そこで本記事では、人気の高い2階リビング、かつての定番だった1階リビング、それぞれのメリット・デメリットを再検証。どちらが自分たちに適しているかを考える材料になれば幸いです。
【2階リビング】
開放感、眺めの良さで心地良い空間に
●まずはメリットを見ていきましょう家の隣接によって太陽の光が遮られる……という、都市の住宅密集地で起こりがちな問題も、2階リビングならクリアできます。大きな窓からたっぷり日差しが入るので冬も暖かく、光熱費の節約にも期待できるでしょう。また、風通しも良く、居心地の良い空間になりやすいことも特徴です。その結果、心地よいリビングになり、子どもとリビングで過ごす時間が増えたというケースは少なくありません。
さらに、吹き抜けやシースルー階段にすれば開放感と明るさがさらにアップする上、上下階でお互いに気配を感じやすいのも魅力です。
加えて、プライバシーが守りやすいこともメリット。1階リビングは外からの視線が気になり、南面に大きな窓があっても、カーテンは閉めっぱなしという家もあります。しかし、2階リビングなら外を通る人と視線の高さがずれるために、人の目を気にせず食事やくつろぎの時間を過ごすことができます。
●知っておくべきデメリットとその解消法は
1階の玄関に来訪者があった時、降りて対応するのが億劫になるという方もいます。しかし、インターホン、電気錠があればその問題は解消。2階にいてもモニターで訪問者を確認でき、2階リビングにいても遠隔操作で玄関の電気錠を開け閉めすることもできます。
2階リビングには「高齢になった時、階段の上り下りがしんどくなるかも……」といった不安がつきもの。そこでおすすめしたいのがホームエレベーターの設置準備です。 新築工事の段階で電気配線、設置場所の準備をしておき、当面はそのスペースを納戸として使い、将来、ホームエレベーターの場所に転用。ゴミ出し、買い物などがスムーズになる上、階段を上り下りする際の転倒リスクを減らすことができます。
頑強な構造を活かし、生活空間を上階へリフトアップする「ピロティガレージ」。
室内とデッキの高さを揃えれば、屋内外が一体化したアウトドアリビングになるでしょう。
【1階リビング】
2階リビングのデメリットの裏を返せば、1階リビングのメリットに!
●こんなメリットが1階リビング支持の理由に
かつて一戸建てのリビングといえば1階が定番であり、今も根強く支持されています。その理由は次のようなメリットにありそうです。
まずは開放感や明るさ、風通し。例えば、1~2階を吹き抜けにするプランニングを採用すれば、開放感は格段にアップします。合わせてトップライトや窓の大きさ、位置に配慮すれば、室内はより明るく、風通しも良くなるでしょう。 また、1階リビングにいる時の来客対応はもちろん、ゴミ出しなどもスムーズに行えます。2階リビングは、若い時は問題なくても年をとった時、階段の上り下りが大変になるのでは……という人も、1階リビングならその心配は不要でしょう。
さらに室温です。暖かい空気は冷たい空気より軽く、上に溜まる性質があることから、一般的に1階リビングは2階に比べると室温が上昇しにくいといわれています。冷房の設定温度を必要以上に低くせずに済み、光熱費が節約できそうです。
プランターではなく、地面に直接菜園をつくってガーデニングを楽しみたい、という人にも1階リビングはおすすめ。リビングから直接アクセスできますし、窓を開ければ庭をアウトドアリビングのように使うこともできます。
●デメリットにも目を向けてみると……
周囲の住宅との距離や密度などにもよりますが、2階リビングに比べると日当たりや風通し、眺めが良くないケースもあります。
また、1階にビルトインガレージがある場合は、1階にリビングをつくるのはスペース的な制約がありそうです。 さらに2階リビングに比べれば公道が近く、人目が気になります。そのため、カーテンを開けられる時間が短い、との声もあります。
2階リビングは人気だがライフスタイル次第で1階も一考の価値アリ
リビングを1階に置くか、2階に置くか。フロアがひとつ異なるだけで、予想される暮らし方がかなり異なることがお分かりいただけたでしょうか。「うちは子どもが小さいから2階リビング」、「十分に日当たりが確保できるから1階」など、住む方のライフスタイル、考え方、将来設計、家族構成や年齢などで価値観は異なります。
仮に自分たちが住んだ時、メリット・デメリットはどんな内容が想定され、そのうちどれが譲れないか(譲れるか)をきちんと整理してみましょう。その結果を踏まえて選ぶリビングなら、理想的な暮らしが近づくのではないでしょうか。
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