今年こそ! 「○○したい」から「○○になる」宣言へ
新年会の「今年の抱負」をあなどるなかれ!
そんな人は、ぜひこれからの目標や抱負を「○○したい」という希望ではなく、「○○になる」という宣言に替えてみましょう。心理学には「未来はこうなる」と明確に予言するだけで、その予言が現実になる効果を説明する理論があります。これを「自己成就予言」と呼びます。
ネガティブな自己成熟予言に注意! 「風評被害」が発生する人間の心理
たとえば、この自己成就予言をネガティブな方向に使うと、現実がその予言どおりにネガティブな方向へと導かれてしまいます。代表的な例が、1973年のオイルショックや2011年の東日本大震災で発生した「風評被害」です。当時は、人々が物不足になることを心配してスーパーに駆け寄り、生活必需品が店の棚からあっという間になくなってしまいました。実際には、商品が流通しなくなる心配などなかったのに、人々が「そうなるに違いない!」とネガティブに予測したことで、その状況を回避するために買い占めが発生し、本当に物不足になってしまったのです。
このように、未来をある方向に明確に予言すると、人々の意識がその方向にとらわれ、行動がその方向に向かってしまう。これが「自己成就予言」のネガティブな心理効果です。
何気ない日常会話の中に潜む、ネガティブな予言
最近いいことがないのは、ネガティブな予言をしているからかも?
たとえば、「この先、景気が良くなるはずない」「将来が不安だよね」などと何気なく口にする人がいますが、こうした予言を交わし合ううちに、自然に財布の口が締められ、消費意欲が湧かなくなってしまうものです。こうして景気回復を危ぶむ人が国中にあふれることで、物が売れなくなり、本当に景気が低迷し、未来の予測はますます暗いものになっていきます。このように、人々がつぶやくネガティブな予言は、現実に経済の悪化を招くのです。
個人の生活でも同様です。好きな人がいるのに、「どうせ自分のことなんて相手にしてくれない」と予言すると、実際に自分から話しかけたり、連絡をとる行動をしなくなり、コミュニケーションが薄れていきます。そして、お互いの距離は日に日に遠のき、「やっぱり、自分のことなんて相手にしてくれない」と確信し、予言どおりの結果になってしまうのです。
また、なりたい夢があるのに「自分の実力じゃ無理」と予言していると、夢の実現や実現のための努力を考える前に、現在の実力で手に入れられそうなものばかり、探し始めるようになります。すると結局、夢は遠のいてしまいます。
「したい」を「する」に替えるだけで、夢は現実に近づく!
だからこそ、大事なのが「これからの抱負」の語り方なのです。いつも「英語が話せるようになりたい」「結婚したい」と控えめに希望だけを述べている人は、その後に「英語がペラペラになるのは難しいだろうけど」とか「出会いなんて、そうそうないだろうけど」などと、消極的なことをつぶやいていないでしょうか? 抱負への意志が弱く、消極的なつぶやきの方が本音である場合、本音の予言に行動が導かれ、そのとおりの結果に近づいてしまいます。ぜひ今年こそ、「○○したい」の消極的な希望を「○○になる」の明確な宣言に替えてみてください。明確に宣言すれば、その方向に意識が導かれ、実現のための行動が具体的に発生します。「英語で通訳をする」と宣言すれば、その目標に向かって一途に勉強し始めるでしょうし、「結婚する」と宣言すれば、結婚相手を探す手段を本気になって調べ始めるでしょう。周りにも本気が伝わり、サポート情報が得られたり、ヒントを教えてもらえたりします。
皆さんが今持っている目標は何ですか? ぜひ「自己成就予言」を味方につけて、夢を現実にしてみてくださいね!