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ここが困るよ日本人…韓国人ビジネスマンの本音

日韓専門商社として両国をサポートする株式会社COCOA代表取締役、宋基東(ソン・ギドン)さんに、テーマを『ここが困るよ日本人~韓国人ビジネスマンの本音』と題し、お話を伺いました。韓国人からみた日本ビジネスとビジネスパーソンを知ることで、より豊かな国際ビジネス感覚やビジネスマナーを身につけようではありませんか。

幡野 泉

執筆者:幡野 泉

韓国語ガイド

ここが困るよ日本人…韓国人ビジネスマンの本音

韓国ビジネスを進めるにあたり、知っておきたい考え方やマナーなどの情報は少なからず目にしますが、韓国人からみた日本のビジネス・ビジネスパーソンについて、考えたことはありますか? 相手を近くて遠い国、人々と感じるのは、私たち日本人だけではなく、韓国人も一緒かもしれません。

そこで今回は『日本の良いものを韓国へ、韓国の良いものを日本へ』をコンセプトに、日韓専門商社として両国ビジネスをサポートする株式会社COCOA代表取締役、宋基東(ソン・ギドン)さんにお話を伺いました。

テーマは、ここが困るよ日本人~韓国人ビジネスマンの本音。韓国人から見た日本・日本人を知ることで、より豊かな国際ビジネス感覚を身に付けようではありませんか。


【目次】  

Q.日韓ビジネスの違いはどこですか?

■日本人には本音と建前がある
例えば展示会の場面で、日本のお客さんが「これ、良いですね~」と言う。すると、韓国側は取引が成立するのではと喜び、期待する。しかし、あとから「これが良くない、あれが良くない」という連絡がメールで来たりする。

韓国側としては「打ち合わせをしたときは”良い”と言っていたはずなのに……」とガッカリします。会話・打ち合せする時と後からの反応が違うのです。韓国人はその場でハッキリと考えを伝える傾向があるので、こんなときに戸惑うんですよね。
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宋社長が語る「日韓ビジネス」の違いとは


■マニュアル・前例主義
また、日本はマニュアル化されているもので仕事を進める傾向があると思います。しかし、ビジネスの場面ではイレギュラーが発生することが多い。すると、「マニュアルにないからできません」「前例がないからできません」となる。もう少し柔軟性があると良いのですが……。

■こだわりが強い
日本は物事に「こだわる・極める」傾向が強いですね。職人の文化を生んだりと良いこともたくさんあるでしょうが、韓国人から見るとこだわりがすぎて、物事が進まないように見えるときもあります。

■決定が遅い
また、物事の決定が遅くて、せっかちな韓国人はしびれを切らしてしまうことが多いです。遅くなる理由も分かるのです。日本は担当者、ともするとプロジェクトの責任者や部長・役員クラスでも決定権がないことがありますから。どれだけ現場で良い話し合いができても「社に持ち帰ります」となり、しばらく待っていると、社内会議で通らず断られる、ということが日常茶飯事ですね。

でも、ダメでも結論が早く出るのはまだ良いほうです。知り合いの韓国人社長は、ある日本企業との取引成立に向け準備を進め、改善点を提示されれば応え……と数年努力したが、結局取引が成立しなかった、と嘆いていました。また、そういう結果に至った説明もあまりなかったそうで、これはちょっと気の毒でした。
 

Q.人間関係の築きかたなどに違いは?

■書面重視の日本人・関係性重視の韓国人
韓国は義理や友人関係が大切。先輩だから、友人だから、と関係性を重視します。口頭で物事を決めることも少なくありません。一方、日本は書類を大切する。これはもちろん大事なことです。

でも、韓国人に「書面でやり取りを」と言うと、タイミングによっては「自分のことを信用していないのか」「自分たちはまだそんな仲なのか」とガッカリしてしまうこともあります。日本人にはその韓国人の感覚も理解してほしいと思いますね。

一方で、韓国人は『MOU(了解覚書)』が好きですね。少し商談をしただけでMOUを交わしたがり、交わすと業務提携をしたような気持ちになる。MOUは法的拘束力もありませんし、本契約書でもありませんので私自身はMOUには大きい意味はないと思っていますけれど(笑)。もちろんスタートという意味合いでは良いと思いますよ。

■日本人は『石焼鍋』・韓国人は『鉄鍋』
僕は日本と韓国の人間関係の築きかたを『石焼鍋』と『鉄鍋』に例えています。

日本は『石焼鍋』。じっくり熱し、いちど熱したらなかなか冷めない。韓国は『鉄の鍋』。すぐに熱くなって、すぐ冷める。日本ではまずお茶から始まり、ランチ、そして夕食もしくは飲みに行く、というふうに関係性をゆっくりと築く傾向がありますが、韓国は最初から「飲みに行こう」となることが多い。社長同士が商談をしていて、話がうまく進むと昼間でも「飲みに行きましょう!」となったりしますね。

■日本の仲卸文化が理解しにくい
最後に日韓ビジネスの違いとして、問屋(とんや)の概念を挙げたいと思います。物販に多いのですが、日本の物流の流れの中には、商社や取次が絡むことが多い。

韓国企業がとある日本企業と取引したい場合、直接その日本企業と取引できる・するものだと思っていますが、「いえ、〇〇を通してください」となる。これが韓国人にはなかなか理解できない。商社や取次が絡むと時間もかかるし、コストもかかる、という負のイメージを持たれることが多いですね。でもこれは日本の商習慣なので、何回も説明し、理解してもらうようにしています。

韓国人が日本と取引したい場合、「時間がかかるけど覚悟と準備はできているか」「日本からの要求は高いが都度改善し、付き合う気持ちがあるか」を確認してから取引をつなぐようにしていますね。
 
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