お金の悩みを解決!マネープランクリニック/貯蓄ができない、赤字家計に悩むファミリー世帯

38歳主婦、カードの返済が毎月14万。自転車操業に(2ページ目)

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、カードローンとキャッシングの返済、さらにカードの請求で月14万超という38歳の主婦・契約社員の方。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

あるじゃん 編集部

執筆者:あるじゃん 編集部

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アドバイス1 まずは現状の負債内容をもれなく把握する

ご相談者の「まにさん」に最初にしてほしいのは、現在返済しているローンやキャッシングについて、一覧表をつくり、現時点での各残高と返済期間を明確にするということ。データでいただいた分についても一部不明な点があるようですし、データに書かれている以外にも借り入れがある可能性もあります。

そしてクレジットカードの使用内容についても、具体的に何に使ったのかを明確にしていきます。多重債務から脱却するには、まず負債の内容を細かく知っておかなくてはなりません。それがわからなければ、見直すべき箇所もわからないからです。

さて、これらを実際にどう返済していけばいいのか。上記データがほぼ正しく現状(平均的な月の収支)を示しているとすると、毎月6万円の赤字が発生します。ボーナスは固定資産税や自動車維持コストなど、すでに行く先が決まっていますから、その返済には充てることはできません。来月にまたリボ払いかキャッシング、もしくはカードローンを利用することになります。結果、年間で72万円負債が増えることになります。

返済をしながら家計を赤字にしないためには、現状で支出を6万円減らさないといけません。家計を見直し、一時的に数万円減らすことはできても、継続的にこれだけ生活費をカットし続けるにはそれなりの時間が必要です。しかも、その間に負債が増えれば、それだけ完済時期が遠のくことになります。つまりは、自力での改善はかなり難しいと言わざるを得ません。
 

アドバイス2 義父に資金援助を頼み、カードのない生活を目指す

では、どうすればいいのか。もっとも現実的で、かつ有効な方法は、義理のお父さんに頭を下げ、一括返済できるよう資金援助を頼むことだと思います。金額としては、残高全額の290万円が理想ですが、無理であれば利息が高いもの、返済期間が長いものだけ、あるいはカードローンのみの210万円でもいいと思います。

もうすでに依頼されているかもしれませんし、これまで何かと助けてもらい頼みにくい状況かもしれません。それでもまだ頼む余地があるなら、先に述べました借り入れ状況をしっかりまとめ、合わせて返済計画も示して、誠意を持って頼むべきです。少なくとも今後1、2年の返済は無理でしょう。したがって、それまで返済は待ってもらい、その間、家計を立て直す。その内容も明確かつ真剣に伝えなくてはなりません。

具体的には、これまでの無駄な支出を洗い出し、それを削るという作業が基本となります。単純には言えませんが、カードローンとキャッシング、食費などを除いたクレジットカードの利用額を合わせて、平均で月14万5000円。これだけの支出がなくなれば、月の支出は30万6000円。つまりは毎月8万4000円、年間で約100万円貯蓄できる家計だと言えるのです。そして、徐々に無駄を減らし、各支出費目にしっかり予算を立て、最終的にはクレジットカードを使わない生活を目指すべきだと考えます。少なくとも、毎月しっかり貯蓄ができ、無駄な支出が減らせるまで、カードを使用しないという決意が必要でしょう。
 

アドバイス3 収入が増えれば気も緩み、また借り入れることも

しかし、資金援助が断られる可能性もあります。その場合、今日から、しかも一気に先の家計の見直しをするしかありません。余裕はないので、大幅に支出を減らし、それを継続する必要があります。確かに計算上は、月7万円のクレジット払いを支出削減でなくせば、現在の収入でカードローンとキャッシングの返済は可能です。ただし、これまでの生活を考えれば、毎月これだけ支出を減らすのは簡単ではありません。相当の我慢を強いられることは覚悟してください。当然、その間、一度でも新たな借り入れをすれば、また振り出しに戻ります。「カード請求をリボにしてでもローン返済に充てるべきでしょうか」という質問がありましたが、目先だけの対応は抜本的改善にはなりません。

怖いのは、新たなキャッシングやカードローン、リボ払いの繰り返しで、何とか2年間を過ごせば、ご主人の手取額が年間50万円増えた時点で改善するという考えを持つことです。しかし、家計に余裕ができれば、気も緩むもの。収入が増えれば、その分支出も増えてしまう。収入がある分、高額な支出が増え、結局また借り入れてしまう。支出に対する意識を変え、家計支出を減らさなければ、現状と変わらない生活にまた陥る可能性は否定できません。

さらに怖いのは、住宅ローンの返済が、ご主人70歳近くまであるということ。返済が難しくなって住宅を売却しても、おそらく一部ローンは残るはずです。支払いのために学資保険に手をつければ、教育資金の準備もままならなくなります。そもそも、学資保険を解約せず満期金を受け取っても、それだけでは大学もしくは専門学校に進学する資金としては不足です。せめて児童手当分は教育費の積み立てとして、貯蓄していくことが必要です。今、ご夫婦が協力して頑張らなければ、2人のお子さんに辛い思いをさせてしまう。そのことをもう一度考えてみてください。
 

相談者「まに」さんから寄せられた感想

「カードのリボ払いについて目先の対応は抜本的改善にならない」こと「将来、子ども達が辛い思いをする」ことを肝に銘じて、まずは一覧表から作りたいと思います。この度はありがとうございました。


教えてくれたのは…… 
深野 康彦さん  
 
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マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。近著に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など

取材・文/清水京武

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