記憶術/記憶術の例

休み明け、溜まってる仕事……サクサク片付ける記憶術!

せっかく休みでリフレッシュしても、休みが明けて出社してみると、1日で読み切れないほどのメール、対応しなければいけないたくさんの案件。今回は、溜まってる仕事をサクサクと片付けるための「記憶術」をご紹介します。仕事の処理にも実は「記憶」が大きく絡んでいるのです。

宇都出 雅巳

執筆者:宇都出 雅巳

コーチング・マネジメントガイド

<目次>

休み明けに溜まってる仕事、どこから手をつければいいのか……

休み明けに溜まってる仕事を片付ける

仕事の山に圧倒されないためには……

夏休み、シルバーウィーク、年末年始……、長期休暇をとってリフレッシュ!

しかし、出社したら、待っていたのは仕事の山。リフレッシュどころか逆に疲れた……、なんてことはありませんか?

「あれもこれもやらなくてはいけない」「うわぁ、どうしよう」と仕事量に圧倒されて、どこから手をつけていいかわからない。

焦れば焦るほど仕事が手につかず、さらに焦るという悪循環に陥ってしまう。

仕事のミスも出て、その後始末でまた時間がかかって、仕事が片付かない。気がついたら残業、残業で休み前の状態に……。

こんな、休み明けで仕事が溜まったときにも疲れないための「記憶術」をお伝えしましょう。

「え? 記憶術で仕事がはかどるの? 疲れなくなるの?」

びっくりした人がいるかもしれません。

実はあなたが仕事をサクサクと片付けるためには、ある「記憶」をうまく活用することが重要なのです。

ある「記憶」とは、作業記憶、ワーキングメモリです。
(参考記事⇒ 「これで仕事もハカどる!注目の"作業記憶"って何?」

「脳のメモ帳」と呼ばれたりしますが、何かの目的のために情報を一時的に蓄えておく領域です。パソコンの「RAM」「メモリ」にあたるもの、と考えてください。
 

ワーキングメモリを重くしていませんか?

たとえば、今この瞬間もあなたのワーキングメモリが働いています。働いているからこそ、この文章が読めるのです。

文章を読んで理解するためには、直前の文章の内容を記憶しておくことが必要です。もし、読んだそばから忘れていたら理解できないでしょう。

このように瞬間的に記憶してくれるのがワーキングメモリなのです。

文章を読むときはもちろん、われわれが何かを考えたり、意思決定するなど、情報を処理するためにワーキングメモリは必要不可欠な「記憶」です。

このワーキングメモリはすぐに記憶してくれる便利な記憶ですが、弱点があります。それは、その容量が小さいことです。このため、すぐに一杯になってしまいます。

この記憶を常にできるだけ空けて軽い状態にしておくことで、情報処理はスムーズに行うことができます。つまり、仕事がサクサクと片付くのです。

逆にこのワーキングメモリが重い状態になると、仕事が進みません。

仕事が溜まっているときも、うまくこの記憶をマネジメントしないとワーキングメモリが重くなり、仕事が遅くなってなかなか仕事が片付かなくなってしまいます。

このワーキングメモリを軽くすることが、仕事が溜まった時に疲れないための重要なカギなのです。

では、どうすればワーキングメモリが軽くなるのか? 簡単にできる2つの方法をご紹介しましょう。
 

ワーキングメモリを軽くする方法その1:紙に書き出す

紙に書き出し、ワーキングメモリを軽くする

紙に書き出し、ワーキングメモリを軽くする

仕事が溜まって「うわあ、どうしよう?」と、あなたがテンパッているとき、あなたのワーキングメモリは気になる仕事のことで一杯になっています。

そして、あれもこれもと気になって、その心配がさらにメモリを食うので、いわば「フリーズ(一時停止)」状態ともいえます。

この状態から脱するのはとても簡単です。

それは気になっていることを「とにかく紙に書き出す」こと。

あとの整理のことを考えると、付箋にひとつひとつ書き出すのがお勧めですが、そんな余裕がないことも多いので、まずは裏紙でもなんでもいいので、気になることを書き出しましょう。

そうすると、ワーキングメモリが少しずつ解放されてスペースが空いてきます。すると、考えることができるようになって、仕事が進み出すのです。

もし、聞き上手の同僚や上司、部下がいれば、その人に話を聞いてもらって、とにかく気になることを吐き出してしまうことも効果的です。
 

ワーキングメモリを軽くする方法その2:とりあえず他の人に振る

紙に書き出したり、人に話をしたりして、少しワーキングメモリが軽くなって、考える余裕がでてきたら、さらに軽くするための対策を打っていきましょう。

その対策とは、他の人に仕事を振ることです。

自分がやらなければいけない部分があるとしても、その仕事を管理する責任をだれかに振ってしまうのです。

やらなければならないことを紙に書き出すことで、ワーキングメモリへの負荷は減りますが、その仕事を自分で抱えているうちは、負荷は残り続けます。意識を割くことが必要だからです。

この「意識を割く」ことがワーキングメモリをかなり食います。いわば、パソコンで常駐ソフトが立ち上がっているようなものだからです。

できるマネジャーほど、人に任せること、権限委譲がうまいといいます。

これは人に任せることで相手の力を引き出せるからであるとともに、自分自身のワーキングメモリを軽くして、思考や意思決定の質を高めていることも要因の一つなのです。

自分のワーキングメモリの状態はどうか? 軽いか? 重いか?

このように自分のワーキングメモリをマネジメントしていくことが、あなた自身のマネジメント、ひいてはあなたのチーム、組織のマネジメントにもつながるのです。

休み明けで仕事の山に圧倒されそうになったら、ワーキングメモリの状態をチェックして軽くしつつ、仕事を片付けていきましょう!

参考文献:『仕事のミスが絶対なくなる頭の使い方』(宇都出雅巳著 クロスメディア・パブリッシング)

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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