クレジットカードの不正利用が増えている
カード決済で不正利用があるとネットショップが損失をかぶらないといけないことをご存じですか。便利なカードですがカードの普及とともに不正利用が増えています。2015年のクレジットカード不正使用被害額は120億円で、約60%が番号盗用被害、約20%が偽造カード被害です。
クレジットカード会社ではカードの使われ方を監視しており、ふだんと異なるような買物があるとアラームが出るようになっています。例えば換金しやすい家電などを大量に買っている場合、カードの持主に「このような買い物をしていますが、間違いないですか」と確認をとり、カードの不正利用が疑われる場合は、すぐにカードを止めます。
こうやってカード情報が盗まれる
ではカード情報はどうやって盗まれるのでしょうか。日帰り温泉やサウナなどへ行った場合、暗証番号方式のロッカーに入れる時に暗証番号を盗み見し、持ち主が離れた隙に開けてカード情報を盗み、元へ戻します。ネットでは”カードが無効になっています”などのメールを送り、偽のサイトに誘導してカード情報などを入力させます。
海外ではスキミングもあります。危ない店でカードで買物すると、”カード情報を確かめます”と、裏にまわってゴソゴソしてから”大丈夫。決済できました”とカードを返却します。店の従業員が勝手にカード情報を盗んで情報を売っているケースもあります。
国内でもスキミングの被害があるため、お店でクレジットカードを使う場合はICチップ対応のカード読取機を設置するよう義務化する割賦販売法改正の動きがあります。
カード情報が暗号化されてICチップに入っていますので偽造しにくくなります。現在、7割ほどのクレジットカードがICチップを搭載していますが、対応しているお店は2割もありません。
カードの不正利用があるとどうなる
自分のカードが不正利用されても第三者による不正利用が認められればカード会社が全額補償してくれることになっています。ところがネットショップになると話が変ってきます。本人になりすましてネットショップで不正利用されたカードで買物されると、不正利用であってもカード会社からの補償はなく、ネットショップの負担になります。つまりネットショップが損をこうむります。
”そんなご無体な”と言ってもカード会社との契約書にチャージバックと書かれていると、契約に同意したことになります。チャージバックとはカードの不正利用などがあると、クレジットカード会社が加盟店に対する支払いを拒絶することです。
3Dセキュアを入れる決済だとカード会社持ちに
ネットショップの買物でクレジット番号と有効期限のみを入力する決済ではなく、3Dセキュアを入力する場合は不正利用があるとネットショップではなくカード会社持ちになります。3Dセキュアとは、本人認証に使うためカード発行会社に登録したパスワードです。スキミング等でカード番号や有効期限を盗まれても、パスワードは分かりませんので不正利用を防げます。ただネットショップ側にとっては決済費用が増えます。3Dセキュアはカード決済のオプションで提供されており別料金となりますので、高額商品を扱っていて不正利用されると影響が大きい場合など検討が必要です。
ネットショップ向けにチャージバック保証サービスをしている会社もあります。毎月、決められた額を支払うと限度額の範囲内で、不正利用された額を保証してくれます。
しっかり自分のカードは管理し、ネットショップやお店に迷惑をかけないようにしましょう。
※2018年6月1日より割賦販売法の一部が改正され施行されています。加盟店(ネットショップなど)に対する義務の強化が行われています。
・クレジットカード情報の適切な管理-クレジットカード情報を基本的に保持しない
・クレジットカードの不正使用による被害の防止-基本的にセキュリティコードやパスワードの入力を求める
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