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住民税は月収20万円のサラリーマンの場合いくら引かれる?
私たちが受け取る給料から引かれる税金には、所得税と住民税があります。国に納める所得税は年末調整(住宅ローン控除を行う場合など一部は確定申告)で計算され、内容を確認する機会も多いでしょう。【動画で月収20万円のサラリーマンの住民税について、わかりやすく解説】
一方、都道府県や市町村に納める住民税は、税額が一方的に通知されます。なので、あまり馴染みがないという方も多いのではないでしょうか? そこで、住民税はいくらになるのでしょうか? 会社員で月収20万円、年ボーナス2カ月分、年収280万円の場合でみてみましょう。
住民税の計算方法「収入-給与所得控除-所得控除」
住民税には、均等割と所得割の2つがあります。均等割は税額が定額で、基本的には5000円(自治体によって変わる場合も。復興財源確保のため、2014年度から2023年度分までの間、年1000円引き上げられています)。所得割は所得に応じて税額が変わります。所得割の税額が決まる基本的な金額は、
課税総所得金額=収入-経費(給与所得控除額)-所得控除額
から決まります。
これらの均等割と所得割は、標準税率として決められていますが、一部の自治体では超過課税を実施し、税額が多くなる場合もあります。この記事では、東京都などの標準課税の場合として計算します。
■給与所得控除額
会社員の場合は経費として、給与所得控除額が収入より自動的に計算されます。
年収280万円の場合、給与所得控除額は92万円。(2021年度より)
※ 給与所得控除額→ 国税庁HP「給与所得控除」
■所得控除額
それぞれの事情に応じて、所得から控除されるもの。内容は所得税と同じですが、住民税の控除額は低くなっています。
・基礎控除43万円(所得税48万円)(2021年度より)
・配偶者控除33万円(所得税38万円)
などの人的控除の他、社会保険料控除などがあります。
住民税の税率は一律10%で計算
実際に納める住民税(所得割額)は、さきほど計算した課税総所得金額から、住民税(所得割額)=課税総所得金額×10%-調整控除-税額控除
で計算されます。
■調整控除
所得税と住民税の人的控除額の差を埋めるためのもの。
※課税所得金額が200万円以下
(ア)か(イ)いずれか小さい額の5%
(ア)人的控除額の差の合計額、(イ)課税所得金額
※課税所得金額が200万円超
{人的控除額の差の合計-(課税所得金額-200万円)}の5%
ただし、この額が2500円未満の場合は2500円
■税額控除
住宅ローン控除において、所得税で控除しきれなかった場合、住民税からも一定額控除できます。その他に、配当控除、寄附金控除などがあります。
住民税はいくら? シングル、年収280万円の場合:10万6500円
では、実際の住民税(所得割)の税額をみてみましょう。会社員で月収20万円、ボーナス年2カ月分で年収280万円、負担している社会保険料を41万円とします。受けられる所得控除を、基礎控除43万円、社会保険料控除41万円の合計84万円とすると、
課税総所得金額=収入280万円-給与所得控除額92万円-所得控除額84万円
=104万円
調整控除は2500円(人的控除の差は基礎控除の差5万円。課税所得金額(104万円)より低いので、調整控除は5万円×5%=2500円)。税額控除は対象がないとすると、
住民税(所得割額)=課税総所得金額104万円×10%-調整控除2500円
=10万1500円
これに均等割5000円を足すと、
住民税=所得割10万1500円+均等割5000円=10万6500円
という結果に。
住民税はいくら?夫婦(妻:専業主婦)の場合:7万1000円
所得控除に配偶者控除33万円が増えて、課税総所得金額は71万円になります。
(収入280万円-給与所得控除額92万円-所得控除額117万円)
調整控除も配偶者控除分の差額が増えて5000円(人的控除の差は基礎控除と配偶者控除の差10万円。10万円×5%=5000円)。
住民税(所得割額)=課税総所得金額71万円×10%-調整控除5000円
=6万6000円
これに均等割5000円を足すと、
住民税=所得割6万6000円+均等割5000円=7万1000円
となります。
会社員の住民税は特別徴収で毎月給料から引かれる
このような過程で住民税が決まります。会社員の場合、実際の納税は毎月の給与から控除されます(特別徴収)。また、住民税は前年の所得に対してかかります。給料がアップしても税額が増えていないと安心していても、来年にはアップした住民税を払うことになります。【関連記事をチェック】
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