ペリカンカフェのトーストは炭火焼

1942年創業、昔ながらの工場直売のスタイルで、食パンとロールパンだけを作り続ける浅草の人気店「パンのペリカン」が2017年8月28日、店舗のすぐ近くにカフェをオープンしました。
炭焼き台で一枚一枚焼かれる食パン

炭焼き台で一枚一枚焼かれる食パン

パンの店舗がある国際通りを蔵前方面に歩くこと1ブロック、同じ赤いテントの、しかし新しくモダンな雰囲気のカフェが見えてきます。厨房の中ほどには、客席からも見えるようにガラスで仕切られた炭焼き台。

ペリカンといえば、ミミまでおいしい食パンに定評がありますが、ここではその食パンを特注の設備で炭火焼きにして出してくれるのです。表面はこんがりと網目がつき、中はふわっと優しい弾力。これは普通の家ではなかなか食べられないトーストです。

厚切りハムカツサンド

ハムカツサンド

ハムカツサンド

ペリカンのトーストにぴたりと寄りそって、昔からずっと一緒だったような顔で馴染んでいるのは、ハムカツです。「ハムカツサンド」(650円)は地元の「浅草ハム」のハムをパンと同じくらいの厚さのカツにしてソースをからめ、軽くドレッシングをまとった千切りキャベツとともにトーストに挟んでいます。マヨネーズも自家製、パン粉ももちろんペリカン製のパン粉です。

ハムカツのどこか昭和な雰囲気がペリカンのパンとよく合っているのですね。誰もが待ち望んでいた、ペリカンらしいサンドイッチではないでしょうか。
クリームソーダもよく似合う

クリームソーダもよく似合う

黄色と白、こだわりのチーズトースト

メニューの中にはチーズトーストが2種類あって、見た目はシンプルながら他のカフェや喫茶店にはない味わい深さです。どんなチーズが使われているのでしょう。
黄色いチーズトースト

黄色いチーズトースト

「黄色いチーズトースト」(540円)はいわゆるウェルシュラビット(英国風チーズトースト)です。チェダーチーズ、ウスターソース、ビール、マスタード、バターをいったんパテ状にしたものを塗って香ばしく焼いています。4センチの厚みのトーストはボリュームたっぷり。そしてやはりミミが絶品。
白いチーズトースト

白いチーズトースト

「白いチーズトースト」(680円)はフロマージュブランとパルミジャーノレッジャーノ、モツァレラの3種類のチーズが満喫できる、イタリア風のトースト。最初はルッコラを添えてみたのだそうですが、ペリカンのカフェにはルッコラより、パセリのほうがピンとくる!ということでパセリになったのだとか。

小豆トーストとフルーツサンド

小豆トースト

小豆トースト

厨房で丁寧に炊いた粒あんとホイップしたバターをたっぷりのせて、メープルシロップで仕上げた「小豆トースト」(480円)は、あんトーストのお洒落版と言えるでしょう。甘党におすすめです。
フルーツサンド

フルーツサンド

食パンのふんわりした食感を心ゆくまで楽しめる、焼かないパンのメニューもあります。「フルーツサンド」(860円)はこれ以上はさめないくらいたっぷりのフロマージュブラン入り生クリームに、常時8種類ほどのフルーツを合わせています。取材時はマンゴー、パイナップル、桃、マスカット、巨峰、オレンジ、キウイ、メロン。時季によって表情が変わるなんとも贅沢なサンドイッチです。

トーストやサンドイッチ、スープには日替わりのスペシャルもあり、黒板に書かれていますので、要チェックです。

ペリカンブレンドコーヒー

ペリカンカフェのロゴマーク

ペリカンカフェのロゴマーク

カフェのロゴマークはペリカンであるとともに、コーヒー豆も表しています。
初代からコーヒー好きで知られるペリカンは、カフェのコーヒーに流行ではなく昔ながらのほっとするようなテイストを選択。築地の「ライブコーヒー」で焙煎したオリジナルブレンドは、深煎り過ぎず浅煎り過ぎず、サンドイッチやトーストに最後まで寄り添ってくれます。
カレー風味の「パンの耳揚げ」は癖になる味

カレー風味の「パンの耳揚げ」は癖になる味

ペリカンカフェの想い

ペリカンのカフェと聞いて、どこかレトロな空間を予想するかもしれませんが、そこは意外にも、黄色をテーマカラーにしたすっきりとモダンな空間です。
店内の様子。20席。

店内の様子。20席。

「この界隈には古くからペリカンのパンを使ってくださっている喫茶店がいくつかありますが、今回、直営のカフェを開くにあたってどんなお店にするかという時に、レトロな雰囲気の店をわざわざ新しく作るなんてことはできない、と思いました」。ペリカンカフェのママを務める渡辺馨さんは言います。「これから年をかさねて自然に古びていけばいいなぁと思います」
左から四代目の渡辺陸さん、渡辺馨さん、パンツェッタ貴久子さん、シェフの伊藤俊文さん

左から四代目の渡辺陸さん、渡辺馨さん、パンツェッタ貴久子さん、シェフの伊藤俊文さん

もうひとつ、意外に思いながらもお話を伺ってなるほど!と納得したのが、ペリカンとイタリアの接点。このカフェのメニューを監修しているのは、イタリア料理研究家のパンツェッタ貴久子さんで、渡辺さんの料理の先生なのだそうです。

「イタリアに行ったとき、みんな昔から伝わるレシピを大切にしていることを知ったんですね。日本にはいつもたくさんの種類の新しい味の商品が溢れ、それが目まぐるしく変わっていくけれど……。子供の頃、うちのパンはなんでいつもおんなじで、種類がないんだ?と思っていたけれど、イタリアに行って、変わらないことは悪いことではないと、思えたんです」

変わらない味を守る、ということ。それはパンのペリカンが今や三世代に渡って愛され続けている、まさにその理由に違いありません。

ペリカンの映画『74歳のペリカンはパンを売る』

ペリカンのドキュメンタリー映画

ペリカンのドキュメンタリー映画

変わりゆく時代の、変わらない味、ペリカンのパンの魅力がつまったドキュメンタリー映画がこの秋(2017年10月)渋谷ユーロスペース他にて、全国順次公開されます。

■ペリカンカフェ
住所:台東区寿3-9-11 
電話:03-6231-7636
営業時間:8時~18時 日祝定休
Yahoo!地図情報
東京メトロ田原町駅徒歩5分

【関連サイト】
パンのペリカン公式サイト

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74歳のペリカンはパンを売る。(2017年)

 



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※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。