食事ダイエット

トマトダイエットは効果がある?おすすめの食べ方や栄養価について

【管理栄養士が執筆】トマトダイエットは効果がある?トマトは昔から美容と健康にいいと言われていますが、ダイエットにも役立つのでしょうか。夜トマトダイエットのほか朝や昼に食べるとどうなのか、痩せる効果があるのか、ミニトマトなどについて、効果的な食べ方やレシピのヒント、栄養素を解説します。

片村 優美

執筆者:片村 優美

食事ダイエットガイド

トマトダイエットは効果がある?

トマトダイエットで痩せる?

トマトダイエットで痩せる?

ヨーロッパのことわざ “a tomato a day keeps the doctor away”は、直訳すると「1日1個のトマトが、医者を遠ざける」という意味です。これはトマトの健康効果を謳ったもので、「トマトが赤くなると医者が青くなる」という訳され方もしており、「患者がいなくなって医者が困ってしまうほどトマトは体に良い」ということが昔から世界各国で伝わっている、ということを表しています。

こう例えられるほどトマトは健康効果の高い野菜ですが、ダイエットに役立つものなのでしょうか。トマトのダイエットへの有用性について見ていきましょう。
 
<目次>
 

トマトにはどんな栄養素が含まれている?

トマトの栄養

トマトの栄養

■β-カロテン(ベータカロテン)
β-カロテンは植物性の色素成分であるカロテノイドの一種です。体内でビタミンに変化する物質であり、実際にはビタミンというわけではありません。しかし、ビタミンAと同様に作用して皮膚や粘膜を健康に保ち、視覚の働きをサポートします。その他には抗酸化作用、免疫力を高めるといった働きがあります。

■ビタミンE
抗酸化作用を持ち、体内の脂質の酸化を防いで体を守ります。細胞の老化を防ぐため、若返りのビタミンとも呼ばれることがあります。動脈硬化予防、生活習慣病予防など、いわゆるアンチエイジングに良いとされるビタミンです。

■ビタミンC
肌にハリを与えるコラーゲンの生成に欠かせないビタミンです。皮膚や粘膜の健康維持に関わっているほか、鉄の吸収を良くする、ストレスへの抵抗性を高めるといった働きもあります。

■リコピン
トマトの色素成分であり、β-カロテンと同じくカロテノイドに属しています。カロテノイドの中でもリコピンは特に抗酸化作用が強く、ビタミンEの100倍以上にもなるといわれています。
 

トマトはダイエットに使えるor使えない?

結論からいうと、トマトはダイエットにおすすめの食品です。

いちばんの理由は低カロリーだからという単純な理由です。トマト100g(1/2個)を食べてもわずか12kcalしかありません。

次に、京都大学の研究では、肥満のマウスを対象とした実験で、脂肪肝や脂質代謝異常に有効な成分13-oxo-9,11-octadecadienoic acid(13-oxo-ODA)を見つけ出し、はっきりとした改善効果が得られたと報告されています。

また、ヒトを対象にした実験でも、トマトジュースを飲むと血中の中性脂肪の低下と消費エネルギーの増加が見られたという結果が得られています。

トマトの肥満改善効果の詳しいメカニズムは、まだ不明な部分もありますがこうして多くの研究で実証されているということは、トマトに肥満改善効果があると期待しても良いのではないでしょうか。
 

ダイエットに効果的なトマトの食べ方、レシピのヒント

トマトは加熱すると◎

トマトは加熱すると◎

地中海地方の人はトマトを日常的にとり入れています。ピザ、パスタ、ミネストローネ、ラタトゥイユなど、日本でもよく食べられているものがありますよね。この地域では心血管疾患を発症する人が少なく、トマトを取り入れた食生活が大きく関わっているものと考えられています。

地中海地方の食生活で、もう1つ注目しておきたいのがオリーブオイルです。トマトと一緒に食べられることも多く、相性の良い食材です。

オリーブオイルにはコレステロールを下げるオレイン酸が含まれています。トマトに含まれるリコピンと一緒に摂ることで、血中のコレステロールを下げる、トマトのリコピンの吸収を高める、といった相乗効果が生まれます。

また、トマトは生で食べるよりも加熱して食べたほうがリコピンの吸収が高まり効果がアップするので、効果を高めたいときはスープやソースから摂取してみると良いでしょう。
 

トマトダイエットの効果的な食べ方・量・タイミングは?

トマトジュースでもOK?

トマトジュースでもOK?

■トマトの量
トマトの健康効果を得るためには1日2~3個(250~500g)が効果的といわれています。でも、毎日この量を食べ続けるのは現実的ではありませんので、濃縮したジュースやソースで摂る方が良いでしょう。200mLのトマトジュースを1日飲むと中性脂肪が下がったというデータがあります。

■トマトを摂るタイミング
カゴメの研究では、トマトに含まれるリコピンの吸収は朝が最も優れていることがわかっています。どのくらい作用が持続するのかは不明ですが、栄養素は1度に大量に摂取するよりも、こまめに摂った方が吸収されやすいと考えられています。他の研究からも、朝と夜の1日2回のトマトジュースの摂取で中性脂肪の減少と消費エネルギーの増加が見られているので参考にしてください。

■どんなトマトジュースが良い
トマトの成分を効率良く摂取するためには、トマトジュースがおすすめです。しかし、なかには塩分や糖分が多く含まれているものもあります。砂糖・食塩無添加、トマト100%を目印にして選びましょう。

続いて、編集部調べによる人気のトマトダイエットを、管理栄養士の視点で検証していきます。
 

夜トマトダイエット

夜にトマトを食べて、リコピン15mg以上を6カ月は続けて摂る方法です(編集部調べ)。

→リコピンは朝に摂った方が吸収率は高いので、栄養面では夜に限定する必要はありません。ただし、夕食は体重増加に大きく影響することから、トマトを食べることで食事全体のカロリーを抑えられるというメリットはありそうです。
 

ミニトマトダイエット

トマトなら1日2個ですが、代わりにミニトマトを1日17個以上食べるという方法です(編集部調べ)。


→トマトとミニトマトでは、同じ量を食べた場合、ミニトマトの方が栄養価が高くなります。これは栄養素が多く含まれる皮の部分が多くなるからではないでしょうか。必ずしもミニトマトに限定する必要はありませんが、野菜不足が気になる人はミニトマトを選ぶと良いでしょう。
 

ホットトマトダイエットや焼きトマトダイエット

ホットトマトダイエットは加熱したトマトジュースを1日1杯(200mL)飲む方法です。焼きトマトは、食事の前に焼いたトマトを1つ(200g程度)食べる方法で味付けをしてもOKとされています。オリーブオイルや牛乳のような脂肪分と一緒に摂ることでより吸収が高くなるとされています(編集部調べ)。

→リコピンは油に溶ける性質があり、加熱して食べた方がリコピンの吸収が高まるので、理にかなった方法です。しかし、油はカロリーが高いので、使いすぎには気を付けましょう。
 

1週間トマトダイエットやトマト置き換えダイエット

夕食などの食事1食をトマトやトマト料理のみにするものや、3食すべてをトマト入りの野菜スープのみ(7日中の2日間は油を使わない肉入りスープ)にするなど、いずれも1週間程度の短期間に限り、食事をトマトやトマト料理に置き換える方法です(編集部調べ)。

→食事を単品食材に置き換えるダイエットは、カロリーが抑えられるのは確かですが、栄養バランスが偏るので、基本的にはおすすめできません。また、体を冷やしすぎて代謝が悪くなる可能性もあります。単純に食事量や摂取カロリーが減るという意味では確実に痩せられますが、不健康な方法といえるでしょう。
 

トマト納豆ダイエット

トマトと納豆を一緒に食べることにより、体内にたまった塩分を排出できるという考えから、毎日納豆1パックとトマト半分(プチトマトの時は3個)を食事に摂り入れ、それを1週間ほど続ける方法です(編集部調べ)。

→トマトと納豆は、どちらもダイエット向きの食材といえます。しかし、組み合わせることで塩分排出をするという点について、根拠は不明です。両方を摂り入れる食べ合わせよりも、他の食事を質素にすることの方がダイエットにおいては大切ではないでしょうか?


以上、トマトのダイエット効果ややり方についてでした。トマトは低カロリーであり、中性脂肪を減らしたり消費エネルギーを増やしたりする研究結果があるため、総合的に見て、ダイエット中におすすめの食品といえます。また、美容効果も高く、「健康的に痩せてキレイになる」という願いを叶えてくれる食材でもあります。

しかし、どんな食べ物でも食べすぎは良くありませんので、少しだけ意識を傾けて、自然な形で取り入れていきましょう。「トマトダイエットは痩せない」という意見もありますが、ダイエットはバランスの良い食事を意識しつつ、いろいろな食品から幅広く栄養素を摂ることが大切です。緑黄色野菜の1日の摂取目安量は120gほどですので、他の野菜も組み合わせてバランス良く食べられるように工夫しましょう。

【出典】
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ダイエットは個人の体質、また、誤った方法による実践に起因して体調不良を引き起こす場合があります。実践の際には、必ず自身の体質及び健康状態を十分に考慮したうえで、正しい方法でおこなってください。また、全ての方への有効性を保証するものではありません。

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