特別決議について解説!

特別決議とは? 出席議決権の3分の2以上の賛成が必要

特別決議とは? 出席議決権の3分の2以上の賛成が必要
文章:石原 敬子(All About「よくわかる経済」旧ガイド)

株式会社の買収防衛策が話題になっていますね。買収防衛策を導入したり強化したりするには、定款変更を伴うので特別決議が必要。ではこの特別決議とは、いったいどういうものなのでしょうか?
   

株主総会は3種類の決議方法がある

配当
配当金の増額を求める株主の声も多かった今年の株主総会
そもそも、株主総会とは、株式会社の根幹に係る基本的な事柄を決める機関です。株主総会で決める事柄には、厳しさに応じたハードルの高さがあり、大きく分けて3つです。ハードルの低い順に、普通決議、特別決議、特殊決議、となります。実は、もっと厳しいハードルとして、その上に「株主全員の同意」も用意されています。

株主総会で決議する議案がどれだけ重要かによって、ハードルの高さは決まります。ハードルが高いということは、その議決には多くの株主の賛成が必要となり、より厳しさが増すということです。

 

通常の株主総会は「普通決議」で!

会社法で別段の定めがない限り、株主総会は普通決議の方法で行います。普通決議は、議決権の過半数を持つ株主の出席を定足数とした上で、出席株主の議決権の過半数が賛成すれば成立です。ただし、定款によって、この定足数について別に定めることもできます。一般的には、多くの会社が定足数を排除して、総会が成立するようにしています。

需要な決定事項は「特別決議」で!

電話
ハードルが高い重要な議案は、賛成票の争奪戦が繰り広げられる
特に重要な決議事項については、普通決議よりも賛成が多くなければ決定しません。その採決が特別決議で、議決権の過半数を持つ株主の出席により、出席議決権の3分の2以上の賛成が必要となります。ただし、定款で出席株主数を議決権の3分の1の株主数まで下げても構いません。

では、多くの賛成を得ないと決定できないような、重要な事項とはどのような内容なのでしょうか。会社法309条2項にそって列挙します。

・特定の株主からの自己株式の取得
・全部取得条項付種類株式の取得、相続人等に対する自己株式の売渡請求
・株式併合
・取締役会がない会社の新株発行、公開会社でない会社における新株発行の募集事項の委任
・新株予約権に関する同様の事項
・監査役の解任
・取締役・監査役・会計参与・会計監査人・執行役の責任の軽減
・資本金の減少
・金銭以外の財産による配当
・定款変更・事業譲渡・解散・清算
・組織変更・合併・会社分割・株式交換・株式移転

株主の権利を保護することが危うくなるような決議は、特別決議が必要だということです。

今年の株主総会では、買収防衛策の導入案が多くの会社で持ち上がりました。上記の通り、買収防衛策を導入するには定款変更が必要なのです。そのため、3分の2の賛成を得ようと委任状争奪戦に発展した会社が相次いだということです。

そして特別決議よりもさらにハードルが高いのは、特殊決議です。

定款変更によって非公開会社になるとか、消滅株式会社等による吸収合併、新設合併などの承認などは、特殊決議です。この場合は、定足数に関係なく、議決権を行使できる株主の過半数と議決権を行使できる株主の議決権の3分の2以上の賛成によって決議されます。

この近年、日本の株式会社は買収されまいと買収防衛策の導入に躍起になっています。買収防衛策の導入の是非はともかく、定款変更を伴うほど、その株式会社の根幹に係る事項だけに、個人株主であっても、たとえ1つの議決権だとしても軽視はできませんね。

【関連記事】
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。