自動ブレーキ性能は購入時の大きなファクターになってきた
今や自動ブレーキはクルマ購入時の大きなファクターになってきた。実際、新車を買うなら安全性が高い方が良い。加えて現時点で各社の自動ブレーキの性能を比べると全く違う。50km/hから停止出来るクルマもあれば、25km/hですら止まれないほど極めて狭い速度域でしか稼働しないタイプもある。
全般的に優れた性能を持っているのはスバル。最新のアイサイト3なら停止している車両に対しノーブレーキで接近しても衝突に至らず停止。歩行者だって認識し、ブレーキを掛けるから嬉しい。一世代前のアイサイト2であっても、未だ世界TOPクラスの自動ブレーキ性能と言って良い。
ということで圧倒的優位にあったスバルながら、突如伏兵が出現した。マツダは昨年夏にマイナーチェンジしたアクセラから全く新しい自動ブレーキを導入してきたのである。この分野では世界的に高い評価を得ている『モバイルアイ社』(イスラエル)の新型カメラを採用してきたのだ。
モバイルアイ社の新型カメラの分解能力たるや驚くほど高く、日産は限定的な自動運転システム『プロパイロット』(やっちゃえ日産で有名)をたった一つのカメラで実現している。マツダはカメラだけでなく、ミリ波レーダーも組み合わせてきた。素晴らしい「視力」を持った、と思っていい。
結果、停止している車両に対し50km/hで接近して自動停止。それだけでなく駐車車両の陰から歩いて出てくる歩行者という極めて厳しい条件の試験でも45km/hまで停止出来ており、これは圧倒的な性能である。試験動画をリンクしておくので、お時間あるときに御覧頂ければ、と思う。
マツダの新しい自動ブレーキはスバル・アイサイトにも劣らない高性能
先日、モバイルアイ社のカメラ+レーダーを組み合わせた自動ブレーキが付くマツダの最新モデル『CX-5』のデモを取材した。手狭な試験コースだったこともあり30km/hでのブレーキとなったので見学だけにしておいたけれど(今や30km/hなら普通に止まる)、やはり安心である。一般道で試乗してもカメラの感度が高いのだろう。先行車追随クルーズコントロールの速度制御をスムースかつ上手になってくれていた。CX-5の自動ブレーキ&クルーズコントロールは自信を持ってすすめておく。追突事故や歩行者との事故の大半を未然に防いでくれると思う。
スバルとマツダ、どちらの自動ブレーキが高い性能を持っているだろう?物陰から出てくる歩行者に対する性能ではマツダ優勢。けれどマツダのシステムだと夜間に稼働しない。暗いとカメラの分解能力が限界になってしまうからだ。スバルのステレオカメラなら、さらに条件が悪くなっても判別可能。
現時点では引き分けと考えていいだろう。当然ながらライバルメーカーを圧倒していることは間違いなし。スバルとマツダの性能を100点とすれば、トヨタの高機能型(セーフティセンスP)で70点。日産プロパイロット60点。ホンダセンシング40点といったイメージ。
この評価、私が勝手に決めているので無く、国交省の外郭団体『自動車事故対策機構』の試験結果を反映したもの。御覧頂ければ納得出来ると思う。クルマを買うなら安全性についてもジックリ考えるべきだ。
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