幻想的な雰囲気に酔いしれ、いつまでもその場で眺めていたい気分になります。
「ふじのはな物語~大藤まつり2019~」は、4月13日(土)~5月19日(日)の開催予定です。
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■あしかがフラワーパーク
所在地:栃木県足利市迫間町
アクセス:JR両毛線「あしかがフラワーパーク駅」徒歩約3分。「上野駅」から「あしかがフラワーパーク駅」までは、「小山駅」での乗り換え接続の時間にもよりますが、約2時間
※2018年4月の「あしかがフラワーパーク駅」開業により、電車でのアクセスが便利になりました。ただし、両毛線は本数が少ないのでご注意ください。「あしかがフラワーパーク」には無料の大型駐車場もあります。
地図 → あしかがフラワーパークホームページ
<あわせて楽しみたい>
足利市には、日本一とされる名所が3つあります。その一つが「あしかがフラワーパーク」(日本一の藤棚と、イルミネーションアワード「イルミネーション部門」3年連続日本一)です。
ほかは下記の2つだそうです。
- 日本最古の学校(高等教育機関)の史跡「足利学校」と足利氏の菩提寺である「鑁阿寺(ばんなじ)」…足利学校と鑁阿寺は隣接しています
- 伊萬里、柿右衛門、鍋島を所蔵する、世界屈指の陶磁美術館である「栗田美術館」
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