損害保険/損害保険関連情報

熊本地震 公的支援の申請、そして地震保険の請求を(2ページ目)

熊本地震で被災された皆様、そしてご遺族の皆様に心よりお見舞いを申し上げます。熊本から大分にかけての地震活動はいまだ活発で、気象庁は警戒を呼び掛けています。一方、役所が被災した益城町でも遅れていた「り災証明書」の申請手続きが開始され、今後は生活再建の段階に入りつつあります。ここで大切なのは、確実に公的支援を受けるための各種申請手続きをすること。地震保険金の請求手続きも含め、解説します。

清水 香

執筆者:清水 香

火災保険の選び方ガイド

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地震保険金の請求、まずは保険会社や代理店に連絡を

地震保険金の請求は、まず保険会社等への連絡から始まる

地震保険金の請求は、まず保険会社等への連絡から始まる

今回の地震では、5月9日現在、各損保会社がすでに15万件もの地震保険の事故受付をしています。すでに4万件超、610億円超の保険金が支払われていますが、事故受付件数から見ると、まだ地震保険金の支払いは増えていくことが予測され、東日本大震災の総支払保険金に次ぎ、過去2番目に大きな保険金支払いになることが確実とみられています。
 
地震保険の契約をしているなら、保険金の請求手続きをしましょう。住宅建物や家財について、一部損以上の損害があれば、被害状況に応じて「全損(地震保険金額の100%)」「半損(50%)」「一部損(5%)」のいずれかの保険金が受け取れます。
 
地震保険は、原則として調査員が建物等の損害状況を調査してから保険金が支払われるしくみ。ですから請求に際してはまず、保険会社や代理店に連絡をしましょう(東日本大震災 損害調査の現場から その1)。保険金の支払いは、早ければ調査員による立会調査の数日後。使い道は自由ですから、すぐに生活再建で必要となる費用に充てることができます。
 
今回の地震では、調査員の立ち合いなしに、契約者の自己申告で保険金請求ができるようになっています。また、おもに熊本県および大分県の契約者で、書類作成が困難な一定のケースについては、保険金請求書の一部省略の取り扱いができるしくみも導入されています。ただし、いずれも利用できるのは一定のケースで、事前確認が必要です(日本損害保険協会 地震保険金の早期お支払いに向けた対応について)。どのような場合も、まずは保険会社等への連絡から手続きが始まると覚えておいてください。
 
なお、地震保険の損害認定と、り災証明書の被害認定とは異なるものです。例えば、いずれの損害調査にも漏れがないにもかかわらず、り災証明書で「全壊」と認定された住宅が、地震保険で「半損」となるケースがあります。これはどちらが厳しいとか甘いとかではなく、両者の確認基準や着目点が異なることから導き出される結果です。(参照 国の被害認定と地震保険の損害認定、どう違う?)。事前に誤解を解いておけば、後のち考えられるトラブルを防ぐことができるでしょう。
 

地震保険の契約先がわからないなら

今回の地震で保険証券を無くし、契約先や契約の有無がわからないなら、日本損害保険協会内「自然災害損保契約照会センター」へ連絡を。自分が契約している保険会社や地震保険の契約の有無を突き止めることができます。災害救助法適用地域(今回は熊本県および大分県の一部地域)の方が利用できます(日本損害保険協会 平成28年熊本地震により被災された皆様へ)。
 
■日本損害保険協会「自然災害損保契約照会センター」
受付:平日9:15~17:00(当面は土日祝も対応)
  • フリーダイヤル 0120-501331
  • ナビダイヤル 0570‐001830
  • IP電話等 03‐6836‐1003
また地震保険は、損害保険会社の販売する火災保険のみにセットされるものですが、JA共済や全労済などの火災共済では、共済独自の地震保障がついているものがあります。その場合、共済金を受け取れることがありますので、契約されている方は、契約先の共済団体に問い合わせてみてください。
 
火災保険や地震保険は長期にわたる契約も少なくないため、契約後にはその内容を忘れがちなものです。しかし、本当に困ったときに使う保険ですし、こうしたときこそ、保険金が受け取れるかどうかが速やかに確認できれば、先々の見通しもつきやすくなり、安心感を得られるはずです。平時から、非常用持ち出し袋に保険証券のコピーを入れるなどしておくと、問い合わせもスムーズにできます。
 
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