住民税を払わないとどうなる?給料の差し押さえも?

地方税の滞納額および徴収率というデータが総務省から発表されています。
H28年地方税の滞納額および徴収率(出典:総務省)

H28年地方税の滞納額および徴収率(出典:総務省)


平成28年度のデータでは、通常、私たちが住民税と言っているところの道府県民税の所得割が98.6%の徴収率、市町村民税の所得割が98.8%の徴収率とともに高い徴収率を誇っている反面、滞納繰越分、つまり滞納と認定され全額回収できていない割合も道府県民税の所得割が32.4%の徴収率、市町村民税の所得割の徴収率が30.0%と低い数値となっています。

つまり、滞納になる確率は少ないが、いったん滞納するとそこからなかなか抜け出せないのが住民税の厄介なところとも言えます。

住民税はなぜ支払えなくなるのか

では、なぜ、住民税は支払えなくなるのでしょうか。それは、住民税は前年の所得の状況に応じて、本年かかる前年課税というルールによって課されるからだといわれています。

たとえば
  • 前年は正社員として働いていたけど、今は非正規雇用になった
  • 年収アップを図って会社を辞めて転職活動していたけど、転職先が決まらない
  • フルタイムで働いていたが、結婚を機に専業主婦になった
  • プロスポーツ選手として活躍していたが引退を余儀なくされた
というようなケースが、「前年は相応の稼ぎがあったけれど、今年は大幅にダウンした」というケースであるといえるでしょう。

「督促状」がきたらすぐに「分納」の相談をしよう

もちろん、だからといって、ただちに「そういう事情だったのですか。では仕方ないですね」と住民税を減額してくれるわけではありません。税務行政の根本は「課税の公平」といって、税を滞納している人と、正しくきちんと納めている人がいる場合に、税を滞納している人が優遇されるというようなことは原則的にはありません。

住民税を期限通りに納めていないと、その年の1月1日在住の市区町村から「督促状」という封筒が届くと思うのですが、これが届いていたら、いわゆる「イエローカード」が提示されている状況といっていいでしょう。

その「督促状」を持って、市区町村の税務課に出向き、分納、つまり、「督促状どおり一括で納めることはできないので、なんとか分割で一回の金額を少ない方法」で折り合いをつけるという方法をまずは勧めます。

住民税を滞納すると延滞金がかかる

ただし、分納するとデメリットがあります。つまり、「督促状」が届いている段階で本来の納付期限を過ぎていることが考えられるので、本来の納付期限から実際に納付したまでの日数、税金の納付が遅延したということになるのです。
延帯割合の基準となる特例基準割合の推移(出典:東京都主税局)

延滞割合の基準となる特例基準割合の推移(出典:東京都主税局)


その遅延分のペナルティが延滞金といわれているものです。
現在の延滞金の割合の基準となる特例基準割合の数値は低くなっていますが、それでも分割払いにすればするほど、本税のほかに延滞金の額は大きくなるでしょう。

住民税が減免されるケースもある 

もちろん、「課税の公平」という観点から「このような状況であるならば致し方ない」と判断されることも皆無ではありません。

東京都の場合であれば下記にように所得割・均等割ともに非課税、あるいは所得割のみ非課税とするルールがあります。

住民税が非課税になる基準(出典:東京都主税局)

住民税が非課税になる基準(出典:東京都主税局)


「アルバイトで生計をたてていたけれど、そのまま放置」というような状況であれば市区町村は「アルバイト先からの給与支払報告書」だけしか、前年の所得状況を把握できるデータがないため「誤った住民税課税」がなされる可能性もあります。

「障害者、未成年者、寡婦または寡夫で前年中の合計所得金額が125万円以下である」

「控除対象配偶者または扶養親族がいて所得金額は一定額以下である」

というような方の場合にはきちんと確定申告等で市区町村の税務課に知らしめる必要があるでしょう。

保険や給与の差し押さえがかかることも

上記のような状況でないにも関わらず「督促状」が来たけど放置していると、ある日突然、「保険が差押えられた」「住民税の未払いが勤務先にばれた」などということもあるのです。

前者はその時点の解約金相当額が住民税の滞納部分に充当され、不足する部分について分納の手続きを進めるということになりますし、後者の場合、「○○という従業員さんがいますよね。この方、平成○○年から平成○○年まで住民税が未納になっているので、給与の一部を差押えさせていただきます」という通知が勤務先に来るのです。

勤務先は入社前の事項とはいえ、ここ半年間くらいの給与台帳を持参して、その市区町村の税務課に出向くことになります。

通常、そのような状況になると何といってもその従業員の社会的信用が落ちることは避けられず、退社を余儀なくされ、さらに住民税の滞納額が増えるということにもつながりかねません。

住民税が前年の所得の状況によって課されることを理解し、「督促状」が届いた段階で分納の相談、これが住民税滞納対策の最初の一歩であると考えます。

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