価格上昇はどこまで続く? 買い時感はダウン
成約件数減少も中古マンション価格は、さらに上昇 

2014年の新築マンション市場は、下半期のラインナップから都心近郊エリアや城南・城西エリアを中心に価格上昇傾向が顕著になってきました。高度利用地等の地区について、四半期毎に地価動向を調査公表する地価ルックレポートで上昇が下落を上まわったのが平成24年の7-9月期。中心市街地の土地価格の反転から2年経過ということは、上昇に転じた土地で計画されたマンションが供給の主流になってきつつあるということ。ましてや工事費は、復興需要や東京五輪に加え円安による資源高で上昇基調。直近の地価ルックレポート平成26年7-9月期では、全国150調査地点のうち下落地点がゼロになり上昇地点が8割を超える状況であり、少なからず当面はマンション価格の上昇は原価面では、避けられないのが実情です。

※地価ルックレポート・・・主要都市の地価動向を先行的に表しやすい高度利用地等の地区について、四半期毎に地価動向を把握することにより先行的な地価動向を明らかにするもの。
開業100周年を迎える東京駅

開業100周年を迎える東京駅。周辺地域はこの10年で大きく変貌

こうした、新築マンションを取り巻く環境は、販売状況に影響しています。ひとつは、購入者における広域層の比率の増加。首都圏全体で供給戸数が減っていることも一因ですが、居住エリアでの購入をあきらめた層や逆に資産価値を求めて都心を目指す層が回遊することで、地元購入者の比率が下がっているように感じます。もう一つは、来場歩留まりの低下。価格上昇にともない、購入を躊躇する人が増えるのは必然です。結果的に、徐々にですが販売ペースが鈍化するマンションが増えてきます。こうした傾向は、各社の販売スタンスにも変化をもたらし、販売長期化を想定した上で価格設定をするマンションが全般的に目立つようになってきています。
八重洲地区

今後再開発が予定されている八重洲地区

中古マンション価格も同様で、東日本不動産流通機構発表の2014年11月度の月例マーケットウォッチによれば、成約件数が8ケ月連続前年比で減少するものの価格は、前年同月比5.6%上昇。上昇トレンドは続き、在庫も低水準が続いています。成約平米単価の上昇率を見ると、東京都区部が+4.2%と落ち着きつつあるのに対し、埼玉県が+6.5%、千葉県が+9.5%と大きく上昇。価格の上昇が郊外に波及している様子が見られます。マンション建築費の上昇は、郊外エリアのマンションの価格への影響が大きいため中古マンション価格にも影響が出始めています。新築マンション価格の上昇トレンドがこのまま続くと中古マンション価格もさらに上昇する可能性もあります。

2015年のマンション供給戸数は、意外と多いかも
注目物件が目白押し! 価格動向は都心上昇、郊外は上げ幅は小さい

では、供給動向はどうでしょうか。2015年は、ガイドの知っているだけでも都心エリアを中心に注目物件のラインナップが揃っています。既に事前案内がスタートしている「ザ・パークハウス 西新宿タワー60」(三菱地所レジデンス 相鉄不動産 丸紅)、目黒駅前の大規模再開発「(仮称)目黒駅前タワープロジェクト」(東京建物)といった注目プロジェクトや他にも、南青山、赤坂、白金台といった稀少立地での供給計画も伝え聞ききます。また、(仮称)東陽町 環境創造型大規模プロジェクト(住友不動産)など都心近郊での大規模プロジェクトもスタート。武蔵小杉の総計画戸数約1200戸の免震構造ツインタワー(仮称)小杉町二丁目地区開発計画A地区(三井不動産レジデンシャル JX日鉱日石不動産)など、マンションラインアップが揃っている年と言えるでしょう。価格は当然相応の設定にはなると予想されますが、魅力的なマンションと出会える確率の高い年になりそうです。
(仮称)東陽町 環境創造型大規模プロジェクトの現地

(仮称)東陽町 環境創造型大規模プロジェクトの現地

一方、郊外エリアは2014年の大規模の継続期マンションもあり都心・城南エリアよりは上昇スピードは緩やかではないかと思います。首都圏の郊外エリアを見渡すと新築戸建ての在庫件数も多く、需給関係を考えると価格も上昇しにくいでしょう。コスト面というよりも需要および供給動向が価格に表れるのではないでしょうか。

次ページでは、買い時感の他の面も考えてみましょう。