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フィンテックとは?税理士受験者の動向に異変アリ!

税理士試験申込者が毎年3,000人減っています。少子化の影響で若い受験生が減っていることもありますが、合格しても収入が見込めないコスパ問題もあります。今、話題のフィンテックで、税理士業務はどう変わっていくのでしょうか。

水谷 哲也

執筆者:水谷 哲也

企業のIT活用ガイド

税理士試験申込者が毎年3,000人減っている

税理士試験申込者が毎年3,000人減っている

税理士試験申込者が毎年3,000人減っている

税理士試験の受験申込者数が減少しています。平成29年度(第67回)税理士試験の受験申込者数は41,242人で、前回に比べ約2,800人減少しました。その前の年は3,100人減少で、毎年3,000人ほど受験申込者が減っています。

原因として少子化の影響を受けていることは間違いありません。受験者の半分以上は30歳以下ですので母数である人口減の影響が出ています。

そして、もう一つの理由が「独立しても収入面で食べられない職業だと考えられている」ことでしょう。考えられる影響の1つにフィンテックがあります。

フィンテックとは

フィンテックとはファイナンス(Finance)とテクノロジー(Technology)の2つをあわせた造語です。フインテックの事例としてモバイル決済があります。2016年10月からiPhoneにおサイフケータイ機能(フェリカ)が導入されたことにより、ますますモバイル決済が広がっています。

コンビニなど店舗でのモバイル決済が拡がれば、清算時にレジでピッとやればよいのでお客さんと現物のお金のやり取りがなくなります。結果的に時間短縮できます。店側のメリットも大きく、小銭の用意や夜間金庫に売上を入れにいく手間が減ります。なにより店にお金という現物が少なくなりますので防犯対策となります。

中小企業の多くは仕訳が分からない

中小企業の多くでは仕訳が分からない

中小企業の多くでは仕訳が分からない

創業者や小規模企業の多くは勘定科目についてよく分かっていません。仕訳や決算の仕方が分かりませんので会計をアウトソーシングするために税理士に依頼します。

税理士は月に1回、会社に立ち寄って伝票や日計表を集め、事務所に帰って入力し、試算表にまとめて会社に提出します。決算の時には1年分をまとめて決算書を作ります。

そんななか登場したのがクラウド会計です。手形取引がなければ、ほとんどの仕訳は現金と銀行口座の入出金となります。そこで会社の銀行口座とクラウド会計を連携させ取引情報を取り込めばクラウド会計が自動的に仕訳してくれます。経費の支払いを現金でなくカードを使うようにすればカードの取引情報を取りこんで同じように経費の仕訳をクラウド会計が自動で行ってくれます。

最初だけ”○○電力会社”からの引き落としは”水道光熱費”という登録が必要ですが、いったん登録すれば、あとは”○○電力会社”からの引き落としは全て水道光熱費に仕訳してくれます。つまりクラウド会計を使えばで何もしなくても面倒な会計処理ができ、1ケ月たてば試算表が出来上がります。クラウド会計の利用には月額料金が必要ですが、年間3万円ほどで決算書作成まで行ってくれます。小規模事業者であればクラウド会計で十分でしょう。

記帳指導だけの税理士は置き換えられる

さて、こうなると危なくなるのが記帳指導だけ行っている税理士の存在です。会社をまわって伝票などを会社から預かり、入力して試算表を作るだけしかしていない税理士もたくさんいます。これではクラウド会計に簡単に置き換えられてしまいます。

オックスフォード大学が10年先になくなる仕事を発表して話題になっていましたが、“税務申告書代行者”、“簿記・会計・監査の事務員”がリストにあがっていました。記帳指導だけでなく経営者の悩みにこたえられる税理士でないと将来的に生き残っていくのは難しいでしょう。

人工知能が発展していくなか、フィンテックが様々な影響を与えていきそうです。「昔、会社の会計を人がしていたなあ」という時代があっという間に到来しそうです。

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