保坂知寿undefined東京生まれ。82~06年、劇団四季に在団。『マンマ・ミーア!』、『アスペクツ オブ ラブ』、『オンディーヌ』等に主演した。退団後も様々な舞台で活躍。主な出演作に『ドッグファイト』、『ライムライト』、『ヴェローナの二紳士』、『道化の瞳』、『休暇』、『秘密はうたう』、『パイレート・クィーン』等。『デュエット』、『スーザンを探して』での演技にて第34回菊田一夫演劇賞を受賞。(C)Marino Matsushima

保坂知寿 東京生まれ。82~06年、劇団四季に在団。『マンマ・ミーア!』、『アスペクツ オブ ラブ』、『オンディーヌ』等に主演した。退団後も様々な舞台で活躍。主な出演作に『ドッグファイト』、『ライムライト』、『ヴェローナの二紳士』、『道化の瞳』、『休暇』、『秘密はうたう』、『パイレート・クィーン』等。『デュエット』、『スーザンを探して』での演技にて第34回菊田一夫演劇賞を受賞。(C)Marino Matsushima

*最終頁で『エドウィン・ドルードの謎』観劇レポートを掲載しました*

『オリバー・ツイスト』『二都物語』などで知られる英国の文豪、チャールズ・ディケンズ。彼の絶筆となった小説を、未完であることを逆手に取り、ルパート・ホームズ(作詞作曲)が“結末は観客の投票で決める”という奇想天外な趣向でミュージカル化したのが本作です。85年にブロードウェイで初演の舞台は話題を呼び、トニー賞でも5部門を受賞。今回、演出に福田雄一さんを迎え、満を持しての日本初演となります。

物語の舞台は英国、とある大聖堂の町。主人公のエドウィン・ドルード(壮一帆さん)は婚約者ローザ(平野綾さん)との結婚を控えていたにもかかわらず、忽然と姿を消します。彼は直前にインド出身の青年ネヴィル(水田航生さん)と口論になり、激高させてしまいますが、そのいっぽうでは、エドウィンの叔父ジャスパー(今拓哉さん)がローザに横恋慕していたことが判明。その他にも登場するのは“どことなく”怪しい人物ばかり。エドウィンはこのうちの何者かの手にかかり、殺されてしまったのでしょうか?

支配人(山口祐一郎さん)が仕切って物語を進める中、2幕のクライマックスではお待ちかねの“投票タイム”。推理をめぐらした観客の投票を集計し、288通りにも及ぶというパターンの中から結末がその場で決定、俳優たちは即座にそれを演じる…というのがこの作品の趣向です。ミステリー仕立てではありますが多分にコメディ的要素もあるため、卓越したテクニック(と濃ゆさ?)の持ち主たちが求められる作品ですが、今回はいずれ名うての“花も実もある”キャストが揃い、奇跡の日本初演とあいなりました。

その中でも、ジャスパーが阿片窟で出会う女性プリンセス・パファーをミステリアスに演じるのが、保坂知寿さん。劇団四季の看板女優時代を経て、多彩な作品できらりと光る演技を見せ、最近も『ドッグファイト』での、傷ついたヒロインの心を奮い立たせるバイタリティ溢れる娼婦役が記憶に新しい彼女ですが、その彼女にとっても今回の公演は、全く新たな体験だそう。稽古もラストスパートに入り、本番ではどんなことになるのか、“ドキドキ”の日々を語っていただきました。

他の登場人物同様、“かなり怪しい”
…かもしれない? 阿片窟の女主人

『エドウィン・ドルードの謎』

『エドウィン・ドルードの謎』

――ディケンズの原作は未完にも関わらず、かなりの長編なのですよね。

「ぱらぱらとではありますが、原作を読み、また映画版もありますのでそちらも観て、一応筋を頭に入れましたね。原作や映画版はシリアスな作品だったのですが、今回の台本をいただいて読んだところ、“これは別世界だな…”と思いました(笑)。以来、原作のことはそれほど気にしていないんですよ」

――私も原作を斜め読みしたのですが、プリンセス・パファーという人物、出てきましたでしょうか?

「名前は出てこないんですけれど、阿片窟の女主人はいましたね。ミュージカル化にあたって役名がついたみたいです」

――それにしても彼女は何者なのでしょう? とても怪しいのですが…(笑)。

「いえ、何者でもないです、本当ですよ!(笑) 登場人物たちと深く関わっているかどうかも謎、という立ち位置なので。でも、犯人かもしれませんね(笑)」

――彼女が何気なく言った台詞を支配人が(犯人捜しの)ヒントのようにおっしゃっている部分がありますが、キーパーソンなのでは?

「私だけでなく何人かのキャラクターが“謎を解く鍵”と思えるようなことを言うんですが、実際はそれほど意味がない時もあるし(笑)、“そういうことなんだ”と納得できるものもあります。やる側としては、あまり“これってどうつながっているのかな”“なぜこのナンバーがあるのだろう”と考え過ぎないで、何より、お客様に楽しんでいただくことを目標に作っています」

――そしてその観客参加の投票部分なのですが、予想される行動パターンとしては“インパクトが強かったり、いかにも怪しげな人に投票する”“贔屓の俳優に投票する”というものがありますが、キャストの皆さんとしては投票されることを目指して、猛烈にアピールされるのでしょうか?!

「今回の舞台では物語世界のキャラクターだけでなく、登場人物を演じる俳優たち自身、例えば“保坂知寿”といった具合に俳優たちが実名で登場するのですが、その俳優たちがみんなすごく犯人役をやりたがっている=投票されたがっている…ということになっています。でも投票結果はその時になってみないとわからないので、急に演じるかもしれないことに対して、みんなドキドキしてますね」

*『エドウィン・ドルードの謎』トーク、次頁にまだまだ続きます!ミュージカル・コメディの新たな時代を切り拓く福田雄一さんの脚本・演出は今回、どんなことに?