下記の記事は2004年時点のものです。持株会社に関する最新情報は「持ち株会社を設立するメリット・デメリットは?」を参照ください。


持ち株会社とは何か?

このごろ耳にする「○○ホールディングス」「△△グループ本社」という会社名。これらは持ち株会社制度といって、97年に解禁された企業経営の新しい仕組みです。

今までの親会社・子会社と何が違うのか?なぜ企業は持ち株会社制度を導入してきているのか? 経営上どんな戦略で、どんなメリットがあるのか? この「持ち株会社」について詳しく見ていきましょう。


■ INDEX
持ち株会社には2つの種類がある(1P目)
急に持ち株会社が増えたワケ(1P目)
銀行グループの制度かと思っていた?!(2P目)
持ち株会社にしたらどんなメリットがあるの?(2P目)

持ち株会社には2つの種類がある

■事業持ち株会社
自ら事業を行ないつつ、企業の株式を持っています。事業と企業の支配を兼業しています。従来の「株式持ち合い」はこのことで、例えば、銀行が系列会社の自動車会社の株を持ち、自動車会社も銀行の株を持ちます。そして、銀行は金融業という銀行の業務を行ない、自動車会社は自動車を生産するという業務を行なうのです。
この形態の株式の保有は、以前からもずっと認められていました。日本経済における通常の株式の保有です。

■純粋持ち株会社
単に「持ち株会社」と言ったときは、この「純粋持ち株会社」を指します。「○○ホールディングス」「△△グループ本社」と呼ぶ時もこのケースです。こう呼ばれる会社は、グループ内のほかの会社の株式を持ってグループ全体の中核となる会社のことです。他の会社を支配することを主業務とします。つまり、自ら製造や販売と言った事業は行ないません。では、この会社の収入はどうなるのか、というと、持っている会社の配当が収入となります。

持ち株会社が増えたワケ

1997年12月に独占禁止法が改正されて、今まで禁止されていた純粋持ち株会社を解禁されました。

■なぜ今まで禁止されていたか?

戦後の財閥の復活を阻止するためでした。第2次世界大戦前の旧財閥は日本経済を支配していたと言っても過言ではなく、戦後は自由競争の面から持ち株会社を禁止しました。

■それをなぜ解禁したのか?
産業構造の変化が加速する中で、純粋持ち株会社の方が経営戦略上望ましい、と言う声が産業界を中心に高まったのです。

純粋持ち株会社は、グループ傘下にそれぞれの事業に特化した企業を持つことになります。大きな企業の一事業部門が独立し、持ち株会社下の一企業にもなります。グループ全体の戦略として事業部門を切り離す、似たような事業の子会社同士を統合する、新規事業へ参入するといったことががしやすくなります。

現に、世界の有力企業が純粋持ち株会社制度を活用して、事業の整理・統合や吸収・合併などを効率的に進めています。先進国で純粋持ち株会社が禁止されていたのは日本と韓国だけだったのです。

そんな中で、日本も効率的な企業経営をしないと国際競争に立ち遅れるという危機感が強まっていました。純粋持ち株会社制度ではリストラをしやすいため、円滑に企業再編を行なう目的で解禁を強く政府に求めたという事情もあったでしょう。

2002年の三菱東京フィナンシャル・グループとUFJホールディングスの合併話も、持ち株会社の形態であるからこそ動き出した、といっても良いでしょう。

次のページでは、金融グループにおいての持ち株会社制度についてご説明します。