2015年の家計の資産運用環境、国内株式投資派が笑う
2015年、分散投資は効いたか?
まず、金利を長期金利(10年国債の応募者利回り)から見てみましょう。ここ数年、毎年のように、過去最低水準の低金利と言われてきましたが、2015年は、さらに金利が低くなり、0.4%を下回り、0.3%前後の水準になっています。銀行などの定期預金も、相変わらず最低水準(メガバンクの普通預金金利0.02%、300万円未満の10年定期0.1%)で、頼みのネット銀行の定期預金も低水準で、あまり魅力が感じられない状況となっています。預貯金では、ほとんど資産を増やせないというのが現実です。物価上昇との関係では、物価がほぼ横ばいで推移していることから、預貯金で運用していても、資産の目減りということはなかったようです。
【参考】「インフレに預金は弱く、株式は強い」は本当?
10年国債 応募者利回り推移
一方、2015年の投資環境を代表的な投資対象の指標(インデックス)で見てみると、国内株式では、日経平均株価が年初来13.2%、TOPIX(東証株価指数)は14.3%の上昇、世界株式(MSCI、ACWI:除く日本)は-0.8%の下降、国内債券(野村BPI総合)は0.4%の上昇、世界債券(シティ世界国債インデックス:除く日本)は-5.1%の下降(11月末基準)で、国内の投資環境は良く、海外はあまり振るわなかったという結果でした。「投資=国内株式」という発想で運用していた人にとっては、良い1年であったと言えるでしょう(この運用方法は、お勧めしていません)。
国内株式、世界株式(日本を除く)、国内債券、世界債券(日本を除く)の4資産に分散して投資をした場合は、年初来1.925%のリターンという結果でした。昨年の年初来(11月末時点)の9.35%と比較すると、見劣りする気がしますが、インフレ率を上回り、預金金利よりも十分高い水準なので、まずまずの結果と言えるでしょう。
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代表的な資産のインデックスのパフォーマンス(11月末時点)
災害は忘れた頃にやってくる、2015年の振り返り
災害は忘れた頃にやってくるというけれど……
「災害は忘れた頃にやって来る」とよく言われています。けれども、最近、頻繁に報道されている災害のニュースを見ていると、感覚が麻痺していて、「ああ、また、何処どこで、災害があったんだな」というように、なんとなく他人事のように感じている自分に気付きます。「災害は忘れた頃に」というのは、前の大きな災害からの時間の経過よりも、自分の心の中の災害に対する意識の深さと関わりを持っているような気がします。
災害に関するニュースを見て、他人事にせず、自分事にするためには、自分がその場にいたことを想定して、どのように行動をするべきかを想像してみることです。もちろん、自然の大きな力には、あがなえない場面も多いでしょうが、その中で、少しでも活路を見出すためには、イメージトレーニングの繰り返しが重要です。テレビで災害報道が流れたら、「大変だ」と感想を述べるだけでなく、「あそこにいたらどうする?」という会話も、家族の中であっても良いのではないかと思います。
災害に遭われた全ての方にお見舞いを申し上げるとともに、これを読んでくださっている方々の暮らしの安全を、心よりお祈り申し上げます。
【参考】あなたの財産を守る!? 家庭のリスクマネジメント
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