渋谷駅

延々と再開発工事が続く渋谷。駅が大きいので勤務先に改札が近い路線を選ぶという手もある(クリックで拡大)

渋谷駅は山手線を始めとするJR各線、京王の井の頭線、東急2路線、東京メトロ3路線が乗入れる一大ターミナル。JRでは山手線、埼京線、湘南新宿ライン、そして成田エクスプレスが利用可能だ。渋谷から吉祥寺を結ぶ京王井の頭線は他路線とは繋がっておらず、のんびりした住宅地を繋ぐ路線。渋谷と横浜方面を結ぶ東急東横線と埼玉方面に向かう東京メトロ副都心線、渋谷と神奈川県内中央林間までを結ぶ東急田園都市線と東武伊勢崎線まで繋がる東京メトロ半蔵門線はそれぞれ相互直通運転を行っている。東京メトロ3路線のうち、銀座線だけが京王井の頭線同様、他路線との接続はない。

つまり、渋谷勤務の場合、選択できる路線としては以下の路線が考えられる。そのうちでお勧め駅を勝手にピックアップしてみた。

山手線巣鴨駅 若者にも住みやすい物価の安さ

巣鴨駅周辺

おばあちゃんの街を想像していくと、軽く期待を裏切られる。意外に(!)高校生が多いのだ(クリックで拡大)

ご存じ、首都圏の大動脈。便利ではあるが、混雑する。東側に向かえば賃料は安くなる。駅としていえば池袋から西日暮里あたりまでが狙い目。西日暮里まで行っても渋谷までは30分弱だ。中でもお勧めはおばあちゃんの原宿として知られる巣鴨。メインの商店街の人の多さにはいささかうんざりするところもあるが、その分、物価は安い。駅の近くなどにも飲食店が多く、外食中心の人なら特に住みやすいはずだ。また、都営三田線が利用できるので大手町、日比谷などにもダイレクトで行ける。

参考記事はこちら
巣鴨、住む人にも優しいおばあちゃんの原宿

埼京線赤羽駅 狙ってみたい高台のリノベ団地

赤羽の飲食店街

線路を挟んで商店街、飲食店街と住宅街がぱきっと分けられている感のある赤羽。住宅街側の高台を選べば静かな生活が送れる(クリックで拡大)

りんかい線と繋がり、湾岸エリアにも行きやすい埼京線だが、単身者の暮らしやすさで考えると、お勧めは赤羽。駅周辺の朝から飲める飲食店街が有名だが、個人的には駅を挟んで飲食店街の反対側に広がる、URの住宅をお勧めしたい。ここには昭和37年に23区初のマンモス団地として生まれた赤羽台団地があり、それが近年ヌーヴェル赤羽台として生まれ変わり、一部にはデザイナーズも。ゆったりした敷地や桜並木も歴史を感じさせてくれる。残念ながら、なかなか空室は出ないが、手頃に広く、便利に住みたい人なら狙ってみる手はある。

参考記事はこちら。
赤羽、便利で気取らない、坂と商店街の街

湘南新宿ライン鎌倉駅 不便を我慢しても住む魅力のある街

鶴岡八幡宮

夜遅くなるのが常態という仕事の場合の鎌倉はやや辛い。比較的定時で上がれる仕事なら鎌倉居住でも通えないことはない(クリックで拡大)

他路線に比べ時間はかかるが、海好きなら湘南エリアからの通勤も不可能ではない。たとえば鎌倉からなら1時間ほど。ただし、本数はそれほど多くないし、夜遅くなる人だと難しいかもしれない。また、鎌倉はスーパーその他が少なく、利便性で考えるとそれほど高くはないし、休日の駅周辺の混雑ぶりも面倒。いろいろ、不便はあるのだが、住んでいる人に聞くと、それでもなお住んでみたいという魅力があるのだとか。自然、歴史が好きという人なら一度住んてみても良いのでは?

参考記事はこちら。
鎌倉、歴史と文化、山と海のある街の魅力解剖

京王井の頭線浜田山 のんびりしたお屋敷街だが、賃貸なら比較的手頃

渋谷、吉祥寺と人気の2つの街を繋ぐ路線だが、同沿線の駅はどこもコンパクトで知らない人が見ると郊外のローカル電車の雰囲気がある。そのうちでもお屋敷街として知られるのが浜田山。だが、買うと高額な街ながら、賃貸で借りるならそれほどでもない。それほど店の数自体は多くはないが、遠くからわざわざ食べに来る人もいる名店などもあり、奥の深さがある。中央線阿佐ヶ谷までは杉並区のコミュニティバスすぎ丸が利用でき、区役所も路線上にある。

参考記事はこちら。
浜田山、日本一ポルシェが売れる街

東急東横線祐天寺駅 中目黒、三軒茶屋、恵比寿徒歩圏

祐天寺

駅名通り、古刹祐天寺があり、桜、盆踊りと地域で親しまれている(クリックで拡大)

人気の中目黒駅、商店街充実の学芸大学駅の間に挟まれ、各駅停車しか止まらないのが祐天寺駅。だが、両駅には歩いて10数分、さらに三軒茶屋、恵比寿にも20分ちょっとと周辺を活用すれば利便性は高い。三軒茶屋、目黒には東急バスが利用でき、渋谷を経由するより、楽に早く行ける。ただし、東横線の祐天寺~中目黒間は東横線中ではもっとも混雑する区間であり、時間によっては通過電車を眺めて数分以上待つ羽目にも。

参考記事はこちら。
祐天寺、古刹と銭湯、一戸建ての多い住宅街
知られざるもつ焼き天国、祐天寺(東急東横線)

東京メトロ副都心線要町駅 池袋徒歩圏で静かな住環境を

豊島区役所

区役所の移転(写真中央)に始まり、開発計画目白押しの池袋。住んでいるうちにどんどん便利になるかも(クリックで拡大)

渋谷から明治神宮前(原宿)、新宿三丁目、池袋などを経由して和光市に至る副都心線は賃料が手頃になってくるのは雑司ヶ谷以遠。お隣池袋も最近、人気の街だが、もう少し静かでお安くという人なら、お勧めは池袋駅の一駅先、要町。池袋からは大通りをまっすぐに行けば歩いて帰れる場所でもありながら、池袋駅周辺の喧噪とは異なる住環境がある。もちろん、買い物その他で池袋の利便性も享受できる。

西武池袋線練馬駅 渋谷以外へのアクセスも良好な区政の中心地

練馬駅

複数路線が利用でき、すぐ脇には文化ホール、飲食店街と生活を楽しくしてくれる施設が集まる練馬駅(クリックで拡大)

副都心線を介して繋がる西武池袋線も選択の範囲内。単身者に住みやすいといえば、学生街江古田駅と思い浮かべる人もいるだろうが、残念ながら渋谷方面への路線が使えるのは練馬以遠。直通で行くためには逆に池袋からは少し遠くなる練馬以遠で選ぶ必要があるのだ。だが、練馬であれば東横線方面へも、有楽町線方面へも行け、さらに都営大江戸線も利用可。渋谷勤務以外の人にも便利だ。ただし、渋谷直通の列車の数はそれほど多くはなく、時間帯によっては池袋経由、大江戸線で代々木経由などのほうが便利なこともある。駅周辺は区政の中心地で、駅前には安くて賑やかな飲食店街があり、単身者には住みやすい。最近はラーメン店も増加している。

東京メトロ副都心線は西武池袋線だけでなく、和光駅以遠の東武東上線にも乗入れているのだが、このエリアはシングルよりはカップル、ファミリー向け。東武東上線と2線利用できるという意味でのお勧めは成増駅で、ここには副都心線の地下鉄成増駅もある。ただし、この2駅は隣接しているだけで駅構内での乗換はできない。

参考記事はこちら。
練馬、都心直結、便利で緑も多い区政の中心

東急田園都市線溝の口駅二子新地駅 二子玉川の利便性を享受、多摩川も自分の庭に

多摩川とバーベキュー

多摩川を庭にする生活。想像するだけで楽しそうだ(クリックで拡大)

東急田園都市線の溝の口駅以遠は商業施設その他がカップル、ファミリー向けの街になっているため、暮らしやすさを考えると溝の口駅までがお勧め。といっても二子玉川駅までは賃料が高めなので、お勧めは多摩川を渡ったところにある二子新地駅。橋を渡れば二子玉川駅までも徒歩圏なので、買い物、外食、映画鑑賞など二子玉川の利便性を享受しながら、お手頃に暮らすことができる。二子新地駅周辺の商業施設はそれほど豊富とは言いにくいが、必要なモノは揃っており、近年マンションの増加で充実傾向にある。また、川崎市側であれば多摩川河原でのバーベキューも可というのはうれしい。

参考記事はこちら。
二子新地、多摩川沿い、大山街道沿いの住宅街

東急田園都市線利用であれば、溝の口駅で乗り換え、南武線沿線を狙うという手もある。もう一段賃料が下がる上に、のどかで緑も多い雰囲気が楽しめる。

同様に三軒茶屋から東急世田谷線を利用するという手もある。こちらは世田谷区内になるので、それほど大幅に安くなるわけではないが、こちらも下町っぽく人懐こい風情が住みやすいエリアだ。

東京メトロ半蔵門線清澄白河駅 カフェに美術館、公園もある話題の街

清澄白河イメージ写真

モダンなカフェにレトロな商店街、寺社、公園。清澄白河は様々な要素がある街だ(クリックで拡大)

東京メトロ半蔵門線は水天宮前まではオフィス街でもあり、利便性は高いが賃料もそれなり。だったら、もう少し行って、お隣の、最近話題の清澄白河駅周辺を狙ってみてはどうだろう。カフェが増加していることは知られているが、元々庶民的な雰囲気の商店街がある場所で、生活には便利。また、清澄庭園や東京都現代美術館のある木場公園など、自然も身近にある。木場公園ではテニスやバーベキューなど、散策以外の楽しみもあり、最近は周囲にしゃれたレストランなども増えつつある。個人的にはなんといっても商店街のおでん屋美好がお勧め。

参考記事はこちら。
清澄白河、歴史とタワーが併存する多層な街
清澄白河が面白くなっているのはなぜ?

東武伊勢崎線北千住駅 複数路線が利用でき、駅前も繁華

北千住

近年学生が増え、おじさんの街から若者の街になりつつある北千住。下町風情も楽しめる(クリックで拡大)

東京メトロ半蔵門線と相互直通乗り入れをしている東武伊勢崎線で単身者向きといえばなんといっても北千住駅。半蔵門線だけでなく、千代田線、日比谷線、常磐線につくばエクスプレス線も利用できるターミナル駅で、駅前には大型店、庶民的な商店街が広がる。ただし、時間によっては千代田線その他の路線を使うほうが渋谷まで早く到達することもある。半蔵門線利用で考えると40分ほど。その時に一番早い乗り継ぎをすると30数分だ。

参考記事はこちら。
北千住、歴史と活気あふれる東京北東部の中心地

徒歩圏内、つまり渋谷に住むという選択も

もうひとつ、渋谷徒歩圏に住むという手もある。山手線内側に向かうと高くなってしまうので、外側で考えると、駅からはそれほど遠くはないが、低地のため、多少賃料が安くなる鶯谷町、古い物件が多く、イメージが今ひとつのため、これまた賃料が比較的手頃な円山町などが狙い目。地域限定で探す場合には時間がかかることが多いので、早め、早めの行動が大事だ。

バス便利用を意識した立地選びもあり

バス便

都会でバス?と思われるかもしれないが、乗りこなせれば意外に便利。ただ、年末などは道路が渋滞することもあり、そうした時期は避けたほうが無難(クリックで拡大)

渋谷駅前には巨大なバスターミナルがあり、田園調布や二子玉川などといった東急線沿線はもちろん、祖師谷大蔵、成城学園前などといった小田急線沿線など多方面へのバス便が出ている。それを利用、バス便エリアを狙うという手もある。

たとえば野沢竜雲寺循環という路線は池尻、三宿などから世田谷区の下馬、野沢といった駅からは遠いエリアを巡って走る路線だが、平日朝7時台には14本、8時台にも12本出ており、24時以降の深夜バスも利用できる。年末など道路が混む時期の心配はあるものの、手頃に広くて、静かな住まいが手に入る可能性がある。鉄道の路線図のみならず、バスの路線図もチェック、駅から遠い、でも環境の良い場所がないかというチェックをしてみてはどうだろう。

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