玄米を食べて痩せるダイエット。知っておきたい栄養知識って? 

玄米ダイエット

玄米ダイエットをするなら


白米に比べて食物繊維やビタミンが多いことで知られる玄米。ダイエットや健康のために摂り入れているという人も多いのではないでしょうか。玄米は体に良いというイメージとは反対に、他の栄養素の吸収を阻害する、発芽させないと体に害があるといった説も見かけます。玄米についての正しい知識と食べ方について調べてみました。

 

玄米と白米の構造

玄米の構造

玄米の構造


玄米は胚乳の周りにヌカ層(種皮・果皮)と胚芽が付いている構造をしています。このヌカ層と胚芽の部分を除いて胚乳だけになったものが白米です。ヌカ層には食物繊維が、胚芽の部分にはビタミンやミネラルが多く含まれています。このため、精製して栄養のある部分を取ってしまう白米は、玄米に比べて栄養価が低くなります。

 

玄米はダイエットに有効? 効能やメリット

玄米は炭水化物の代謝をサポートするビタミンB1、排便を整える食物繊維が豊富です。さらに固い食感によってしっかり噛むことができるので満足感を得られやすいという点もダイエットに活かせるポイントです。
 
琉球大学医学部第二内科の研究では、玄米を食べるとメタボリックシンドロームの改善と減量効果を得られるとの成果も発表されています。
 
参照:玄米食の内臓肥満および糖脂質代謝に及ぼす影響

 

玄米を食べるデメリットってあるの?

玄米ダイエット

玄米の知識


現代の日本の食生活では白米が主流ですし、玄米食から白米食へ移行した歴史を考えてもきっと何か理由があるはずです。そこでなぜ白米が主流となったのか、栄養満点の玄米にデメリットはあるのか調べてみたところ、次のようなことがわかりました。
 
・残留農薬が含まれる可能性がある
米を栽培する時に使われた農薬の大部分は80%以上がヌカ層に残ります。精製するだけでも80%以上の農薬を除去できるそうです。
 
・無機ヒ素が含まれている
コメは比較的無機ヒ素が多く含まれる食品です。無機ヒ素を短期間に大量に摂った場合は発熱、下痢、嘔吐、興奮、脱毛などの症状が現れ、継続的に大量に摂った場合は皮膚組織の変化やがんの発生を高めると報告されています。しかし、農林水産省ではバランスの良い食生活を心がけていれば体に影響を与えることはないとの前提で玄米やぬか漬けを食べても問題はないとしており、今のところ国内ではヒ素による明らかな健康影響は報告されていません。
※出典:農林水産省HP
 
・消化に負担がかかる
玄米は消化が悪いといわれますが、これは食物繊維が多く含まれていることが理由で、裏を返せば便秘改善が期待できるともいえます。
固い表皮の部分は浸水することによって柔らかくなるので、炊き方を工夫すれば消化に負担をかけない食べ方も可能です。
 
・炊くまでに時間と手間がかかる
米ヌカは水をはじきやすいので吸水に時間がかかります。白米の浸水時間の目安が20~30分であるのに対して、玄米は6時間以上(季節や水温によって異なる)必要とされています。
 
・ 風味の問題
味には好みがありますので、玄米をおいしいと感じる人もいれば苦手と感じる人もいます。しかし、長い歴史から見ると昔から白米はご馳走として扱われ、精米や炊飯技術を向上させるために努力が重ねられてきました。「おいしいご飯が食べたい」という人々の願いが、自然な流れで白米主流の時代へと繋がったのでしょう。
 
これらのデメリットに加え、玄米を語るときによく話題にのぼるのがフィチン酸とアブシジン酸です。

 

フィチン酸がミネラルの吸収を阻害する説

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玄米の栄養は吸収されにくいって本当?


フィチン酸とは植物界に多く存在する有機リン酸化合物(イノシトール-6-リン酸)のことです。
フィチン酸は体内では鉄や亜鉛などのミネラルと結合し、水に溶けにくい性質をもつため体にも吸収されにくいようです。さらに、フィチン酸と結合したミネラル成分までもが吸収されないまま体外に排出されてしまいます。

つまり、玄米には豊富なミネラル分が含まれていますが、摂取したとしても体に吸収されないまま体外に排出されることになります。フィチン酸を毒と例える表記も多いですが、決して毒というわけではないということを知っておきましょう。
 
フィチン酸には良い効果もあります。農薬や有害物質を体外に排出する、さらには抗がん作用があるとの報告もあります。しかし、抗がん作用については可能性の段階であり、そもそもフィチン酸は体内で吸収されにくいので体内で抗がん作用を発揮できないのではないかとの見方もされています。成分単体での効果は必ずしもヒトの体の中でも同じように得られるというわけではありません。

以上のことから、玄米中のフィチン酸がミネラルの吸収を阻害する説は正しいといえます。玄米はミネラル源にはなりにくいので、野菜や海藻などミネラルを多く含む食材と組み合わせて摂る必要があるでしょう。

 

アブシジン酸は体に有害である説

玄米に含まれるアブシジン酸を摂取すると体が冷えて免疫が低下する、ガンのリスクを高めるといわれることがあります。

アブシジン酸は穀類に多く含まれる植物性ホルモンで、植物の水分含有量が少なくなると根で合成され、葉に移動して気孔を閉じるように作用します。

これはアブシジン酸が活性酸素の発生を促し、活性酸素が信号となって起こるものでアブシジン酸が直接作用しているというわけではありません。

活性酸素は老化や生活習慣病の原因となるもで、アブシジン酸によって活性酸素の発生が促されるということから「アブシジン酸は体に悪い」説が流れたものだと推測できます。
 
植物におけるアブシジン酸は水分のバランスを整える、細胞を保護するという大切な役割があります。一方、アブシジン酸が人に対して有害であるとのエビデンスはないどころか、抗炎症作用によって動脈硬化や糖尿病の予防・改善に有用である可能性が示唆されています。
出典:ScienceDaily
 
よって、「アブシジン酸は活性酸素を発生させるから毒」と考えるのはやや短絡的な考え方で、「アブシジン酸は有害である」と書いてあるサイトも多いですが、理由は述べられていないものがほとんどです。

 

玄米をおいしく食べる方法は?

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玄米は炊飯器や圧力鍋でも簡単に炊ける


玄米の基本的な炊き方は次のとおりです。炊飯器によっては浸水が必要ないモードがあるものもありますので、その場合は指定のレシピに従ってください。
 
1.玄米を水に6時間以上漬けてふやかします。
2.水を切って炊飯器に標準の水と共に入れて、炊飯器の玄米モードで炊き上げます。
 
圧力鍋を使用する場合は1.5倍の量の水に1時間ほど漬けてから中火にかけ、沸騰したら強火で2分、弱火で20分ほど加熱します。

 

発芽玄米ってなに?

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発芽した玄米


市販の発芽玄米は高コストということもあり、自宅で発芽させる方法が広まりました。発芽玄米はもやしと同様、発芽させることで酵素が活性化されて栄養価が高くなり、うまみや甘みも増します。さらに、消化が良くなるというメリットもあります。

【発芽玄米の作り方】
1. 玄米を洗ってザルに入れ、水を入れたボウルの中にザルごと浸します。
2. 12時間後、玄米を水から上げて軽く洗い、水を交換します。
3. 24時間後、玄米を洗い、玄米の上に水で濡らした布巾をかけます(水には浸しません)。玄米が乾かないように、布巾が乾いたら霧吹きなどで再度濡らします。
4. 36時間後、10粒に1粒の割合で0.5~1mm程度の芽が出ていれば完成です。季節や水温によって発芽にかかる時間が変わります。

夏場は36~40時間、冬場は44~48時間を目安としましょう。

 

炒り玄米は何がいいの?

炒り玄米の栄養的なメリットは不明ですが、そのまま食べられる、ふりかけなどトッピングとして使えるといった用途的なメリットがあります。玄米を炒ってから炊いて食べると表皮が柔らかくなって食べやすくなるそうです。
 
【炒り玄米の作り方】
1. 玄米を30分以上浸水させ、ざるにあげて10分ほど水気を切ります。
2. フライパンを弱火で15分程度熱して、焦げないように混ぜます。
3. 好みの色合いになったら、粗熱をとり、保存瓶などで保管します。
 
 

アニメ『この世界の片隅に』でも話題になった、楠公飯とは?

関連情報として、戦時中にお米の消費量を抑えるための方法として食べられていた「楠公飯(なんこうめし)」を知っていますか? アニメ『この世界の片隅に』に登場すると、「プルプル感がすごい」と話題となり、再現までしてしまう強者も……!
 
簡単にいうと、楠公飯は量の少ない玄米をかさ増しして食べるための方法です。炒った玄米を使うことで吸水性が高くなり、お米自体が膨らみやすくなることに加え、水の量も増加して炊き上がりをプルプルにします。

元はといえば少ないお米をいかに増やすかという節約アレンジの方法なのですが、お米の量を抑えることができるのでカロリーダウンにもなります。ダイエットを極めたいのであれば試してみる価値はありそうですね。
 
【楠公飯の作り方】
1. 玄米をフライパンで炒めます。プチプチと殻が弾け、茶色に色づくのが目安です。
2. 玄米を鍋に移し、通常の3倍の量の水を入れて一晩おきます(1合分なら3合分の水)。
3. その後鍋を火にかけ、通常通り炊きます。
参照:デイリーポータル
 

ダイエットに役立つ玄米の栄養知識と効果は以上です。

玄米は白米に比べると食物繊維、ビタミン、ミネラルが豊富なのは確かです。アブシジン酸は毒であるという説は誤解としても、ミネラルの吸収のされにくさや無機ヒ素、残留農薬の不安を考えると手間をかけてまで玄米を選ばなくてはいけないという理由は見つかりません。

玄米に入っている栄養素は他の食品から摂取することもできるので、白米を主食にして野菜や海藻を増やすという方法でもカバーは可能です。玄米の味が好きという人は良いですが、苦手な人は我慢してまで食べる必要性はないでしょう。
 

【そのほか出典・参照】
植物ホルモン・アブシジン酸の進化と機能
植物ホルモン・アブシシン酸の進化と機能植物ホルモン・アブシシン酸獲得のルーツ
 
 

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ダイエットは個人の体質、また、誤った方法による実践に起因して体調不良を引き起こす場合があります。実践の際には、必ず自身の体質及び健康状態を十分に考慮したうえで、正しい方法でおこなってください。また、全ての方への有効性を保証するものではありません。