旅行前に観たい!香港を旅したくなる香港映画おすすめ10選
■INDEX- 時代を映し出す作品たち
『慕情』(1955年)
『恋する惑星』(1994年)
『天使の涙』(1995年)
『ハリウッド★ホンコン』(2001年) - ハードボイルドな男たちを描いたサスペンス&アクション
『インファナル・アフェア』(2003年)
『傷だらけの男たち』(2007年)
『香港国際警察/NEW POLICE STORY』(2004年) - 迫力満点!“ザ・ハリウッド”な映画の舞台として
『トランスフォーマー/ロストエイジ』(2014年)
『ダークナイト』(2008年) - 旅人の視点で映し出したドキュメンタリー
『深夜特急』(1996年)
時代を映し出す映画
戦後の植民地時代の香港が舞台『慕情』
映画の象徴となる丘のシーンはヴィクトリアピークといわれています。今とはまったく異なる印象です。(C)2015 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.
『慕情』(画像はAmazonより:http://www.amazon.co.jp/dp/B00ZTN8ERE/?tag=aajg-1215-22&linkCode=as1&creative=6339)
主軸を担うのは大人の切ないラブストーリーですが、一方で、印象的なのがその背景。中国本土は国共内戦の末に中国共産党が治めるようになり、陸続きの香港には共産党政治を拒んだ人たちが押し寄せた激動の時代。中国出身でありながらベルギーのハーフであるヒロインがアイデンティティについて悩む様は、常に外国の影響を受け続ける香港の街そのものにも感じられます。
また、半世紀以上昔の景色も注目したいところ。年々埋め立てが進み「そろそろヴィクトリア湾はヴィクトリア川になるのでは?」という冗談がささやかれるほど地形が変化していく香港の原型をこの映画で知ることができます。
ウォン・カーワイ監督が映し出す中国返還前の香港
スタイリッシュな映像で、アジア映画ブームの火付け役となった『恋する惑星』。街で警察官を見かけるたびに、この作品のトニー・レオンを思い出す人も多いのでは?(C)1999, 2008 Block 2 Pictures Inc. All Rights Reserved.
『恋する惑星』冒頭の金城武が疾走するシーンは重慶大廈。(C)1999, 2008 Block 2 Pictures Inc. All Rights Reserved.
『天使の涙』では茶餐店や飲茶屋など香港ならではのレストランが登場するのも魅力。(C)1999, 2008 Block 2 Pictures Inc. All Rights Reserved.
『天使の涙』で金城武にのっとられるアイスクリームカー。ソフトクリームはHK$8(約110円)
『恋する惑星』で一気に有名になったヒルサイド・エスカレーター(C)1999, 2008 Block 2 Pictures Inc. All Rights Reserved.
前者は『恋する惑星』では、麻薬のディーラー(ブリジット・リン)の、『天使の涙』では、殺し屋(レオン・ライ)とそのエージェント(ミシェル・リー)といった闇の仕事をする人たちの活動拠点となっています。一方、後者は警察官(トニー・レオン)とデリの娘(フェイ・ウォン)の健康的な恋の舞台として、しっくりとはまっています。中でもSOHOのヒルサイドエスカレーターは、この映画を機に注目の観光スポットとなりました。
『恋する惑星』(画像はAmazonより:http://amzn.asia/02srLfE)
さらに、宿屋の息子(金城武)が、深夜に色々な店を勝手に開けて営業するビックリな場面。「せっかく高い賃料を払っているのに昼間にしか営業しないのは不経済だ」という無茶苦茶な理由を挙げていますが、その発想は世界屈指の高さを誇る香港の家賃事情があってのこと。家賃分を補うためにも、「稼がなくちゃ!」となるのです。と言っても、モウのように勝手に人のお店を開けちゃいけませんけどね……。
『天使の涙』(画像はAmazonより:http://amzn.asia/3CHRy5Y)
中国返還以降の光と影をシュールに描いた大人のおとぎ話
ヒロインが住むのはショッピングモール「PLAZA HOLLYWOOD」の後ろの高層マンション。(c)2001 NICETOP INDEPENDENT LTD.+ HAKUHODO INC.+ MOVEMENT PICTURES + MEDIA SUITS INC.
舞台は、香港最後の貧民街と呼ばれたダイホム・ヴィレッジ。焼豚屋を営む父と二人の息子の前に、ある日上海からやってきた美少女(ジョウ・シュン)が現れます。男たちは妖艶な魅力に取り付かれていきますが、そこには彼女のしたたかな計画があり……。
『ハリウッド★ホンコン』(画像はAmazonより:http://amzn.asia/1295wQY)
映画のタイトル『ハリウッド★ホンコン』の由来となったのは、ダイホム・ヴィレッジ向かいのショッピングモール「Plaza Hollywood」。華やかな要素などなかった鑽石山(ダイヤモンド・ヒル)エリアに、突如建てられたこの施設。背後にはタワーマンションがそびえ、そここそがヒロインが住む場所。貧民街と富裕層の生活地区が通り1本挟んで隣接する風景はショッキングですが、ハリウッドスターのように憧れのまなざしを送られるヒロインの居場所として、効果的に映し出されています。
ちなみに、メインのロケ地となったダイホム・ビレッジはすでに跡形もなく撤去されていますが、「Plaza Hollywood」は映画と変わらぬ姿で健在。MTR「鑽石山(ダイヤモンド・ヒル)」駅に直結しているので、ショッピングがてら足を運んでみてはいかがでしょうか。
ハードボイルドな男たちを描いた、手に汗握るサスペンス&アクション
ハリウッドや日本でもリメイクされた『インファナル・アフェア』 (C) 2002,2003 Media Asia Films(BVI)Ltd.All Rights Reserved.
裏社会に生きる香港マフィアと、それを撲滅させるべく奮闘する警察は、香港映画の題材として最もポピュラーな題材。中でも代表的なものといえば以下の3つでしょう。
インファナル・アフェア 三部作 Blu-ray スペシャル・パック(画像はAmazonより:http://amzn.asia/8remnOy)
ひとつは『インファナル・アフェア』。スパイとして警察に紛れ込んだマフィアと、潜入操作のためマフィアに成りすました警官が、緻密な策略で互いの情報を奪い合うサスペンス。練りに練られた脚本はハリウッドも魅了し『ディパーテッド』というタイトルでリメイクされ、アカデミー作品賞を受賞しました。また、日本の人気ドラマ『ダブルフェイス』のベースとなったことでご存知の方も多いでしょう。
原題は『無間道』と言い、「無間」とは仏教用語で「永遠に助からない」という意味。素性を隠しスパイとして数々の苦難を負う彼らは、まるで地獄を生きているようだと暗示するタイトルです。ミッションを達成するまでに訪れる数々の試練と孤独な戦い。そんな心の葛藤もこの映画のみどころのひとつです。
『傷だらけの男たち』(画像はAmazonより:http://amzn.asia/hy5MIOz)
ストーリーは、恋人が自殺したショックで警官を辞め、飲んだくれとなった私立探偵と、順風満帆な人生を送る彼の元上司が、ある殺人事件の裏に隠された復讐劇に迫っていくというもの。前作同様、手に汗握る予測不能の展開と、登場人物の繊細な心理描写に引き込まれていきます。
『香港国際警察 NEW POLICE STORY』(画像はAmazonより:http://amzn.asia/6UCgd2K)
『香港国際警察/NEW POLICE STORY』は、香港島の街中でのアクションが多く、街を歩いているだけでも映画の世界観を楽しめますが、DVDのジャケットにもなっている香港コンベンション&エキシビションセンターは、背景にヴィクトリア湾が迫るロケーションで特に印象的です。
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沙田萬佛寺
アクセス:MTR東鐵綫(イースト・レイル・ライン)「沙田」駅下車。B出口より徒歩約15分。グランド・セントラル・プラザ方面へ進み、沙田政府合署との間の道を右折すると突き当たりに看板がある。
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Staunton's Wine Bar & Cafe
住所:G/F, 10 – 12 Staunton Street, Soho, Central, HK
TEL:+852 2973 6611
営業時間:10:00~深夜(月~金曜)、9:00~深夜(土・日・祝)
http://www.stauntonsgroup.com/
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香港コンベンション&エキシビションセンター
1 Expo Drive , Wanchai HK
TEL:+852 2582 1111
https://www.hkcec.com/
迫力満点!“ザ・ハリウッド”な映画の舞台として
『トランスフォーマー/ロストエイジ』の戦闘シーンで使われた太古(タイクー)の益昌大廈。夜は色とりどりの灯りがともって幻想的ですが、写真で見るよりも実際はかなり暗い場所なので訪れるには勇気が要ります。
香港の摩天楼群は『バットマン』の世界観に自然に溶け込みます。(c)2014 Warner Bros. Entertainment Inc.
『ダークナイト』(画像はAmazonより:http://amzn.asia/8A1Kx62)
『トランスフォーマー/ロストエイジ』(画像はAmazonより:http://amzn.asia/a0uGCZt)
おまけ~旅人の視点で映し出したドキュメンタリー~
旅人のバイブル『深夜特急』のドラマ版は重慶大廈の快楽招待所から始まりました。(提供:ソニー・ミュージックダイレクト)
提供:ソニー・ミュージックダイレクト
また、著者の鋭く独特な視線は香港を深く知るヒントになるはず。旅をする上で最もイメージしやすく予習できる作品と言えるでしょう。