5月末までに納める、自動車税も住所変更の手続きが必要
自動車税とは、自動車を所有している人に対して課される税金です。東京都の場合、自動車の所有者に対して、ゴールデンウィーク明けに、自動車税の納税通知書を発送し、5月末日までに納めてもらうという税務手続きとなっています。ただし、この税務手続きを滞りなく行うためには以下の2つのポイントを課税庁側(東京都の場合であれば東京都都税総合事務センター自動車税課)がきちんと把握していることが必要となります。- 自動車の所有者が誰なのか正確に把握している
- その所有者の住所地を把握している
の2点です。
「1. 自動車の所有者が誰なのか正確に把握している」という点について、具体的には新規登録・廃車・所有者の変更といったことが起きた場合、図のように課税をされることになりますのでチェックしておきましょう。
- 新車登録の場合:登録の翌月から年度末まで月割課税
- 廃車の場合:4月から抹消登録まで月割課税
逆からみれば、所有者移転により他府県に転出、あるいは所有者が引越ししたことにより他府県に転出した場合には、課税庁側が「2. その所有者の住所地を把握している」ということがより重要となってきます。具体的には課税庁側が、住所を把握するためには、引越しをしたら自動車税についても住所変更を登録する必要があります。
引越しをしたら、自動車検査証(通称:車検証)の住所変更登録が必要
引越しをした場合を例にあげてみてみましょう。引越しのケースでは、引越し前の市区町村に転出届を、引越し後の市区町村に転入届出を提出します。これをもとに住民票に「○月×日 △△市より転入」というような文言が書き加えられることとなります。自動車税もこれと同様、自動車の所有者にきちんと納税通知書が届くようにするために住民票の手続きとは別に、自動車検査証(通称:車検証)の住所変更登録が必要です。住民票の手続きと連動しているわけではありませんので注意しましょう。
自動車税の住所変更を忘れたときのデメリットとは? 延滞金と車検を受けられない
自動車税の住所変更登録を忘れてしまうと納税通知書が届かないこととなります。そのため、納付期限の5月末日までなら利用できたコンビニ等での納付ができなくなることもあります(納税通知書の裏面に納付期限までなら利用できる利用取扱い期間が記載してあるので確認してみてください)。また、税金を「本来の納付期限までに支払わなかった」ということで、延滞金というペナルティが課せられます。自動車税は地方税の一種ですので、延滞の金額も地方税の取扱に準ずることとなります。平成26年1月以降は納付期限の翌日から1カ月を経過するまでは特例基準割合に1%を加算した割合、その後は特例基準割合に7.3%を加算した割合となっています。近年の特例基準割合の推移は下記のとおり。
したがって、令和2年にあてはめると、
- 納付期限から1カ月を経過するまで:1.6%+1%=2.6%
- 納付期限から1カ月を経過した日以降の期間:1.6%+7.3%=8.9%
- これまでの車検証
- 自動車損害賠償責任保険証明書
- 自動車税納税証明書(※)
※平成27年4月以降、自動車税の納税確認を電子的に行っている自治体もある。その場合には自動車税納税証明書の省略ができるが、納税確認ができるまでは最大10日ほどかかるので、日程に余裕をもって納税したほうがよい。
具体的な手続き方法は3つある
自動車税の手続きはいくつかあります。以下、東京都の場合で公開されている手続き方法について説明します。■書面の場合
住所変更届の様式をダウンロードしその様式に記入するか、以前送られてきた納税通知書に同封されている住所変更届に所定事項を記入し、
〒176-8517東京都練馬区豊玉北6-13-10『東京都都税総合事務センター自動車税課』宛てに郵送する方法です(平成30年2月13日からコチラに移転してます)。
■インターネットの場合
東京都電子申請自動車税住所変更届という画面から、画面操作に従って進めるという手続きをとります。必要とされる動作環境の確認や申請をするためには申請者IDを取得することから手続きの事前準備があるので、住所変更の頻度やパソコン操作の習熟度に応じて利用するかどうかを決めていけばいいでしょう(たとえば申請者IDの取得手続きもなりすましや不正申請を防止するために、仮IDの登録からIDの本登録という手順を踏んでいくこととなります)。
■電話の場合
平日の午前9時から午後5時まで右記(03-3525-4066)の電話番号のコールセンターが受け付けています。納付方法および納税証明について、住所変更についてなどのガイダンスが流れますので、相談内容に応じて番号を選ぶ方法となります。
自動車税にも消費税アップの影響が
また、2019年10月以降、消費税率が10%に引きあがった後は下記の表のように最大4500円から1000円までの幅で減税がなされました。一方で環境性能割という新しい税金も導入されたため、自動車を新規に購入される方は従来の自動車税の減税分は環境性能割に吸収されますが、新規購入以外の方は自動車税は据え置かれ、環境性能割分だけ負担増となるので、若干、維持費の負担が大きくなるということがいえるでしょう。
新型コロナウイルス感染症の影響で1年間の納税猶予制度が
なお、すでに説明したように自動車税は4月1日現在の所有者に対して課されるものなので、例年ゴールデンウィーク明けに納付書が届き、5月末日までに納付する(令和2年は5月31日が日曜日のため6月1日月曜日が納期限)というのが通常のルールです。ですが、新型コロナウイルス感染症の影響で下記の事例のいずれかに該当する方は自動車税の納税の徴収猶予の特例制度を受けることができることが東京都(※)から発表されています(※自動車税は都道府県が所管する地方税ですので、都道府県別に対応を確認していく必要があります。後段も参照)。
こちらの要件は下記のいずれも満たす方で以下のとおり。
- 令和2年2月以降の任意の期間(1カ月以上)において、事業等に係る収入が 前年同期に比べて概ね20%以上減少
- 一時に納付し、又は納入を行うことが困難であること
- 新型コロナウイルス感染症の影響で、収入が大幅に減少した。
- 納税者ご本人又は生計を同じにするご家族が病気にかかった。
- 消毒作業などで、備品や棚卸資産を廃棄したなど、財産に相当な損失が生じた。
- 納税者の方が営む事業について、事業を廃止し、又は休止した。
いずれの場合も、
- 徴収猶予申請書
- 財産収支状況書
- 収入が概ね20%以上減少していることを示す与明細書や売上帳、預金通帳のコピーなど
なお、この記載例の税目に法人都民税とあるように、東京都から発表されている資料によると対象税目は自動車税環境性能割、狩猟税等を除く全ての都税とあるので、あてはまる方は準備をはじめてみてください。
詳しいことは自治体に問い合わせを
自動車税は都道府県が課す地方税です。逆にいえば、都道府県ごとに窓口や問い合わせ機関が異なることになります。4月1日現在、登録のあった都道府県に問い合わせるなどして、誤りのないよう手続きをすすめてみてください。【関連記事をチェック】