持ち株会社の役割=株主として他社を支配する!

持株会社

持株会社の傘下にはいろいろな子会社があります

そもそも、持ち株会社とは一体何でしょうか?

簡単にいえば、持ち株会社とは「他社の株式を保有して、その会社の事業活動を支配したり、監督したりすることを目的とする会社」です。「会社は株主のもの」といわれることがありますが、まさに「株主として他社を支配すること」そのものを事業としているのです。

さらに持ち株会社は事業持ち株会社純粋持ち株会社に分けられます。事業持い株会社は他社の支配以外に事業を行っている会社を指し、純粋持ち株会社は他社の支配のみを行っている会社を指します。

このように説明してもイメージが湧かないかもしれませんので、具体例を一つ挙げてみましょう。

英語の「持ち株会社」が「ホールディングス」

時折CMでも耳にする株式会社セブン&アイ・ホールディングス。持ち株会社は英語で「holding company」なので◯◯ホールディングスという社名が大半になります。セブン&アイ・ホールディングスはコンビニで有名な「株式会社セブン‐イレブン・ジャパン」、総合スーパーの「株式会社イトーヨーカ堂」などを傘下に持つ純粋持ち株会社です。セブン‐イレブン・ジャパンもイトーヨーカ堂もセブン&アイ・ホールディングスの傘下であり、その株式は100%セブン&アイ・ホールディングスが保有しています。

持い株会社がグループ全体を監督する

大きな企業になればなるほど、多くの事業を抱えることになります。先ほどの例に挙げたコンビニエンスストアと総合スーパーも、小売りという意味では同じですが、客層や商品などを見れば、全く異なるビジネスです。

このように様々な事業の会社が同じグループに属する場合、各社が自社のビジネスだけを考えていたのでは、グループ全体としての中長期的な成長につながらない場合があります。このため、多くの事業を抱える会社では、グループ全体の戦略に合わせて各事業を行う会社の経営を監督する必要があります。この役割を担うのが、グループ全体を統括する持ち株会社なのです。

持ち株会社は、傘下の各子会社に対して役員などの人員を送り込んだり、グループ全体の利益に照らして経営指導を行ったりすることで、グループ内の会社を監督しています。

持い株会社が収益を上げる2つのパターン

純粋持ち株会社のように、グループ内の支配のみを行っている会社の場合、どのように売上を上げているのか疑問に思う方もいるかもしれません。

持ち株会社が得る収益は、2パターンあります。

一つは、傘下の子会社から受け取る配当金です。傘下の会社は持ち株会社に100%支配されているため、子会社の配当は持ち株会社に対して行われます。もう一つは、傘下の会社に対して提供したサービスに対する対価です。具体的には、経営指導料やブランド使用料、さらにはグループ内の経理やITなどの管理部門業務を持株会社でまとめて行うことに対する業務対価などがあります(このようにグループ内の管理部門業務をまとめて行う部門はシェアード・サービス・センターと呼ばれます)。

持い株会社自体は、私たちが日常モノやサービスを購入する際に直接取引する相手ではありません。コンビニであればコンビニ事業を行う子会社、スーパーであれば総合スーパー事業を行う子会社というように、傘下の子会社の方が生活に馴染みがあるでしょう。しかし、こうしたさまざまな事業は時として利害が対立したり、企業文化が異なったりします。こうした各子会社を一つのグループとしてまとめあげるために、持ち株会社という組織が必要になるのです。

経営責任が明確になる反面、コントロールは難しい

持ち株会社を作るメリットには、「経営の責任が明確になる」ということがあります。個別の事業を分社化することで、社内で複数の事業を行う場合よりも業績の良し悪しが分かりやすくなり、それに応じた子会社の経営責任も明確になります。各子会社としても、グループ全体での役割がはっきりするため、意思決定がしやすくなる、といった点が挙げられます。

一方、デメリットとしては、「グループ会社間のコントロールが困難
になる
」「再編に時間がかかる」などが挙げられます。持ち株会社のしくみのもとでは子会社が独立して存在するため、事業分野などにおける各子会社間の調整には、持ち株会社の強いリーダーシップが必要となります。


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