ピント&ポラック『DUST－ダスト』インタビュー！(2ページ目)

ダスト（塵）をテーマに作品をつくろうと考えたきっかけは何だったのでしょう。

ピント＆ポラック＞『DUST』はタイトルから着想して創作した訳ではありません。 創作過程には毎回異なる原動力や根拠があり、それらがテーマやタイトルになります。 テーマは私たちの創造する世界とまちがいなく繋がっていて、たとえ直接的な繋がりではなくても、その世界から生まれます。私たちが創造する世界とテーマの間には新たな道が広がり、その道はさらなる「アイディア」「繋がり」「新しい場所」へと私たちを導いてゆきます。「dust」という言葉と「dust」が持つさまざまな意味にはひとつの世界があり、疑問をかき立ててもくれます。それは災害後の世界であると同時に、新たな世界を生み出すための材料にもなり得るのです。

クリエイションを振り返り、苦心された点、こだわった点は？　2013年の初演時の手応えはいかがでしたか？

ピント＆ポラック＞「波により災害が起きたある社会で、人々がそれとどう向き合うか、どう権力と向き合うか」を題材にしました。災害の原因に対する問いかけ、身体・物体・アニメーションの融合などです。初演の手応えを思い出すにはちょっと時が経ち過ぎていますが、とても良かったのではないかと思います。

日本での再演に向け、作品に手を加える予定はありますか？

ピント＆ポラック＞舞台作品は常に変化します。私たちもダンサーも変化し、新たな考えが加わり、時とともに変化する……これが私たちの創作のプロセスです。作品をより良くし、新たな発見をするために作品を見つめ直し、磨き上げます。終わりはありません。

現在のカンパニーメンバーの構成は？　また、ダンサーはどのような基準で選んでいますか？

ピント＆ポラック＞現在私たちのカンパニーには３人の男性ダンサーと５人の女性ダンサー、１人の男性俳優がいます。またいくつかの作品では、フリーのダンサーと俳優を起用しています。ダンサーの年齢層は20代前半から30代半ば、俳優は60代後半です。ダンサーの国籍は、ノルウェー、ドイツ、フランス、アメリカ、イスラエル。私たちのダンサーは強い身体と個性を持ち、筋力だけでなく心にも柔軟性があり、ポジティブな精神を分かち合う人たちです。私たちがつくり上げる世界を共につくり、変化させるユニークなメンバーです。

現在のメンバーです。
アリエル・ゲルバート（男性）イスラエル出身、2014年より参加、
ツヴィ・フィッシュゾン（男性）イスラエル出身、2001年より参加、
ノガ・ハルメリン（女性）イスラエル出身、2002年より参加、
モラン・ミュラー（女性）イスラエル出身、2014年より参加、
コルデリア・ランゲ（女性）ドイツ出身、2013年より参加、
アミト・マルシノ（男性）イスラエル出身、2014年より参加。

今回は初演時のクリエイションに参加していた森山未來さんが出演します。ダンサーとしての彼をどう思いますか？

ピント＆ポラック＞俳優、ダンサーとしての彼は才能溢れるパフォーマーです。彼は常に成長することを止めないし、進歩するための新しい情報や知識に対して貪欲なひとだと思います。

森山さんは日本では役者として知られています。役者としての彼のスキルや経験がダンスの場面に生かされているのを感じる部分はありますか？

ピント＆ポラック＞彼が自身の知識と才能を持ち寄り、その統合された能力をみんなで分かち合うことが作品の力となりました。未來のパフォーマーとしての経験はとても役に立ちました。