【11月開幕の注目作品】
『ダンス オブ ヴァンパイア』11月3~30日=帝国劇場←観劇レポートUP!
『何処へ行く』11月5~10日=THEATRE 1010←稽古レポート&出演・松原剛志さんインタビュー&観劇レポートUP!
【12月開幕の注目作品】
『夢の続き』12月4~7日=四谷・絵本塾ホール←稽古レポート&観劇レポートUP!
『スクルージ』12月4~15日=赤坂ACTシアター←稽古レポート&観劇レポートUP!
『CHICAGO』12月4~23日=東急シアターオーブ 12月26~27日=梅田芸術劇場メインホール←観劇レポートはこちら
『エルコスの祈り』12月20日~1月11日=自由劇場←観劇レポートUP!
『フランク・ワイルドホーン&フレンズ ジャパンツアー』12月23日=梅田芸術劇場メインホール 12月26・27日=東急シアターオーブ←観劇レポートUP!
【All Aboutミュージカルで特集予定、もしくは特集した注目ミュージカル】
『HEADS UP!』11月13日開幕 気になる新星にて出演・相葉裕樹さんインタビュー&観劇レポートを掲載!
『KAKAI歌会2015』11月20日開幕 Star Talkにて出演・福井晶一さんインタビュー&観劇レポートを掲載!
『CHICAGO』12月4日開幕 Star Talkにて出演・湖月わたるさんインタビュー&観劇レポートを掲載!
『ドッグファイト』12月11日開幕 気になる新星にて出演・ラフルアー宮澤エマさんインタビュー&観劇レポートを掲載!
『花より男子The Musical』1月5日開幕 出演・松下優也さんインタビューを掲載!
『地球ゴージャス The Love Bugs』1月9日開幕 Star Talkにて出演・城田優さんインタビューを掲載!
【Pick of the Month NOVEMBER 今月の一本】
『何処へ行く』
11月5~10日=THEATRE 1010『何処へ行く』リハーサルより。(C)Marino Matsushima
西暦60年代のローマ帝国を舞台に、恋愛や人々との出会いを通して人間的成長を遂げ、暴君ネロに反旗を翻す武将、マルクスの物語『クオ・ヴァディス(主よ、どこへ行かれるのですか)』。シェンキェヴィッチによるこの長編小説を(『レ・ミゼラブル』と同様の)ポップ・オペラ形式でミュージカル化、昨年初演された本作が一部キャストを変え、再演されます。
『何処へ行く』リハーサルより。(C)Marino Matsushima
『何処へ行く』リハーサルより。(C)Marino Matsushima
稽古場のあるビルに入ると、扉は閉まっているにも関わらず、階段の踊り場まで熱い気配がむんむん。漏れ聞こえる不穏な曲調に導かれ、扉を開けるとそこではまさにクライマックス、皇帝ネロの命によって多くのキリスト教徒、そしてペテロまでもが虐殺されるシーンが展開しています。多くの人々が命を奪われるいっぽうで、マルクスらによる反乱が報じられ、ネロは次第に追い詰められてゆく。30名以上のアンサンブルの怒りや恐怖といった感情が渦巻く中で、淀みない音楽に乗って物語はスピーディーに進行、観ている側も目が離せません。
『何処へ行く』リハーサルより。(C)Marino Matsushima
【主演・松原剛志さんインタビュー】
アニメソングを水木一郎さんに師事し、後にミュージカルへも活躍の場を広げた松原さん。ミュージカルとアニメソングは「聴き手に歌詞を確実に伝える」「雰囲気ではなく、気持ちを乗せて歌う」という点で似ているのだとか。今後もたくさんの役をこなし、「求められる俳優」であり続けることが目標だと言う。(C)Marino Matsushima
「作者のハマナカ先生は20年も本作の構想を温めていらっしゃったけれど、当初はこれだけのスケールのものを世に送り出すにはかなりの人数が必要ということで、なかなか実現しなかったのだそうです。先生の思いが詰まった作品の初演で昨年、単独主演をさせていただけた。その重みもありますし、『アイ・ハヴ・ア・ドリーム』『ひめゆり』に肩を並べるミュージカル座さんの代表作に仕上げていかないと、と思っています」
――昨年の初演に続く再演の手ごたえ、いかがですか?
「大まかな演出は変わっていないと思いますが、配役が一部変わったことでお客様の印象は大きく変わるのではと思います。例えば、今回僕の叔父ペトロニウスを演じる福井晶一さんに僕は(内面的に)似た部分を感じていまして、血が繋がっているリアリティが感じられるのでは。また、前回ペテロは宝田明さんが演じていらっしゃいましたが、今回は川口竜也さん。お声も素晴らしいし演技に対してもとても造詣が深い方で、若さを活かしたペテロとなっていますし、今回はペテロの曲が一新されてもいますので、ずいぶん変わったと感じていただけるかもしれません」
――原作は長大な小説ですが、本作はつまるところ、何についての物語と受け止めていらっしゃいますか?
「人を慈しむこと、慈愛でしょうか。欧米諸国や日本で今、基本とされている倫理観は、この慈愛に根差していますが、僕ら俳優にとって難しいのは、物語当時のローマ帝国ではキリスト教が確立されておらず、残虐で弱肉強食の、現代とは全く違う価値観が当たり前だったという点です。そういう状況の中でマルクスが疑問を感じ始めたということが、どれだけ斬新なことだったか。僕たちが勉強し理解して、お客様にきちんと感じていただかなければならないと思っています」
――マルクスはとても大きな内的変化を遂げる役ですね。
「愛するリギアや、その養父母の慈愛に感化されて変化してゆく役ですが、僕自身、かつて若さゆえに暴走して利己的になっていたころ、“自分は嫌われてでも”という覚悟で僕を叱ってくださった先輩方がいらっしゃったことを思い出しますね。当時いただいた愛を物語の中で追体験しながら演じています。初演は作り上げることで精一杯でしたが、今回はベースがある分、役の気持ちに嘘なく、丁寧にと心掛けています。じっくり観ていただいて、心から釘づけになるような舞台に仕上げたいです」
【観劇ミニ・レポート】
『何処へ行く』撮影:山内光幸
『何処へ行く』撮影:山内光幸
『何処へ行く』撮影:山内光幸
*次頁で『ダンスオブヴァンパイア』以降の作品をご紹介します!