バレエを通して家族の愛を描く。
ドキュメンタリー映画『Maiko ふたたびの白鳥』
15歳で単身日本を離れ、英国ロイヤル・バレエスクールに留学。19歳でノルウェー国立バレエ団に入団した西野麻衣子さん。2005年、25歳のとき東洋人として初めて同団のプリンシパルに就任。芸術活動に貢献した人物に贈られる「ノルウェー評論文化賞」を受賞するなど、ノルウェーを代表するトップダンサーとして知られています。
映画『Maiko ふたたびの白鳥』は、ノルウェー国立バレエ団でプリンシパルとして活躍する麻衣子さんの日々を4年に渡り追い続けたドキュメンタリー。キャリア絶頂期での予期せぬ妊娠、そして出産。遠く離れた日本にいる母、そしてオペラハウスで芸術監督として働く夫・ニコライ氏らの大きなサポートを受け、その強靱な意志でふたたびステージを目指す麻衣子さん。復帰作は、クラシック・バレエの名作『白鳥の湖』。しかし、出産でバランスが変わった身体は思うように動かず……。
映画を通して描かれるのは、麻衣子さんを取り巻く家族の模様。娘の夢を叶えるため、家を売り払い資金を工面した両親。全力で応援しながらも、母はときに彼女を厳しい言葉で突き放す。それは、娘への愛と信頼ゆえ。一方、出産後復帰を目指す彼女のため、夫・ニコライ氏は半年間の休暇を取り育児に専念することを決意。日本とはまた違う、ノルウェーのお国事情も興味深いところです。
母・衣津栄さんと
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