普通の女子高生として過ごした一年
2006年ユースアメリカGP NewYorkFinal
「最初は何をしていいかわからなくて。でもそのときはじめて普段できなかったことをやりました。友達と映画を観に行ったり、カラオケに行ったり、プリクラを撮ったり……」
だがいくらバレエと離れようとも、“プロのダンサーになる”という決意は揺るぐことはなかった。ストレッチなどできる限りのことをして、ひたすら復帰の日を待った。
2006年ユースアメリカGP NewYorkFinal
「久しぶりに稽古をしたときは、もうびっくりするくらい初心者でしたね。バーレッスンで一番ポジションにするだけで足がぷるぷるしちゃう。もともと筋肉が付かないタイプなので、全部落ちてしまって大変でした。でもあせりはなかったです。時間をかけて、ゆっくりやろうと思って。結構マイペースなんです(笑)」
往復5時間かけレッスンへ
復帰にあたり、心機一転稽古場も変えた。神奈川県の佐々木三夏バレエアカデミーに移籍し、新たなスタートを切っている。「友達のお母さんが三夏先生とお友達で、先生も若いころ同じようなケガをしたことがあると聞いたので、そういう方ならよりわかってもらえるんじゃないかと思ったんです」
2006年ユースアメリカGP NewYorkFinal
「授業中は眠くて眠くて、ときにはこっくりしたことも(笑)。大変ではあったけど、それでも三夏先生に習いたかった。スタジオの雰囲気も合ってたんだと思う。それに自分で通うって決めたんだから、ちゃんと最後まで続けようという気持ちもありました」
環境も良かった。生徒たちのレベルは高く、コンクールの上位に輝く精鋭揃い。卒業生には、ベジャール・バレエ・ローザンヌの大貫真幹さん、新国立劇場バレエ団の五月女遥さん、二歳下にローザンヌ国際バレエコンクールで優勝した菅井円加さんがいる。