災害によりローン返済に困ったら
平成30年大阪府北部を震源とする地震により、多数の者が生命又は身体に危害を受け、又は受けるおそれが生じていることから、12市1町(※1)に災害救助法が適用されました。(平成30年6月18日)(※1)災害救助法適用市町村 :
大阪府
大阪(おおさか)市、豊中市、吹田市、高槻市、守口市、枚方市、茨木市、寝屋川市、箕面市、摂津市、四条畷市、交野市、三島郡島本町
災害救助法が適用されることで、『自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン(以下「ガイドライン」とする)』の対象とされます。本ガイドラインの対象となれば、住宅ローン等の返済が滞ってしまっても、個人信用情報機関への登録が猶予されます。(いわゆるブラックリストになる心配がありません。)
もし、既存のローンが返済できなくなった場合、そうした「債務」を整理するためには「破産」や「再生」といった法的手続がありますが、こうした法的手続により債務整理を行った場合には、その事実が個人信用情報として個人信用情報機関へ登録され、生活や事業を再建するための資金の借入が受けられないといった問題が生じることがあります。
でも、自然災害で被災した場合は、市区町村にて「り災証明書」、「被災証明書」を取得し、ローンを借りている金融機関に持参のうえで、相談して下さい。(※2)一定の要件があるので、被災者の全員が対象とはなりませんが、返済に困っている場合には『ガイドライン』が使えれば生活再建に大きな支援となるばずです。
一定期間の返済を猶予してもらっても、個人信用情報への登録は配慮されるので、あなたの個人信用情報にキズが付く心配はありません。ブラックリストに載る心配が無いので、将来的にローンを組んだりすることは可能です。
(※2)大まかな相談の流れ
(1)市区町村にて「り災証明(被災証明)」を取得
(2)メインバンクにこの制度の利用を申し出
(3)メインバンクから「同意書」が発行される
(4)弁護士(弁護士会)に相談
自然災害による被災者の債務整理に関するガイドラインとは
自然災害の影響で、住宅ローンや事業性ローン(個人事業主に限る)などの返済にお困りの方を対象として、一定の要件を満たす場合に、ローンなどの返済の免除・減額を債権者に申し出ることができる制度です。ガイドライン利用のメリット
- 個人情報登録機関に事故情報として登録されない為、新たな借入れに影響が出ません。
- 最大500万円の現預金、被災者生活再建支援金、災害弔慰金・災害障害見舞金、義援金等の財産を手元に残せます。
- 原則として保証人への支払請求がされません。
- 国の補助があるので手続を支援する登録支援専門家(弁護士等)の費用はかかりません
自然災害による被災者の債務整理に関するガイドラインとは
(自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン研究会平成27年12月より抜粋)我が国に未曾有の被害をもたらした東日本大震災以降も、地震や暴風、豪雨等による様々な自然災害が発生している。将来的にも、このような自然災害の影響によって、住宅ローン等を借りている個人や事業性ローン等を借りている個人事業主が、これらの既往債務の負担を抱えたままでは、再スタートに向けて困難に直面する等の問題が起きることが考えられる。
かかる債務者への適切な対応は、自然災害からの着実な復興のために極めて重要な課題であり、東日本大震災に関して策定された「個人債務者の私的整理に関するガイドライン」に係る対応を通じて得られた経験等も踏まえ、新たな債務整理の枠組みが望まれている。
このような状況の中、金融機関等が、個人である債務者に対して、破産手続等の法的倒産手続によらず、特定調停手続を活用した債務整理により債務免除を行うことによって、債務者の自助努力による生活や事業の再建を支援するため、債務整理を行う場合の指針となるガイドラインを取りまとめることを目標として、本年9月「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン研究会」が発足。
災害救助法(昭和22 年法律第118 号)の適用を受けた自然災害(以下、特段の断りがない限り、「災害」という。)の影響を受けたことによって、住宅ローン、住宅のリフォームローンや事業性ローン等の既往債務を弁済できなくなった個人の債務者であって、破産手続等の法的倒産手続の要件に該当することになった債務者について、このような法的倒産手続によらずに、債権者(主として金融債務に係る債権者)と債務者の合意に基づき、債務の全部又は一部を減免すること等を内容とする債務整理を公正かつ迅速に行うための準則を定めることにより、債務者の債務整理を円滑に進め、もって、債務者の自助努力による生活や事業の再建を支援し、ひいては被災地の復興・再活性化に資することを目的とする。
債務整理について
(自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン研究会平成27年12月より抜粋)本ガイドラインに基づく債務整理を行った対象債務者について、対象債権者は、当該対象債務者が債務整理を行った事実その他の債務整理に関連する情報(代位弁済に関する情報を含む。)を、信用情報登録機関に報告、登録しないこととする。