マンション購入術

価格上昇局面で予算内のマンションを見つける方法(2ページ目)

関西の新築分譲マンション価格は上昇傾向にあり、2017年もどうやらその傾向は続きそうです。「このままでは購入できるマンションがなくなってしまう」という声を耳にすることがありますが、あきらめる必要はありません。少し購入条件の幅を広げるだけで、購入できるマンションの選択肢は増えてきます。今回は価格上昇局面において、予算内のマンションを探す方法をいくつかお伝えします。

井口 克美

執筆者:井口 克美

関西の住宅事情ガイド

予算内で購入できるマンションの選び方。無理のない資金計画を!

マンションを購入する目的は「豊かで快適な生活をするため」なので、無理をした資金計画で購入するのはおすすめできません。せっかくマンションを買っても、日々の生活にしわ寄せが来るようでは本末転倒です。

一般的に、住宅費の割合が世帯年収(税込)の25%~30%以内に収まっていれば、無理のない資金計画と言われています。(もちろん、年収や家族構成、預貯金の金額などによって状況は変わります)

例えば、世帯年収が600万円の場合、年間150万円~180万円以内に収まっていることがひとつの目安となります(月々12.5万円~15万円)。

まずは、世帯年収の25%~30%以内で購入できるマンションを選ぶことが大事です。

自己資金を援助してもらう

住宅費には、住宅ローンの返済額や管理費、駐車場代などが含まれていますが、一番大きなものはやはり住宅ローンの返済額でしょう。これを抑えるためには自己資金を増やして借入する金額を少なくすることです。

自分で自己資金を増やせない場合、両親や祖父母から住宅資金を援助してもらう方法があります。

親から子供に年間110万円以上渡すと、増加分に対して贈与税がかかりますが、「住宅取得等資金の贈与税の非課税制度」を使えば、700万円(条件が良いマンションは1200万円)まで贈与税がかかりません。

基本控除110万円と合わせると、両親や祖父母から810万円(もしくは1310万円)まで援助してもらっても税金がかからないことになります。

生前贈与としてこの制度を利用する人もいますので、援助してもらえそうな方は、是非お願いしてみてください。

自己資金が増えることで、より安全な返済やワンランク上の価格の住宅も手に入れることができます。

マンションの購入条件の幅を広げる

現在のマンションは魅力的な立地や商品企画が中心になっていることも価格が上昇している要因になっています。よりハイスペックの条件を求めるほど高額になってきますので、予算と相談しながら購入条件を整理する必要があります。

現在の条件で、予算に合うマンションがない場合、購入条件に少し幅を持たせることで選択肢が広がる可能性があります。

■立地(場所)条件を広げる
【最寄駅を変える】
一般的に都心に近い駅ほど価格が高くなる傾向にあるので、同じ沿線でも都心とは逆の方向の駅に目を向けることで予算に合うマンションを見つけやすくなります。また、特急や快速停車駅は他の駅よりも価格が高い傾向にありますので、隣の駅とかにすることでマンション価格を抑えることができます。

【沿線を変える】
沿線によって相場価格が違います。人気の沿線の相場価格は高くなりますので、交通利便性が変わらなければ沿線を変えてみるのもひとつの方法です。例えば都心まで1時間という条件であれば、目的地につながる沿線全てで、1時間圏内のエリアを比較してみましょう。通勤時間がほぼ同じで、予算内のマンションが見つかる可能性がでてきます。

【最寄り駅からの徒歩分数を伸ばす】
一般的に、駅から遠くなるほど価格は下がる傾向にありますので、少し駅から遠い場所も検討してみることで選択肢が広がります。

立地条件を決める場合、自分がよく知っている場所を中心に選択する傾向にありますが、知らない場所でも自分の求めている暮らしができるところもあります。先入観を捨てて、いろいろ条件を変えてみることで、マンションの選択肢は増えていきます。

■住戸の条件を広げる(同一建物内)
【専有面積を小さくする】
面積が少なくなると価格は下がります。収納や暮らし方を工夫することで対応できることもあります。また、廊下が少ないとか、柱が出ていないとか、有効に使える面積が広い住戸を選ぶことも大事です。

【方位を変える】
一般的に南向きや東向きは価格が高くなる傾向にあります。
日中、家にいないことが多い場合等は西向きや北向きなどにすることで価格を抑えることが出来ます。

【下層階を選ぶ】
上層階に行くほど価格は上がる傾向にありますので、階層を下げることで価格を下げてくことができます。

【その他】
日照時間が少ない、バルコニーの前に建物がある、エレベーターが近い、エントランスから遠いなど、同じ間取りでも割安に価格が設定されているものもあります。特に気にならないということであれば、そういう部屋を選ぶという手もあります。

同じ建物内でも、様々な条件によって住戸の価格はバラバラです。しかしながら、新築分譲マンションの広告では、全住戸の価格がわかりませんので、購入できる住戸があるかどうかはモデルルームに行って見ないとわかりません。気になるマンションは必ず行ってみて、いろいろ条件を変えることで購入できる部屋が見つかることもありますので、広告だけで判断しないことが大事です。

完成済みで販売しているマンションを探す

完成したマンションの場合、建物内モデルルームで使用していた家具や家電をプレゼントしてくれたり、少し値引きしてくれるものもあります。すぐに入居もできますので、効率的です。全ての完成済みマンションが実施しているわけではないですが、条件がうまく合えばお得な買い物ができる可能性があります。


このように、価格上昇局面においても、資金援助をしてもらったり、購入条件の幅を広げることで、無理をしないで購入できるマンションが見つかる可能性があります。今回紹介した内容を参考にして、ぜひ探してみてください。

※文中のマーケットデータは全て不動産経済研究所のデータから作成

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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