ビルトインだから、扉や換気にも注意

ビルトインガレージのプランニングで忘れてはならないのは、耐火です。ヘーベルハウスで用いられるヘーベル版は外壁材として使用されますが、耐火性に優れているため、ガレージの内壁としてもそのままで十分機能します。

また、扉を設ける場合は換気にも要注意です。車を暖気運転させるなど、扉を閉めたガレージ内で頻繁にエンジンをかける場合は、一酸化炭素中毒にならないためにも、換気用の開口部や換気扇をつけるなど、換気に配慮が必要です。車の排気管に直接ダクトを取り付けて廃棄する装置もあるので、駐車する車両によっては検討してもよいと思います。

ビルトインガレージに設ける扉には、シャッターやオーバースライドドアを設けることが多いようです。シャッターは、窓のシャッターと同様にシャッターボックスを出入口の上部に取り付けます。巻き取られたシャッターはボックスの中にすべて収納されます。近ごろでは、機能だけでなく、色やデザイン、サイズも豊富です。
ビルトインガレージ

ガレージの扉は木調のシャッターを取り付けました。玄関へ通じる表動線とは別に、ガレージ内から家の中に入れる裏動線を確保したプランです


オーバースライドドアは、上下に開閉するのはシャッターと同じですが、シャッターのようにボックスはなく、扉は天井まで上がると、ガレージの天井に沿うようスライドします。金属製のほか木製の製品もあり、表面のデザインの種類も多く、外観とのバランスや質感などにこだわる方に、好まれています。

現在は、シャッターとオーバースライドドアのどちらも電動式センサータイプが主流です。以前多かった電動式のリモコンタイプは、操作するときに目線が下がり危険だということから、最近はセンサータイプが一般的に。車内のシガーソケットに発信機を取り付けておくと、車が近づいたら操作しなくてもセンサーが働き、自動で扉やシャッターが上がります。電動式のほとんどには安全装置が付いているため、愛車を傷つける心配もありません。

また、近ごろの傾向として、シャッターとオーバースライドドアのどちらも、開閉音を抑えた静音設計の製品が増えてきました。深夜や早朝に操作することが多く、家族やご近所への音が気になる方に向いている製品だといえるでしょう。

「ビルトインガレージ」で、さらに広がる居住空間

ビルトインガレージにある工夫をすることで、空間を効率的に使える可能性がさらに広がります。たとえば、ガレージ上部の余った空間を2階に取り込むことで、居住空間を広げることが可能となります。
ビルトインガレージ

ビルトインガレージの部分の階高を1.9メートルほどに抑え、その分、上階の空間に広がりをもたせようという考え方です

床からその上の階の床までの高さを「階高」といいます。ヘーベルハウスでは、1階やビルトインガレージ部分の階高を下げる提案をしています。車の高さは1.5~1.8メートルなので、車上部のスペースは余ります。1階の階高を低く抑えることで建物全体の高さが少し下がるため、斜線制限を緩和することができたり、居住空間を拡大できる可能性があります。
ビルトインガレージ

 

ビルトインガレージ

一般的な天井の高さは2メートル40センチですが、1階の天井高を2メートル10センチにし、部分的に床をさげました。天井や床の高さに変化をつけると、空間に変化が生まれます

また、1階の階高を下げるだけではなく、部分的に床を下げる「ダウンフロア」などのように、異なる高さの床面をつくるといった手法も可能です。これらの手法を使って、天井や床の高さに変化をつけたり、吹抜けやトップライトなどの天空光を組み合わせて上手に活用することで、コンパクトな住宅に光と風を導くことも考えられます。詳しくは、『快適な3階建て住宅は「間取り」「ゾーニング」から』をご覧ください。

車の種類や台数に考慮した間取りを

ビルトインガレージを計画するときには、車を停めるスペースと、乗り降りや荷物の積み下ろしができるスペースのほか、ドアの開閉が問題なくできるだけのゆとりをみておかなければなりません。所有する車の種類や台数のほか、車の使い方によってもプランの詳細は違ってきます。また、車だけでなく、バイクや自転車もガレージ内に収納したいという方もいらっしゃるでしょう。

ワゴン車やワンボックス車など、車高のある車の場合や、ルーフボックスを載せて出かけることが多い場合は、ガレージの天井に余裕が必要です。車を複数台所有していれば、所有台数の分だけ駐車スペースが必要であり、すべての車を頻繁に使うのであれば、縦列ではなく並列駐車できるようにしたほうが使いやすくなります。

ヘーベルハウスの3階建て住宅では、重量鉄骨システムラーメン構造を採用しているので、柱と柱の間のスパンが最大6.4メートルまで可能です。間に筋交いを設ける必要がないので、並列駐車が可能なガレージをつくることができます。

また、通勤などで日中ガレージに車が止まっていないのであれば、車がないときの見映えにも考慮して、ガレージの床や壁の仕上げをアプローチと統一するなど、細かな気配りをし、意匠を凝らしたいところです。
ビルトインガレージ

外観に合わせ、外構やガレージもモノトーンで統一。この事例では、ガレージは車2台を並列駐車できる広さで、床はアプローチとそろえました

さらに、電気自動車がもっと普及して、一般的になれば、ビルトインガレージ内に充電できる設備をつくるケースも増えるでしょう。

このように、ビルトインガレージのプランニングには、駐車する車の要素に加え、敷地条件や玄関の位置、動線など、さまざまな条件を考慮する必要があります。ガレージのつくり方が外観デザインに及ぼす影響も無視できません。

理想的なビルトインガレージを作るには、住宅のプランニングと同じタイミングで

これらを考えると、理想的なビルトインガレージをつくるには、間取りなど、住宅のプランニングをするのと同時に考え、進めていくことが大切です。また、複雑な要素を上手に組み合わせるには、これまでの経験がカギになることもあるでしょう。ビルトインガレージだけでなく、3階建て住宅について豊富な実績を持ち、さまざまな提案のできる会社で検討されることをおすすめします。

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