Q.日本人にお願いしたいことは?
■改善点ははっきりと伝えてほしい「YES」「 NO」、 そして思っていることを素直に伝えてほしいですね。僕は日本の生活が長いので、日本人がはっきりものを言わないのは日本人の思いやりからくる、ということを知っています。しかし、この相手に悪いと思い、思ったことを率直に言わないというのは、ビジネスの場面では困ることも多いのです。
難しいこと、改善すべきところがあれば率直に言ってほしい。「この製品はここが問題だから直してほしい、改善してほしい」と言われれば、直すよう努力しますし、話も早いはず。はっきり伝えたほうが、相手のためになることが多いんです。
■時間がかかる場合は途中でコミュニケーションを
日本のビジネスはゆっくり進み、待つこと、待たせることは当たり前です。しかし、同じ感覚で韓国と取引すると、たいてい韓国側がイライラすることになります。時間がかかるのは仕方がないとして、せめて途中で説明をするとか、コミュニケーションが密に図れることが理想ですね。
日韓ビジネスの現場で困る日本語とは?
■「~かもしれない」
韓国「これ、いかがですか?」
-日本「できるかもしれませんね」
韓国「今度ソウルに来てください」
-日本「それ、いいかもしれないですね」
それぞれ直訳すると
「할 수 있을지도 모르겠네요.(ハルス イッスルチド モルゲンネヨ)」
「그거, 좋을지도 모르겠네요.(クゴ チョウルチド モルゲンネヨ)」
となりますが、どちらも韓国語として回りくどく、違和感があります。
こんなとき、韓国人は
「좋네요.(チョンネヨ/良いですね)」
「어려울 것 같아요.(オリョウル コッ カタヨ/難しそうです)」
など、最初からはっきりと印象や意志を伝えます。
「いいかもしれない」ではなく、「いいですね」、もちろん本当に良いと思ったときですが(笑)。ダメだと言いたいときは「可能性は低いです」といった言い方でも良いのではないでしょうか。
■「いいよ」「いいですよ」
日本に来て日本語を学び始めたときは「いいよ」はOKという意味だけだと思っていました。しかし、「それは、いいよ」の場合。「それは、無理・できない・やめておこう」という意味のときもあります。日本人ならば、この「いいよ」がどんな意味か、場面ごとに察知できるのでしょうが、外国人にとっては本当に分かりにくいのです。
また、韓国はお酒の席で関係性を深めようとする慣習があり、特に外国からのお客さまは最大限の接待をするのが礼儀とおもてなしだと考えています。そこで「いかがですか? 次も行きませんか?」と、2次会・3次会に誘います。日本側は「いいですよ」と3次会、4次会、多いときは5次会まで付き合う(笑)。
戻って日本人に聞くと「なかなか帰れずにしんどかった」と言われることがあります。でも、断ったっていいんです。「明日に響くので帰ります」と切り上げても大丈夫。来てくれる限り、韓国人は喜んでくれていると捉えます。