その中央大学が、受験前に奨学金の可否が決まる予約奨学金制度を2014年度から導入 し、注目を集めはじめています。
今回は、中央大学の学生支援の取り組みを見ていきたいと思います。
中央大学の「予約奨学金」
予約奨学金とは、受験前に採用の可否が決まり、入学すれば確実に給付奨学金を受け取ることができる制度です。<申請資格>
(1)父母の年収合計が700万円以下の家庭(事業所得の場合は346万円以下)。
(2)一般入試、統一入試、大学入試センター試験利用入試を受験する者。
(3)東京、神奈川、埼玉、千葉以外の高校を卒業見込みの者または卒業後1年を経過していない者
(4)高校での評定平均値が4.1以上の者。
<給付金額 ※2015年度実績>
・法・経済・商・文学部/約37万円
・総合政策学部/約47万円
・理工学部/約55万円
<給付期間>
・4年間(ただし、毎年の成績・収入の継続審査により停止されることがある)
<採用内定者数>
・約100名
「評定平均値4.1」は一見高そうに見えますが、一般入試などの学力試験で中央大学を目指す学生にとっては決して高くない成績基準と思います。
また、多摩キャンパスがある八王子市は、東京の都心と比べて家賃の安い物件が多いので、一人暮らしの生活費支援金と捉えると受験生や保護者にとっては魅力的な奨学金といえます。
中央大学では、予約奨学金だけでなく、複数の大学独自の奨学金を設けるほか、多数の民間団体奨学金の募集枠が与えられています。
続いて、予約奨学金以外の大学独自の奨学金を見ていきましょう。
中央大学の「学部奨学金」と給付年額(2015年度現在)
<全学部共通>・中央大学学長賞・学部長賞 給付奨学金/給付額は学部ごとに決定
<法学部 やる気応援奨学金>
・一般部門/最高100万円
・海外語学研修部門/最高30万円
・長期海外研修部門/最高150万円
・短期海外研修部門/最高25万円
・法曹・公務員・研究者部門/30万円
<経済学部>
・鈴木敏文奨学金/最高40万円
・経済学部創立百周年記念奨学金/最高25万円
・経済学部給付奨学金/20万円
・経済学部グローバル人材育成奨学金/10万円~25万円
<商学部>
・チャレンジ奨学金/10万円
・商学部留学プログラム給付奨学金/10万円~50万円
<理工学部>
・理工学部給付奨学金/20万円
<文学部>
・文学部給付奨学金/12万円
・短期留学プログラム給付奨学金/18万円
・長期留学奨励奨学金/36万円(1年留学)、18万円(半年留学)
・フランス語圏派遣留学生特別奨学金/最高50万円(1年留学)、最高25万円(半年留学)
・学外活動応援奨学金/10万円~30万円
<総合政策学部>
・総合政策学部給付奨学金/約53万円
・FPS奨学金/5万円
・国際インターンシップ奨学金/授業料の1/2相当額および派遣留学先への往復航空運賃
中央大学の「その他の奨学金」
各学部の奨学金以外にも、大学が指定する国家試験や文化・スポーツ活動に積極的に取り組む学生を対象とした給付奨学金を設けるなど、多面的に学生支援に取り組む様子が伝わります。さらに、中央大学を対象とした民間団体奨学金の募集は30団体以上もあり、しかもそれら奨学団体の多くは他の給付奨学金との併用を認めているので、中央大学の学生はさらに経済負担を軽減するチャンスが与えられているともいえます。
<中央大学の学生に奨学金を給付している民間団体一覧>(2015年度現在)
小田急財団/樫山奨学財団/埼玉学生誘掖会/高村育英会/中央大学生活協同組合/東京海上各務記念財団/中西奨学会/中村積善会/日揮・実吉奨学会/日本証券奨学財団/野崎わかば会/白門奨学会/升本学術育英会/三菱UFJ信託奨学財団/村岡財団/森下仁丹奨学会/オーディオテクニカ奨学会/フジシールパッケージング教育振興財団/福岡育英会/ツツミ奨学財団/北澤育英会/ミュゼ財団/川本・森奨学財団/松口奨学会/多摩未来奨学金/ホリプロ文化芸能財団/守谷育英会/岩國育英財団/末延財団/コカ・コーラ/平山教育財団
この一覧だけでも、中央大学の奨学金の充実度を実感できるでしょうが、実は中央大学には、設立当初から苦学生に学びの機会を提供することに力を注いできた歴史があります。