週末は800人近くが訪れる、超人気店
さまざまな食感と味わいのパンが並ぶ
いつも行列ができている、京都は宇治市の超人気店「たま木亭」が2015年7月、店舗をすぐ近くの場所に移転、3倍の広さでリニューアルオープンしました。店に入ればトレイにパンを取りながらレジまで続く人の列があり、その列について、パンをピックアップしていく方式は以前と変わらないのですが、目の前のガラス越しにひろびろとした厨房と、そこで働く玉木潤さんを始めとする職人さんたちの姿が見えるのが、ワクワクする感じを高めます。
玉木さんは1996年にパリで開催されたパンの世界大会、「クープ・デュモンド・ド・ラ・ブーランジュリー」の舞台で日本代表としてバゲットを焼いた人。だから、バゲットやカンパーニュは是非とも食べてみてほしいのですが、それは行列が最後にたどりつく、レジの手前に並んでいるので、ここはひとまず、入口付近の小さなパンたちから見ていきましょう。
2015年夏に移転リニューアルした店舗
冷蔵コーナーはスイーツパンの宝庫
クリームクロワッサン
最初に対面するのは冷蔵ショウケース。ここで人気なのは「クリームクロワッサン」(230円)です。自家製カスタードと生クリームを絞って挟んでいるのは、たま木亭ならではのクロワッサン。
クロワッサンたま木
普通のクロワッサンと違い、カンパーニュの生地を重ねて折り込んでいるので、繊細なサクサク感と力強いザックリとした食感が交錯します。
食感。さまざまな食感の愉しみは、たま木亭のパンの際立った特長です。
クニャーネ
是非体験してほしいのが、「クニャーネ」(180円)の食感です。「ガラス質の食感」と玉木さんは表現します。パリンパリンと砕ける硬質な薄いパイのなかに、オーダーを受けてから絞られるカスタード。「クニャーネ」というのは「クーニャマン」(クイニーアマン)の生地を使うことから生まれた造語です。「東京に持って帰ったら、フニャーネになってしまいますね?」などと冗談を言ってみるも、意外にもその食感は長持ちなのだそう。それを確かめることができないのは、誘惑に負けてすぐ食べてしまうからです。
焼きベリーのチーズケーキ
宇治橋通りはほうじ茶クリームパン
冷蔵コーナーはここでしか手に入らないスイートなパンの宝庫です。「宇治橋通り」(240円)は1854年創業の宇治の茶商「中村藤吉」のほうじ茶を練り込んだ生地に粒あんとほうじ茶クリーム。香ばしいほうじ茶の風味を満喫できる菓子パンです。
丹々フランスと和栗のパン
ハード系好きはきっと手にとってしまうだろう菓子パンは「丹々フランス」(210円)と「和栗のパン」(230円)です。バゲット生地のプチパンに練乳クリームと丹波の黒豆や和栗ペーストを挟んだ、これも和のスイートサンドです。
クーベルチョコとイチジクとレーズン