価格上昇が続いた2016年のマンションマーケット
都心から周辺エリアに価格上昇が波及

2016年のマンション市場は、価格の高止まりが続いた1年でした。不動産経済研究所発表の「戸当たり価格の平均値と中央値の推移」によれば、2016年(1月―9月)の首都圏の戸当たり価格の平均値は、5,663万円で2015年の5,518万円よりも上昇。2014年の平均値が5,060万円なので約1割強の上昇となっています。

一方、中古マンション価格は、2016年11月の成約平米単価が前年同月比8%上昇の49.68万円(出典:東日本不動産流通機構 月例速報2016年11月度)。新築マンションの分譲価格が高止まりする中で、中古マンションの成約単価が大きく上昇しています。「戸当たり価格の平均値と中央値の推移」によれば、2015年の首都圏の中央値が4,798万円であったのに対し2016年(1-9月)の中央値は5,080万円に。平均値と中央値の差が小さくなったということは、より価格上昇エリアが広がったともいえるでしょう。

首都圏マンションの戸当たり価格の平均値と中央値の推移

首都圏マンションの戸当たり価格の平均値と中央値の推移(出典:不動産経済研究所 不動産経済マンションデータ・ニュース)


新築分譲マンション価格が高止まりする中で、売れ行きはやや落ち着いてきています。不動産経済研究所発表の首都圏新築分譲マンションの契約率は、好不調の目安とされる70%を割込む月が2016年は目立ち2016年11月の契約率は、61.6%と低調でした。予想外の結果に終わった大統領選の直前まで円高が進んでいたことも影響したかもしれません。

マンション購入層にとって、今年の最も大きなニュースと言えば日銀のマイナス金利の導入でしょう。住宅ローン金利も大きく低下。8月には、長期固定金利の代表的な住宅ローンの一つフラット35の最低金利が0.9%(返済期間が21年~35年 、融資率が9割い以下の場合)を記録しました。
マイナス金利は、マンション購入の好機!リスクは何?

購入環境面で、低金利の恩恵を受けられる一方で価格は強含みになっています。2016年3月に発表になった2016年公示地価は、、三大都市圏の商業地が平均で2.9%上昇するなど全国的に中心市街地の地価が上昇。新築分譲マンションの価格上昇要因になっています。
◆2016年地価が示す、今後のマンション価格の行方

低金利と価格上昇という買い手にとってプラス面とマイナス面がある購入環境は、マンションの売れ筋にも影響しています。

マンションは、量から質の時代へ。自分にとっての価値と価格の見極めが重要

2016年を迎えるにあたり『2016年を「マンションの買い時」にするための5箇条』という記事をアップしましたが、その中で紹介した物件は、値ごろ感もあって堅調な売れ行きを示しています。また、用地取得難や工事費の上昇、人口減少といった様々な要因で新築分譲マンションの供給戸数が減る中、かつての大量供給時代に多くのマンションで「値頃感」が重視された状況と異なり「量から質が求められる」時代になったと感じます。
◆2016年の売れ筋は、希少立地と+αの商品企画

2016年の売れ筋を見ても、値頃感だけが売れ行きに影響しているわけではありません。希少立地でかつ商品企画の秀逸なマンションは、価格が一段と上昇した中でも堅調な売れ行きを示しています。先日、竣工した2015年の人気物件「ザ・パークハウス グラン 南青山」の共用部を見学させていただきましたが、南青山五丁目という希少なロケーションにふさわしい格調高い造りでした。

「ザ・パークハウス グラン 南青山」

2015年の人気物件「ザ・パークハウス グラン 南青山」のエントランスホール

「ザ・パークハウス グラン 南青山」

「ザ・パークハウス グラン 南青山」の共用部


郊外エリアでも、駅前再開発物件の人気は、相変わらずです。相鉄線「二俣川」駅直結の免震構造採用の全421邸のタワーレジデンス「グレーシアタワー二俣川」(相鉄不動産 三井不動産レジデンシャル 野村不動産)は、約1.9haの駅前複合再開発という魅力で、第1期380戸を供給するなど郊外エリアのマンションとしては、異例の速さで売れています。

一方で、中央区や世田谷区などの人気エリアでも坪単価が400万円前後の高単価のマンションは、売れ行きに陰りも見えます。価格上昇に伴い、それに見合った価値があるかどうかの買い手の選別がより厳しくなったような印象を受けます。「自分にとって、価格に見合った価値があるのかどうか」の見極めが価格上昇局面の中でさらに大切になってくると思います。

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