目次
1. 昔話からゲームまで、人がラスボス退治に夢中になる理由
2. ラスボスの正体は「恐れ」? 倒さなければ本当の満足は得られない
3. ラスボスが象徴する恐れの正体は?…権威、外敵、そして自分の弱点
4. ラスボス退治ゲームが終了した後、現実世界でやるべきこと

 

昔話から人気ゲームまで、人が「ラスボス退治」に夢中になる理由

ゲームを楽しむ二人の男性

大人も子どもも熱狂する、冒険ファンタジーのRPG。我を忘れるほど惹きつけられるのはなぜなのでしょう?


ゲームの中でも年代を問わず人の心をつかんでやまない冒険ファンタジーもののRPG(ロール・プレイング・ゲーム)やアクションゲーム。なかでも、主人公が最後の難関「ラストボス」(ラスボス)を倒す場面は最大の見せ場となる部分で、この最後の難関を突破して壮大なカタルシスを得るために、プレイヤーはゲームのストーリーに没頭していきます。
 
なぜ子供から大人まで、多くの人が「ラスボス退治」のゲームのとりこになるのでしょう? まずは、ゲームのストーリー展開から考えてみましょう。そもそもゲームに限らず、世界中で語り継がれる多くの「鬼退治」や「ドラゴン退治」の物語は、ほぼ次のようなストーリー展開になっています。
 
「故郷や人々を危機から救うために冒険の旅に出た若者が、やがて数々の困難を乗り越えて『巨大な悪=ラスボス』と出会う。その悪を倒して平和を取り戻し、宝物を手にして凱旋する」

たとえば、『桃太郎』『一寸法師』などの民話、『スター・ウォーズ』や『ロード・オブ・ザ・リング』などの映画、そして『ファイナル・ファンタジー』や『ドラゴン・クエスト』などのRPGがそうです。こうした物語に登場する「悪の象徴=ラスボス」は人々の心に共通する、ある象徴的なイメージなのです。
 
 

ラスボスの正体は「恐れ」? 倒さなければ本当の満足は得られない!

戦いごっこをする男の子

「恐れ」の象徴、ラスボス。最終的にこれを倒さなければ本当の満足は得られない


ではラスボスが象徴しているものは、いったい何なのでしょう? それはおそらく、人々が心に持っている「恐れ」です。
 
人にはみな、人生に対して「こうなりたい」という思いがあります。しかし、「恐れ」は人の「こうなりたい」を実現する勇気をくじきます。実現するには、この恐怖を突破していかなければなりません。ラスボス退治ゲームでは、主人公は小さな攻撃、誘惑、落とし穴などの幾多の困難を突破しながら、突き進んでいきます。しかし、こうした小さな困難をクリアできても、最終的にラスボスという最大の恐怖を倒さなければ、本当の満足は得られません。
 
では、このラスボスが象徴している「恐れ」とは、どのようなものでしょう? 代表的な象徴として次の3つが挙げられると思います。
 

ラスボスが象徴する恐れの正体は?…権威、外敵、そして自分の弱点

暗雲の中にある地球

ラスボスが象徴している代表的な3つの恐れ。あなたはどのタイプのラスボス退治に惹きつけられますか?


■「ラスボス」が象徴するもの1. 権威に対する恐れ

このタイプのラスボスが登場するストーリーでは、「ラスボスは、実は自分が尊敬している父や母、指導者であった」という結末になることが多いものです。このタイプのストーリーに強く惹かれる人は、親や指導者、あるいは既存の社会や常識に対する畏敬の念が強い人。一方でそれらの影響を乗り越え、自分の力で人生を切り開くことを希求する人。つまり、このタイプのゲームにのめり込む人は、権威に対する恐れを抱きつつ、それを乗り越える力をつけることを願う人だと考えられます。
 
■「ラスボス」が象徴するもの2. 外敵に対する恐れ

このタイプのラスボスが登場するストーリーでは、ラスボスはこの世のものとは思えないおぞましいモンスターとして描かれます。このタイプのストーリーは、ラスボスがコミュニティーの外壁を超えて侵略してくるのを防衛する、あるいは、主人公がコミュニティーを守るために敵の陣地に切り込む、という展開になっていることが多いです。平和な時代でも、人々は「いつ、何に寝首を掻かれるか分からない」という漠然とした恐怖を抱えています。このタイプのゲームにのめり込む人は、そうした外敵からの恐怖を跳ね返せる力を身につけることを願う人だと考えられます。
 
■「ラスボス」が象徴するもの3. 自分の弱点と向き合う恐れ

このタイプのラスボスが登場するストーリーでは、主人公は物語の展開と共に深い洞穴のような闇へと進み、最終的にラスボスと戦います。深い洞穴が象徴しているのは、「自分の心の中」です。そこに巣食い、自分に劣等感を生じさせているものがラスボスです。このラスボスが象徴しているのは、自分が克服するべき「弱点」です。人は誰しも「そこをつかれると弱い」という弱点を持っています。このタイプのゲームにのめり込む人は、そんな自分の弱点に向き合い、それを克服したいと願っている人だと考えられます。

 

ラスボス退治ゲームが終了した後、「現実世界でやるべきこと」は?

宝物を手にする人

ラスボスを倒して宝物を手にすれば、ゲームは終了。ゲームをきっかけに、現実世界で挑むべき対象を見つけることが重要


このように、ラスボスは人々が持つさまざまな「恐れ」を投影したものだと考えられます。ラスボスを倒すことで、主人公は「宝物」を手にします。ゲームの中では黄金や宝石などの「富」、メダルや勲章などの「誇り」、姫を娶る「名誉」といった宝物です。こうした宝物を手に凱旋することによって、主人公は心から自信を持ち、人々からの喝采に浴すことができるのです。
 
ただし、ゲームはここで終了。これと同じようなストーリーを現実世界の中でも展開していかなければ、人生の中での本物の「宝物」は手にできません。現実の中で、あなたが立ち向かいたい「ラスボス」とはいったい何でしょう? ゲームを通じてそれに気づき、ゲームと同じように目の前の小さな困難を乗り越えながら、ラスボスとの戦いに挑む力をつけていかなければなりません。
 
ゲームの中だけで、カタルシスを終わらせるのはとてももったいないこと。人には、誰にでもラスボスに立ち向かう勇気があります。ラスボス退治ゲームを通じてその勇気に気づき、ぜひ現実世界でも壮大な冒険ファンタジーを繰り広げていきませんか?
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