そのため、数年前から、ホームページやパンフレットなどで自学の就職実績や支援体制を大きくPRする大学が増えてきました。
金沢工業大学(石川県野々市)は、創立当初から学生の就職支援に力を注ぎ、高い就職率を誇るとともに多くの企業や地域から評価を受けています。
さらに2010年度からは、国立大学との学費差額分を給付する“特別奨学生制度”をスタートさせ、出口(就職)だけでなく、入口(大学進学)の経済支援にも取り組んでいます。
国立大学の学費との差額を給付する特別奨学生制度
特別奨学生には「スカラーシップフェロー」と「スカラーシップメンバー」の2種類があり、3年次進級時に継続審査が行なわれ、最長4年間給付を受けることができます。■スカラーシップフェロー
・国立大学標準学費との差額(1年次725,200円/年、2年次以降979,200円/年)を給付
■スカラーシップメンバー
・250,000円/年を給付
<対象となる入学試験>
「一般試験前期とセンター試験利用前期に同時出願」「専門高校特別選抜」「推薦試験」「目的志向型入学(AO入学)」
直近の新入生の状況をみると、40名がスカラーシップフェロー、64名がスカラーシップメンバーに採用されています。(2015年度入学者実績)
理工系私立大学の初年度納入金の平均額は約150万円と文系と比べて高額なので、国立大学(約82万円)並みとなるのは大きな魅力です。
また、キャンパス近隣には4,000室を超える指定学生寮があるうえ、北陸は比較的家賃が安価なエリアなので、日本学生支援機構の奨学金と併用すれば自力進学も可能です。
特別奨学生は選抜型の経済支援制度ですが、金沢工業大学では、他の多くの在学生のために「学生スタッフ」という特徴ある制度も設けています。
学生スタッフ制度による経済支援
学生スタッフとは、大学内の様々な部署でアルバイトができる制度ですが、一般のアルバイトとは一線を画し、学内では「インターンシップ」に位置付けられています。そのため、応募者にはビジネスマナー研修が必須とされるほか、コミュニケーション能力やリーダーシップを高めるためのスキルアップ研修なども取り入れられています。
つまり、お金を稼ぎながら、社会人としての基礎力を身に付けてもらおうという狙いです。
現在、1,000名を超える学生が学生スタッフとして働いていますが、これも就職に強い金沢工業大学ならではの取り組みともいえるでしょう。
金沢工業大学の魅力は特別奨学生制度だけではありません。続いては、大学本来の魅力を見てみたいと思います。