格式高い? そんなことないゆり根の魅力
おせり料理や冬の和食に欠かせないゆり根
ゆり根は北海道で生産量の99%を栽培しており、そのほとんどが関西を中心に食べられているそうです。だからでしょうか、なかなか全国的には、ゆり根を自分で下ごしらえして、料理する機会がないようです。
今回はゆり根をおいしくいただくための諸々をこぞって紹介したいと思います。
ゆり根ってどんな野菜?
見た目は球根みたいなゆり根
栽培されているものは小ぶりの小鬼ゆりが多いようですが、その他サイズの大きいもので、鬼ゆりや山ゆりもあります。観賞用のゆりの鱗茎だと、アクと苦みが強すぎて食用には向いていないので、くれぐれも気をつけてください。
ゆり根の旬
ゆり根は4~9月にかけて栽培し、12~2月にかけて旬を迎えます。1年以内に収穫ができるように思えますが、実際のゆり根栽培には種の育成に3年、鱗茎の栽培に3年、計6年もの月日が費やされています。そう言われてみると、旬の時期にはぜひとも食べておきたくたくなりますね。
ゆり根の選び方
ゆり根はおがくず付きで
- 表皮がパリッとして、乾燥していること。
- 全体的に色が白くて光沢がある。紫色や茶色(サビと言います)がかっていることがありますが、取り除けば大丈夫です。また外見にサビが多くても、鱗茎を数枚はがすと、きれいな白色が現れます。
- 根が伸びすぎていないこと。
- 濡れていないこと。
ゆり根の下ごしらえ
ゆり根料理の定番は茶碗蒸しやホイル蒸しなどの蒸し物。あとはかき揚げや炒め物などの油を使って料理や、ポタージュやスープの実など。でんぷん質が豊富で、芋に似た食感なので、いも類感覚で気軽に調理できます。では早速下ごしらえですが、どこから手をつけるか分かりますか? ゆり根は、その鱗茎をひとつひとつはがし、洗ったものを用います。
ゆり根の下ごしらえ
ゆり根の下ごしらえ
ゆり根の下ごしらえ
ゆり根の下ごしらえ
- おがくずをきれいに洗い流したら、目立つところにある茶や紫のサビを包丁やピーラ―で削り取ります。このとき切り口がねっとりとするので、滑らないよう気をつけましょう。
- 鱗茎を外側から1枚1枚取り除きます。
- 根が出てきたら、切り落とします。
- バラバラになった鱗茎を貯め水で洗い、サビがあるなら削り取ります。
- 料理に合わせて、そのまま調理したり、塩ゆでしたりしてからいただきます。ゆでるときはたっぷりのお湯で3分ほど。すぐ火が通ります。
ゆり根の保存方法
ばらす前で洗っていないものは、おがくずの中で1か月ほどの保存が可能です。ばらしてしまったら、水にさらして冷蔵庫で保存すれば4~5日もちます。また多めにゆでたときは、冷凍保存も可能です。
滋養深いゆり根の栄養のハナシ
ゆり根は一度にたくさん食べることがないので、栄養面はあまり注目されていませんが、実はミネラルの宝庫。また、その滋養の高さから昔から薬用に使われてきています。ゆり根特有のホロホロとした食感。あれは、でんぷんが多く含まれているからです。エネルギー源にもなるでんぷん質ですが、熱に弱いビタミン類を守る効果もあります。おかげで熱に弱いビタミンCが破壊されにくく、加熱調理しても効率的にビタミンCを摂取することができます。
また寒さが増すほど、でんぷんが糖化し、甘みが増すので、2月前後には特に甘みの強いゆり根を楽しむことができます。
その他、生活習慣病の予防に効果的なカリウム、整腸作用のある食物繊維、不足しがちな鉄分や葉酸も多くも含まれています。
また、薬用にも使われていたのは昔から鎮静作用があると言われているから。これは微量ながらも多数のアルカロイドが含まれており、神経の昂りを抑えてくれると言われています。
ゆり根の絶品時短レシピ「ゆり根のバター蒸し」
人によっては、あまりなじみがありませんが、ねっとりホロホロとした味わいはゆり根ならでは!手軽にゆり根を1個消費するなら、ゆり根のバター蒸しがおすすめ。ばらしたゆり根をバターで炒めて、塩をパラリ。あとは蓋をして3分蒸すだけ。仕上げにパセリや黒胡椒を散らせば一品のできあがりです。ねっとりホロホロなゆり根に、バターの塩気が相まって、やみつきの味に仕上がります。
ゆり根のバター蒸し
ゆり根のバター蒸し
- ゆり根の鱗茎が大きい場合は半分に切り、鍋にバターとゆり根を加え、バターが溶けたらワインと塩を少々振りいれ、蓋をし、3分ほど蒸します。
- できあがり。アツアツのうちにいただきましょう。短時間しか蒸していないのに、ホックホックの食感に、後を引くねっとり感。塩気がいい具合にからまって、箸の止まらないおいしさです。
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