靴と足のニオイ予防には
レモングラスの精油が役に立つ!
ブーツや保温性が高い靴を履く季節、足のニオイや水虫が気になりませんか? 「ブーツなどの靴に残った白癬菌(はくせんきん)は200日以上生き続けます」と教えてくれるのは「抗菌アロマテラピー」の研究者である帝京大学真菌研究センター教授 安部 茂先生。靴に残った白癬菌や雑菌がもとになり、ニオイが発生したり、水虫になったりするそうです。
「靴から立つニオイは、おもに靴の中で微生物が発生させています。気になるときは、抗菌効果のある精油(エッセンシャルオイル)が役に立ちます。」(安部先生)
植物から抽出された精油(ときにはハーブウォーター)を使って行う抗菌アロマテラピーは、抗菌力を主体に、抗炎症効果、免疫調整力も利用して、自然治癒力を高めながら、感染症を治療または予防する療法です。
「靴の中の除菌におすすめの精油はレモングラスです。レモングラスの精油は細菌だけでなく真菌(カビや白癬菌の仲間)に対しても効果が高いのが特徴です。これは、レモングラスに含まれるシトラールという成分の効果によります。また、精油の成分は揮発(液体が常温で気体となること)する特徴があるため、靴の奥まで浸透し、除菌することができます」(安部先生)
レモングラスの精油とティッシュペーパーで作る
靴用『アロマの除菌ティッシュ』
足が蒸れてにおいや痒みが気になる!
- レモングラスの精油を1~2滴、ティッシュペーパーに落とす(これが『アロマの除菌ティッシュ』になります)。
- 『アロマの除菌ティッシュ』を靴の中の足先のほうに入れる。
- 靴の履き口(足を入れる部分)にアルミホイルをかけて密閉し、そのまま一晩置く。
「これだけで靴の中の雑菌を激減させることができ、悪臭が抑えられます。同時に白癬菌も激減するため、足への水虫感染を予防することができます」と安部先生。レモングラスの精油には皮膚を刺激する作用があるため、靴を履く前に、精油を落としたティッシュペーパー(『アロマの除菌ティッシュ』)は必ず取り除きましょう。
気づかないうちに靴の中に潜む白癬菌を
『アロマの除菌ティッシュ』で減らして水虫を予防!
水虫は白癬菌がつくことによって感染します。「ブーツを履くから水虫になる」と思っている人もいますが、もしもブーツが感染源だとしたら、それは初めからブーツの中に白癬菌がいたり自然に入ってきたりするわけではなく、どこかで足についた白癬菌がブーツの中に残り、繁殖したことで感染源となっている可能性があります。「白癬菌は湿っている場所で繁殖しやすく、たとえば多くの人が利用するサウナや温泉、スポーツクラブのお風呂などにあるマット類には、誰かの足にある白癬菌が移り、ついている可能性があります。実際、このような場所からの感染が強くうたがわれています。ただし、足に白癬菌がついたとしても、その日のうちに足を洗えば、ほとんどの白癬菌を落とすことができます。なかなか落とせないのが、靴の中についた白癬菌です」(安部先生)
白癬菌が足についたあと、素足のまま、または薄い靴下を履いて靴を履くと、足についた白癬菌が靴に残ってしまうことがあるそうです。
「靴の中は湿気があるため、一度ついた白癬菌は長い間生き残っており、その靴を次に履いたときには、足に白癬菌がうつってしまう可能性が高くなります。靴を洗ってしまえば白癬菌や雑菌などは落とすことはできますが、洗えない場合は、レモングラスとティッシュペーパーで作る『アロマの除菌ティッシュ』の使用がおすすめです」と安部先生。
『アロマの除菌ティッシュ』の作り方と使い方は、ニオイ対策の時と同じです。
レモングラスの香りには、気分をリフレッシュさせる働きもあります。『アロマの除菌ティッシュ』を夜のうちに靴に入れておくだけで、朝、靴を履いた瞬間、その清潔さとスッキリとした香りから清々しい気持ちになり、一日のよいスタートを切ることができます。ぜひ、お試しください。
(ただし、このような対策を取っているにもかかわらず、足の強いニオイが消えないときは、皮膚の病気の可能性がありますので、早めに皮膚科を受診してください)。
*記事監修/安部 茂
安部 茂先生