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「神経衰弱」のコツを覚えよう!
トランプゲーム「神経衰弱」のコツは?
そして、ルールが簡単で、誰でもすぐにできるトランプといえば、「ババ抜き」「七並べ」、そして「神経衰弱」でしょう。「神経衰弱」で覚える内容は、複雑ではありません。
覚えるべきは、カードの「数字」と「場所」だけ。数字・場所は常に移動しますが、同時に覚える必要があるのは、せいぜい6つぐらいでしょう。
でも、これがなかなか覚えられない!
「あれ? そこにあったのは2だっけ? 3だっけ?」
「確か、このあたりに5があったけれど……」
覚えたようで、覚えていない。覚えられるようで、覚えられない。この微妙さが「イライラ」をもたらし、「神経衰弱」させるのです。
神経衰弱では「ワーキングメモリ」の容量がイライラをもたらす
では、どうやったら覚えられるのか?そのためには、なぜ「覚えたようで、覚えていない」のか、そのメカニズムを知る必要があります。答えは、「ワーキングメモリ(作業記憶)」です。
⇒ これで仕事もハカどる!注目の"作業記憶"って何?
簡単に説明すると、ワーキングメモリとは「何かの目的のために一時的に蓄えておく領域」のことで、「脳のメモ帳」にたとえられます。
そして、このワーキングメモリ、容量が非常に小さいのです。
人が瞬間的に記憶できる短期記憶の数は「マジック(マジカル)ナンバー」と呼ばれ、「マジックナンバー7」として7つとされてきました。ただ、その後、もっと少ない「4±1」であるといった研究も出ています。
ワーキングメモリは、対象に「注意」を向けることで覚えるのですが、数が多くなると「注意」を向けられなくなり、記憶ができなくなっていきます。
「神経衰弱」は、このワーキングメモリの”限界”をちょうど突いてくるのです。
覚えるべき数字・場所が「3」ならば、覚えられるでしょう。ただ、それが4、5になり……、しかもカードがめくられるごとに覚えるべき数字・場所が変わっていく……。
こうなると、ワーキングメモリの容量を超え、混乱し、覚えることに圧倒されてきます。「イライラ」してくるのです。
神経衰弱の「覚えられるようで、覚えられない」メカニズム
ワーキングメモリを圧迫させることによってもたらされる「イライラ」がくせ者です。
イライラすればするほど、それに注意が向いてワーキングメモリの容量を減らし、余計に覚えられなくなるのです。これが「神経」を「衰弱」させるメカニズムです。
がんばって覚えようとしても、ワーキングメモリの容量に限界がありますから覚えられません。がんばったのに覚えられないことに余計にイライラし、悪循環に入ります。
カードを覚えるポイントは「いい加減」と「くり返し」
「覚えられるようで覚えられない」メカニズム=ワーキングメモリについて理解したところで、「神経衰弱」を攻略するカギをお伝えしましょう。ポイントは「ワーキングメモリ」を圧迫させず、しかも効率的に使うことです。
ワーキングメモリを効率的に使うには、「イライラ」が厳禁です。そして、「イライラ」をもたらすのは、ワーキングメモリの限界を無視しした過度な「がんばり」や、あれこれも覚えたいという「欲」です。
こうならないために大事なのは、覚えることを適度に放棄する「いい加減」と、ワーキングメモリから必要な情報を消さないための「くり返し」です。
神経衰弱のコツは、カードを「4つのエリア」に分けてくり返す!
ワーキングメモリを使いつつも、その限界をわきまえた「いい加減」。覚えたい数字、場所に注意を向け続け、ほかのことに逸れないよう集中した「くり返し」。
そして、この二つのポイントを実現するための工夫が「4つのエリアに分けて覚える」ことです。
4つのエリアに分けてくり返し続ける
- 頭の中で、トランプのカードが広げられたスペースを4つに分けます
- 自分の注意を、左から右に4つのエリアに規則正しく移動させ、覚えるべき数字をくり返します。
このとき、大事なのは「止まらず、くり返す」こと。
ついつい細かい場所もしっかり覚えようとして、止まりそうになりますが、細かい場所にこだわらず、パッと各エリアにある数字を確認するくらいにとどめ、これを「くり返し」ます。
一つのエリアに覚えるべきカードが2枚も3枚も出てきた場合でも、全部を覚えようとせず、各エリア1枚ずつ、全部で4枚覚えておく、というくらいの「いい加減」さを保ちます。
さらに、自分がめくるときには、4つのエリアにまんべんなく覚えるカードが散らばるよう、バランスをとるようにします。
こうすることで、イライラすることなく、覚えられるカードが確実に増えていきます。ぜひ試してみてください!
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