テンションが高い人……わざと明るくふるまう躁(そう)的防衛かも

テンションが高い人に潜む心の危機

いつも明るく元気な自分でいたくて、ハイテンションで遊んでしまう……。それは「躁的防衛」かもしれません

ストレスが多いからこそ「120%元気な自分」でいようと頑張る。つらくても無理やり笑顔をつくり、明るくなろうとする。こうした「ハイテンション」な人は「陽キャ」や「ポジティブ」と評価され、好ましく思われがちです。しかし、実はそこには大きなリスクが潜んでいるかもしれません。

臨床心理学に「躁的防衛」という言葉があります。明るい自分や元気な自分を演じることで、沈んだ気持ちに蓋をしようとする無意識的な防衛行動です。緊張の多い生活やストレスフルな状況に、なんとか適応しようと頑張る際によく見られます。

ストレスが増えるたびに仲間と騒いで暴飲暴食に走る。忙しければ忙しいほど興奮し、仕事を抱え込む――。こうした場合、躁的防衛によってハイテンションな状態を無理につくりだし、ストレスに対抗している可能性があります。
 

躁的防衛のリスク……気分を上げて頑張りすぎると心身に無理が生じる

躁的防衛は、短期的なストレスを乗り越えていく際には有効です。しかし、長期的にその方法を用いていると、心身が疲弊してしまいます。

たとえば、スケジュールに穴が空くたびに不安になり、用事を入れて無理やり忙しくする。嫌なことを考えないために、お酒の力で気分を上げる。孤立を避けるために、毎日仲間たちと騒ぐ。こうした行動を繰り返すと、精神だけでなく、体の健康や生活にも支障が生じてしまいます。
 

なぜ躁的防衛を用いるのか……まずは自分を知ろう

1人で考える女性

「躁的防衛に走るのはどんなときだろう?」―自分を振り返ってみましょう

躁的防衛に頼らないために必要なのは、自己理解です。「なぜ無理に忙しくしてしまうの?」「なぜいつも賑やかな状況を求めるの?」このように、自分自身を振り返ることです。

環境が変われば人は緊張するものですし、傷つけば人は落ち込むものです。こうした一時的なストレスに対して、躁的防衛を短期的に用いるのは自然なことです。

しかし、長期的なストレスに対してもハイテンションで乗り切ろうとしている場合、その理由をよく考えてみることが必要です。一つには「ある特定の刺激」に対して、過剰に反応しているのかもしれません。または、ストレスとのつきあい方があまり上手ではないのかもしれません。
 

自己理解を活かして、ストレス対処のレパートリーを広げる

たとえば、交際に慣れていない人が合コンなどに行くと、急にハイテンションになり、過剰に騒いでしまうことがあります。このように「ある特定の刺激」に対して躁的防衛が出てしまう場合には、いったん刺激のレベルを下げてみましょう。

この例の場合、いきなり合コンから始めるのではなく、仲間づくりのチャンスを探すことから始めてみてはどうでしょう。勉強会、ボランティア、スポーツなどの活動は、仲間づくりには最適の場です。共通の話題を通じて仲良くなると、自然に交際に発展するチャンスが広がります。

また、「テンションをあげて無理やり頑張る」のはやめ、長期的なストレス対処法を取り入れていきましょう。その際に役立つのが「コーピング」を増やすことです。コーピングは『「攻める」「散らす」……ストレスに勝つ2つの極意』という記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。

長い人生の中では、さまざまなストレスに何度も遭遇します。したがって、上記のような対処法も試みながら、上手にストレスと付き合っていきましょう。

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